表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レイン  作者: 天神大河
#01 罪ある世界―Guilty my-world
1/15

※この物語はフィクションです。実在の人物、団体、地名等とは一切関係ありません。



2052年10月7日 月曜日

午前7時36分


 その日、新東京49エリアでは早朝から秋雨前線の影響で雨が降っていた。

 雨といっても、さほど強い雨ではなかったので、主要な交通機関は通常通りに運行していた。夜が明けて間もない空はライトグレイの乱層雲に覆われ、長時間にわたって雨が降り続けることを容易に想像させる。そのせいか、四方八方にあるビル群は、人の気配を映しながらも無機質に立っており、ちらほらと目に入る人々の顔色は、土日の休みを終え、再び五日間の仕事に従事しようとすることに対し、少なからず気落ちしているように見えた。

 物事は何事も最初が肝心だという。

 その最初の一歩を歩もうとする時に、微量ながらも冷たい雨に降られては、先の物事を億劫(おっくう)に見てしまう。そこから逃げるように上を見上げると、無機質な灰色の空が一面に果てしなく広がっている。それはまるで、自分の心の奥底に潜む暗礁(あんしょう)の姿を否応なしに見せられているようで、自ずと目を逸らしてしまう。

 雨の日はいつもそんな気分しか感じられなかった。だけど、今日だけは何かが違う。

 少年はふと、そう思った。いつもの高校への通学路を、傘を差しながらいつも通りに歩いていた時だ。

 何だろう、今日だけは、何かがいつもと違う。どのように違うのか? どうしてそう思えるのだろう?

 少年は数秒間立ち止まり、頭の中で静かに思案していた。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ