光幽霊
「・・・・・・・」
彼は、静かにそこにいた。
夜空を見ながら。
「・・・・え・・・」
家へと帰る途中だった彼女は、偶然、彼を見つけた。
驚いて、食材が入っているスーパーの袋を思わず落としてしまった。
「へー、お前・・・ 俺が見えるの?」
「・・・・・見えるって・・・ 幽霊みたいなこと、言わないでよ・・・」
「俺、幽霊だぜ?」
そう言って笑う彼は、透けていた。
足が無かったりはしていないようだ。
しばらく、彼女は彼を見つめた。
そして、恐る恐るつぶやいた。
「・・・・・・・幽霊なわけないじゃない。だって・・・」
「・・・・だって?」
彼は、
「・・・・・光る幽霊なんて、聞いたこと、無いわよ・・・」
淡く、蛍光色に光っていた。