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再会。

本日から二話投稿となります!


感情移入し過ぎて泣きそうになった回です!

俺の言葉を聞いた参列者から、どよめきが起こり始める。


普通なら疑ってかかるのだろうが、リオ=カーミルの大袈裟とも言える反応が、俺が勇者であることが真実だと如実に語っているのだ。


でも、そんな中でも


「待つっす!」


リョーマは冷静に状況を判断しているようだった。


「貴方が本物の師匠かどうか、試させてもらうっすよ!」


そう言って剣呑な瞳をたたえて俺を睨みつけてくるリョーマ。


その表情は、俺を偽物だと決めつけているかのようだった。


おそらく、リョーマからしたら死んだ自分の師匠が穢されているというふうにも感じられたのだろう。


この様子からすると、過去に何度か偽物が現れたのかもしれない。


「いいぜ。かかってこいよ」


だから俺は、そのリョーマの挑戦を受けることにした。


いくら声や顔を変えようと、自分が今まで培ってきた戦闘経験や、その能力までを真似ることなど出来はしない。


だから、1度戦ってみせるのが早いと思ったのだ。


「止めて!リョーマ!」


そんな中で、リリアーナの叫び声が響く。


「私はもう騙されたりしないから!だから、殺すのは止めて!」


「……それは出来ない相談っすよ。リリアーナさんが良くても、師匠を穢すものは、何びとたりとも許すわけにはいかないっす!」


今のリリとリョーマの会話から察するに、リリが偽物の俺に1度騙されかけたことがあったのだろう。


だから、ここまで神経質になっているわけだ。


まあ、俺自身もリリを騙そうとしたそいつを何度か殺りたいという願望があるのだが、今はそれはいい。


「それで?戦わないのか?」


俺は早くリョーマとリリに信じて欲しくてイライラしているのだ。


こんな生殺しのような状態、やめてほしい。


「……いいっすよ、そんなに言うのなら、やってやるっす!」


俺が挑発すると、リョーマが少し怒りの表情を見せて切りかかってくる。


その太刀筋は、俺が過去にリョーマに教えたものをリョーマがこの1年間、必死に練習したことを物語っていた。


真っ直ぐで、速く、鋭い。


申し分のない斬撃だ。


事実、その光景を見たリリや他の参列者から悲鳴が上がる。


「ふんっ!」


だが、そんな斬撃で俺を倒せるわけがない。


だから俺も、リョーマに教えた斬撃と全く同じものを、威力を上げて(・・・・・・)お返しすることにした。


ガキンッ!


一瞬の交差。


俺の持つ剣とリョーマの持つ剣が金属音を響かせて重ねあった直後。


バキッ!


と、リョーマの持つ剣が、半ばの方から粉々に砕け散る。


それを見たリョーマは、ほとんど呆然とした状態で、独り言のように呟く。


「………まさか、本当に…」


「ったく、リョーマ、怒ったら直ぐに攻撃を仕掛ける癖は治せと言っただろうが。いくらこの1年間で強くなったようだとはいえ、お前でもまだ勝てない相手はいるんだぞ?

……まあ、かなり努力はしてきたみたいだけどな」


「師匠!!」


俺がリョーマに注意を促すと、リョーマは俺の言葉に、半ば食い気味に叫ぶ。


「師匠!師匠なんすか!?」


その表情からは、また再会出来たことによる喜び、もしかしたらまた本物じゃないのかもしれないという不安が見て取れた。


そこで、俺はまだちゃんとリョーマに真実を言っていなかったことを思い出す。


だから、俺はなるべく安心させるように、リョーマに、そして口元を両手で覆っているリリに聞こえるように告げた。


「……ああ。ただいま。1年間、心配かけたな」


「……っ!」


その瞬間、リョーマの眼に涙が溜まる。


そして、俺に抱きつく為に飛びかかってきた瞬間に


「ラクトォーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」


俺の体は横からの凄まじい衝撃を受け、バランスを崩した。


突然の体勢の変化のせいで、ドゴォンとリョーマが壁に突っ込んだ音が聞こえる中、そんな事は目にも入らないように、俺に飛びかかってきたリリが、目から涙を零しながら何度も俺の名を呼ぶ。


「ラクト、ラクトなの!?」


俺はそんなリリを見て、我慢出来ずにその小さい背中を抱きしめる。


「……リリ、ごめんな。あの時、一緒に帰ってやれなくて」


俺が懺悔するかのようにそう言うと、リリはブンブンと首を横に振る。


「いいの……いいのっ!だって、だって、ラクトがまた、帰ってきてくれたんだもの!

でも、お願い……もう、私を置いて、どこにも行ったりしないで……っ!」


そう言って、俺を離さないように必死に俺に強くしがみついてくるリリの背中を、俺も更に強く抱きしめる。


「……ああ、もう、リリを置いてどこかに行ったりはしない。安心してくれ」


「……う、うぅ、ああぁっ」


そこで、ついに感情のトリガーが外れたように、リリが悲鳴に似た泣き声をあげる。



俺はその全てを受け止めるような気持ちで、ずっとリリの体を抱きしめていた。




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