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友達に

久しぶりとかのレベルじゃねえ


とりあえず、お久しぶりですかず21です


もうね20日近く放置してましたよ。すみません


全然進まなくて下書きもなくなりましたし、続き書かなきゃ


では、どうぞ

「こんなおとぎ話を信じるのはさすがに無理があります」

「いや、君も似たようなもんだろ? それに効果は本物だよ。間違いない」

 きっぱりと僕が断言するのでまたも訝しんだ天使は眉をしかめた。

 なぜ? と尋ねられる前に言葉を紡ぐ。

「父さんは安全面を考慮して最近美術館に鏡を預けたんだ。でも、元は家の保管庫においていたんだよ。幼い頃に僕はどうしても知りたいことがあって〈真実の鏡〉を使おうとしたことがある。だから、それは本物だよ」

 遠い記憶の中、幼い僕が父さんの書斎に忍び込み、〈真実の鏡〉を使い、何かを知ろうとしていた。天使には言うつもりはないが、実のところ、僕はその時の内容を覚えていない。

 しかし、確かに見たはずだ。とても大切な何かを……

「……赤奈さん。赤奈さん!」

「あ、う……うん」

 パチパチと瞬きをして一瞬の想念を払い落とし、僕は遠い記憶を探るのをやめた。

 天使は無視されたことにご立腹のようで唇を尖らせている。

 両手を合わせ軽い調子で謝り、話の軌道を修正する。

「効果は保証するよ。鏡が壊されない限り大丈夫。……それにいざとなったら僕の命を奪ってもいいよ」

「なっ……! そんなことは――――」

 さらりととんでもないことを口ずさんだ僕に天使は顔を真っ赤にして抗議をしようとする。その前に僕は猫だましの要領で両手を乾いた音で響かせ、天使の動きを止めた。

「はい。この話はおしまい。もうそろそろ時間だしね」

 出鼻を挫かれた天使は不機嫌な調子のまま訊く。

「……時間? どこかに行くのですか? 開館時間までまだ余裕はありますよ」

「ああ、本当は別の目的もあるんだ。さて、じゃ、出掛ける支度をしようか」

「そうですか。では、時間になったら美術館に集合ですね。それまで私もどこかで時間を潰しますか……」

「あ、まって。実はまだ用があるんだ」

 離席しようとする天使の手を握り、静止を促す。

「…………なんですか?」

 この上なく不機嫌な表情にめげず、こくこくと頷くと、わざとらしく盛大なため息をつきつつも天使は再び腰を下ろしてくれた。

 着席した天使は眉の動きだけで僕を促す。

 その明らかな「私怒ってますよ」状態の天使に危うく、脳内で何度もリピートさせていた文が消えそうになる。

 天使を待たせてこれ以上機嫌を悪くするのは僕の望むところではない。

 ――さっさと言ってしまおう。それがいい、と無理矢理に自己完結する。

 そして、僕は致死率99%の台詞を口にした。

「僕と――――一緒に行かない?」

「…………え?」


 日和赤奈は己の軽率さを悔いた。

 天使に放った小恥ずかしいセリフは当然断られるか涼しげな了承を得るかの二択だと思っていた。

 しかし、天使の反応は赤奈の予想の斜め上を行ったのだ。

「………………」

 天使は一言も口を開かず、顔を俯かせている。

 つまり、反応に困ってしまった、ということだろう。

 赤奈はそう解釈し、暗雲な気持ちに襲われる。

 ――――断るならバッサリと切り捨ててくれたほうが楽なんだけどな。

 逃避じみた考えが胸にチクリと刺すような痛みを与える。

 初めて感じる切ない痛みに戸惑いを覚え、すぐに気持ちの切り替えができそうにない。

 互いに言葉を交わさない密室ほど気まずいものはなかった。

 何も言えないまま時間が過ぎていくのにもどかしさを感じていると突然、天使の方が小刻みに震えだした。

 何ごとか、と驚くのも束の間、天使から微かな震え声が流れ出た。

「どうして……アナタは、私に……普通なら拒絶してもおかしくないのに……」

 大事な何かを噛み殺した悲哀な声に赤奈は何かを感じ取った。

 それがどういう物かまでは分からない。でも、赤奈は放っておくことができなかった。

 一度ベットから降りては天使の正面になるように座り直す。

 赤奈は幼子をあやすような穏やかな口調で語りかける。

「……僕は小さい頃から体が弱くて、学校も休みがちだったんだ。そのせいで友達が中々できなくてね。気付けば周囲から孤立してたよ。極めつけには5年間の入院生活で同世代との交流がほとんど無くなったんだ」

 赤奈の自嘲的な物言いに天使は彼の言わんとすることが解らなかった。

 まごつく暇もなく赤奈から一層静かに言葉が紡がれる。

「だから、初めてだったんだ。昨日の夜、自分の感情を剥き出して気持ちをぶつけ合ったのは。だから、昨日の出来事はただの喧嘩だと思っている。それで、その僕と――――」

「僕と?」

 ここで少しでも逡巡すれば人見知りの自分が顔を出して「やっぱり何でもない」と言いそうなので、ありったけの勇気を振り絞り、長年の願いを口に出した。

「僕と、友達になってくれないかな?」

はいお疲れ様でした。


徐々に物語が進んでますね。


それに応じるかのように僕のキーボードを叩く手は遅くなっていきますが(笑)


とにかく来週投稿できるかわからないんですが、できる限り頑張ります。


では、また次の機会に

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