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意外な一面

蜜柑side


会長は嘘を吐いている、原中君のその言葉に私達は一瞬で固まりました


「う、嘘?花ちゃんが嘘吐いてたっての?」


「ああ、間違いねえよ」


随分と自信を持ってるんですね……


「後、それに気づいたのはオレだけじゃねえぜ。森姫も気づいてたよな?」


「え?森姫ちゃんも?」


菜由華ちゃんが聞くと森姫ちゃんはコクン、と頷きました


「でも嘘ってどんな嘘なんですか?」


まずはその部分をはっきりさせないといけませんね


「さっきの話でオレがカツアゲにあってた時、会長は副会長と会ってたって話してただろ?」


「うん、言ってたね」


「まず、それは嘘だ」


……ということは本当は副会長と会ってなかったという事でしょうか


「もしそれが本当なら副会長のアリバイは無くなるけど……何で嘘だと思うのよ?」


瑠美ちゃんが原中君に疑いの視線を向けながら聞きます


「だってよ、会長は副会長とあんまり仲良くねえって言ってただろ?それなのにわざわざ放課後に二人で会うか?」


「生徒会の話じゃないの?最近来てないって言ってたし……」


「仮にそうだとしても……30分も話が長引くはずない」


瑠美ちゃんの言葉を森姫ちゃんがあっさり切り捨てます


「あいつ、オレがカツアゲにあってた約30分間、副会長と話してたって言ってたよな。仲が良いわけじゃねえのに30分も話が続くか?」


「確かに……続きませんよね」


「ああ、だから多分これは嘘だ」


では、副会長のアリバイは不成立ということですか……。でも、何で桐花ちゃんはそんな嘘を吐いてまで副会長を庇うのでしょうか?


「ってことは、花ちゃんは副会長を庇う為に嘘を吐いたの?」


「だろうな。これはあくまでオレの勘だが、会長と副会長は何かしらの繋がりがあるはずだ。どんな繋がりかはわかんねえけどな」


うーん……今回のカツアゲ事件、思ったほど単純じゃないんでしょうか


「でも凄いね原中君!桐花ちゃんが嘘を吐いてるってよく分かったね」


「おっ、ありがとよ西原さん。もしかして惚れたかい?」


菜由華ちゃんに褒められた原中君がウインクをしながら聞きますが……


「え?えっと……それはないかな……」


「ぐはあっ!?」


あっさりと否定されてました。少し可哀想ですね


「残念でしたね、原中君」


「うう……市川さんはオレに惚れたりとかは……」


「ごめんなさい」


「謝られたよこん畜生!」


哀れな原中君に次は瑠美ちゃん達が話しかけます


「でも本当に驚いたわよタマ。嘘を見抜くなんて案外鋭い所あるのね」


「……わたしも少し驚いた。玉樹くんの意外な一面を見た……気がする」


「そうね、普段はアホそのものなのに」


「うん……それにスケベだし……」


「お前らはオレを褒めたいの!?それとも馬鹿にしたいの!?」


原中君は半泣きで二人に抗議します


「ったく……それよりどうすんだよ?会長と副会長が繋がってたら会長からは副会長の情報を聞き出せねえぞ」


「そうですね。これはやっぱり本人に会わないといけないみたいです」


「副会長に会うって事だね」


もうそれ以外にどうしようもありませんからね


「でも……副会長はどこのクラスなのかも分からない」


「うーん……そうだ!良い方法思いついた!」


瑠美ちゃんが手をポンッと打って言いました


「どんな方法ですか?」


「それは明日言うわ。でもこの方法はタマの協力が必要よ」


「オレの?」


「そう、タマがいないと駄目なの。ねぇ、協力してくれないかな?タマにしか出来ないことなのよ」


「オレにしか……?ふっ、しょうがねえな!やってやろうじゃねえか!」


「ありがと!あんたがいてくれて良かったわ~」


……何をするのかも分からないのに協力するって言っちゃいましたね原中君。大丈夫でしょうか……?


「さてと、じゃあ今日はここまでね。オレンジ、後で陽多さん達にも連絡しておいてくれる?」


「あ、はい。分かりました」


「じゃあ皆、帰りましょうか」


「わたしも?……良いの?」


森姫ちゃんが首を傾げながら聞いてきました


「当たり前だよ。森姫ちゃんも一緒に帰ろう?」


「……うん!」


相変わらず彼女は無表情でしたが少し嬉しそうでした


「ほらタマ。あんたも一緒よ?」


「えっ?マジで!?美少女四人と一緒に帰って良いのか!?」


「セクハラはしないようにしなさいよ?」


それにしても美少女四人ですか?私を抜いて美少女三人だと思うんですけどね……?


「よっしゃ!んじゃ楽しい下校タイムと行こうぜ!」


嬉しそうに言う原中君に続き、私達も下校することにしました。


後で今日あったことを陽多さん達に伝えることにしましょう

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