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信じれぬもの

今回はいつもより短めになりました。


おかげで誤字チェックがしやすいの何の


では、どうぞ

「刀を寸止めしたじゃないか!」


この言葉に天使は途方もない衝撃を受けたかのように青ざめた。赤奈の言っている言葉の意味が理解できないみたいだ。

「い、いったい何の話ですか!? 私、そんな覚えがありません」

「白羽取りの時だ。本当は間に合わないタイミングだったんだ。でも、刀を受け止めれた。君が寸前で止めたからだよ。それにクロスボウだって中てたけど致命傷は避けていた!」

「違う、それは、それは……」

「他にもある! そもそも君に殺す気があるなら初めて会った時に確認なんて取らず問答無用に殺せばよかったんだ! それにあの言葉だって……」

 そこで赤奈は言うべき言葉が見つけられないかのようにきつく唇を噛んだ。

「私が……? 躊躇っていた? どうして……?」

「そんなの決まってるだろ! 本当は僕を殺したくなかったんだ。そんなの少し考えればわかるだろ!?」

「違う、違う!」

「戦いなんてやめよう。こんなことをしても後悔するだけだ!」

 その言葉に天使は黙ってしまった。項垂れるその姿をじっと見据え答えを待つ。

 やがて天使が複数の矢を現出、握り締めた。

 それが答えだった。

「……ありがとうございます。きっとあなたは本気で私のために言ってくれてるんですね。でも、もう引き返せないんです。手遅れだから」

「手遅れなんかじゃないよ! まだ踏み留まれる! 僕が誰も傷つけず君を救う方法を提示してみせる。だから、僕を信じてくれ!」

「…………信じたい。でも、私は自分すら信じられない。そんな私が何を信じたらいいの?」

 天使の心の天秤が揺れている。しかし、赤奈を信じる決断は何も信じたことの無い天使には余りにも酷だったらしい。

「ごめんなさい……!」

 謝罪と共に無数の鋼鉄の矢が放たれた。回避は不可能。必殺の一撃が今度こそ赤奈の命を脅かした。

「このっ……バカ野郎!」

 赤奈は刀に自分の思いを込める。なぜだか使い方が分かった。まるで〈銀鱗〉が導いているようだ。

刀身がまばゆく銀に光り、縦横無尽に広がる矢に向かって振り下ろした。

 ズンッと一陣の風と共に全ての矢が粉々に砕け散った。そして、本命の銀色の斬撃波が、天使の神器ごと片翼を引きちぎる。

「あっ」

 天使がほとんど音にならない声で呟く。鮮血を噴くこともなく、翼は光の粒へと弾けて消えた。

 空を操る手段を失った天使は、刹那の浮遊感の後、重力に引かれた。

 刀の間合いから逃れるため、かなりの高度――目測では建物の3階分――を保っていたのが仇になったようだ。あの高さからコンクリートに叩きつけられたらまず命はないだろう。

 なんて間抜けなことをしてしまったのだ、と赤奈は自分の行いを悔いた。

 無我夢中で振るった刀は矢を砕き、天使の翼を引きちぎった。そのせいで彼女は死んでしまう。救うと決めたのに。まだ諦めきれず必死に考えを巡らせる。

「ん? あれは――」

 落下していく天使を見て、デジャブを感じた。

 どこかで見たことがあるシュチエーションだ。思い出すために過去の場面がコマ送りで再生されていく。

 そして〈あの日〉と現在が被った。

 ずっと赤奈の心に巣食う忌々しい事故ーーもう一度あの日を再現するつもりか?

 気付けば優先順位が変わっていた。〈銀鱗〉を投げ捨て、地を蹴る。

 叫び声に反応して天使の瞼がうっすらと開き、次いでギョッと幽霊でも目にしたかのように瞳を見開いた。

 天使が何かを叫んだが、赤奈は聞きやしなかった。

 とうに肉体は限界を超えている。そのはずなのに、赤奈はそれでも足を前へ動かす。

 そして、天使とコンクリートの合間を縫うように胸の前に両腕を突き出し、スライディング。ぴったりのタイミングで落ちてくる天使を胸に収めるが隕石でも受け止めたような衝撃が赤奈の体を襲った。


お疲れ様でした。


いや、夏休みも開けて新学期が――社会人の方はもうすでに出勤中ですが――始まり、いろいろと忙しい方もいるでしょうが、この小説が息抜きになっていたら幸いです。


あと、情けない話を晒すようですが、小説のストックがやばい。


来週は大丈夫だと思うのですが、再来週になるとわかりません。


なるべく早く仕上げるようにしたいと思います。


では、また来週

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