街を後に。
ランキング50以内入りました!
ありがとうございますm(_ _)m
これからも楽しんでもらえるよう頑張っていきたいと思います!!
ウェディングドレス姿は流石に目立つので、俺達はまずリリが着替えた更衣室へと向かうことにした。
リリが私服へと着替えている間に、俺はその部屋の外でリョーマに気になっていたことを質問する。
「リョーマ。カナエはどうしたんだ?」
この1年で関係が変わってしまったのかもしれないという不安の混じった質問だったが、リョーマは意外にも「僕にもわからないっす」と言って首を横に振った。
「一応、リリアーナさんの結婚式には招待されてたっすけど、結局来なかったっすね。
もしかしたら、リリアーナさんの結婚が見たくなかったのかもしれないっす」
「………ああ、なるほどな」
俺はリョーマの意見に自然と納得する。
カナエは昔から頑固な所があった。
でも、その分、人一倍に責任を背負い込んでしまうのだ。
だから、俺は最初にカナエのところに行くことに決めた。
早く俺が生きていることを伝えて、安心させてやらないと、責任で押しつぶされてしまうかもしれないと思ったからだ。
「じゃあ、まずはカナエのところに行かないとな」
「そうっすね。それが1番いいと思っす」
「悪いな、リョーマ。また説明が後になってしまう」
「いいっすよ!カナエも一緒に聞いた方がいいと思うし、今説明されても、頭がぽわぽわして上手く理解出来ないと思っすからね」
物凄くいい笑顔でそう言うリョーマに、俺は「何を言ってるんだ」と笑いかける。
「リョーマなら簡単に理解できるはずだぞ?意外に賢いんだし」
「意外は余計っすよ!
………まあ、そうかもしれないっすけど、そういう意味じゃないんすよ。
まだ夢を見ている気分というか、なんというか。
とにかく、多分、今詳しい説明をされても半分くらいしか頭に入らないと思うんすよ」
そう言ってはにかむリョーマの頭を、俺は思わずといった感じで撫でる。
リョーマは今は18歳の筈だが、身長が160cm程と低く、いつも俺を慕ってくれているので、俺は弟のように扱っている。
なので、時折こういうふうについ子供扱いしてしまう時があるのだ。
その後、しばらくリョーマにこの1年の変化について教えてもらっていると、ようやく扉が開いて、私服の姿に着替えたリリが出てきた。
俺はその姿に、思わず見惚れてしまう。
魔王との戦いまでの間、殆どが戦闘用の服で過ごしていたため、私服姿を見るのは久しぶりなのだ。
俺がじーっとリリの方を見つめると、リリは少し恥ずかしそうに聞いてきた。
「えっと、どうしたの?ラクト」
「ああ、悪い。可愛くて、つい見蕩れてしまった」
「っ!」
俺が無意識にそう返すと、リリが瞬時にその顔を真っ赤に染めあげる。
その反応を見て、俺もようやく自分がどれだけ恥ずかしいことを言ったかに気付き、赤くなっていく顔をリリから背ける。
そして、リョーマに呆れられながら「早く行くっすよ」と言われるまでの間、俺達は言葉を発することが出来ないのだった。
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「おい、あれってリリアーナちゃんだよな?」
「ああ、リョーマのやつまでいるぜ」
「じゃあ、あの黒いフードを被ったやつは誰なんだよ」
「まさか、『漆黒の剣士』様!?」
「いや、勇者様は死んだんだろ?」
「でも、リリアーナちゃんのあの笑顔を見ろよ」
「本当だ。これって、もしかして………」
そんなざわめきが聞こえる中、俺達は驚愕の視線を向けられながら、街の中を黙々と歩き進めていた。
注目されるのは覚悟の上というか、そもそも注目させるためにこの方法を選んだのだが、想像以上の視線の多さで、若干ドキマギとしてしまう。
そんな俺の様子を知ってか知らでか、いや、多分気づいているのだろうが、リリがイタズラっぽい笑みを浮かべると、俺の腕にぎゅっとしがみついてくるようにして腕を組んできた。
「ちょっ、リリ!?」
「ふふっ、こうすればもっとラクトが生きていたってことがみんなに分かるでしょ?」
俺がリリの突然の行動に驚くと、リリが少し頬を赤く染めてそう言ってくる。
確かに、リリの言う通り、この行動のお陰で周囲の人が気づき始めたのは確かだが、それにしても心臓に悪すぎる。
俺と1年間会っていなかったせいか、リリの愛情表現がかなり激しいものになっているのだ。
だから、俺はドクンドクンと煩くなり続ける鼓動を気づかれないように、リリに離れるように言おうとしたのだが、
「ラクト、ダメ?」
と上目遣いで言われてしまっては、俺にはどうすることも出来ない。
その後、結局肩身の狭い思いをしたまま、俺達は街を過ぎるまで腕を組んで歩いていくのだった。




