生徒会長
蜜柑side
陽多さん達と別れた後、私達は森姫ちゃんに生徒会長の教室を教えてもらいました
「……ここが生徒会長の教室だよ」
「まだ何人か生徒が残ってるね」
中を見ると、何人かで集まってお喋りをしている生徒や、勉強をしている生徒の姿がありました
「こんな時間に学校で勉強ですか……真面目ですね」
私ならあり得ません。まっすぐ家に帰ります
「多分、受験勉強じゃないかな?」
「ああ、そういえば私達も受験生でしたね」
菜由華ちゃんの言葉で思い出します。それにしても、もう勉強してるんですか、もう少し遅くても良いんじゃないですか?
「早いうちからやっておいた方が良いわよ~、後で苦労したくなければね」
「そう言う瑠美ちゃんは勉強してるんですか?」
「してないけど何か?」
「よくそれで偉そうに私に言えましたね……」
「それよりも……生徒会長に会わないと」
「ああ、すみません。えっと、会長は……」
私は会長の姿を探します。しかし、私は気づきました
「私、会長の顔を覚えてないんですけど」
「……わたしが探す」
森姫ちゃんが私の隣に立って、中を見ます。気のせいでしょうか?何だか呆れられたような気がするのですが
「呆れもするでしょ。オレンジは相変わらずバカなんだから」
瑠美ちゃんにまで呆れられました。菜由華ちゃんも苦笑してます。
まったく、何なんでしょうか?
「いた」
「見つかったの?」
「うん……でも……」
森姫ちゃんが教室の中を指差します。
指している先を見てみると、そこには
「なぁ会長!頼むから触らせてくれよ~!ちょっとだけだからさぁ!」
「無理だってば!君は女の子に何てことを頼んでるの!?」
銀髪のとても綺麗な女の子に迫っている原中君の姿がありました。
何をしてるんでしょうか?
「頼む!一回だけで良いからその大きなおっぱい触らせてくれええええ!!」
「一回でも駄目だってば!もう……玉樹君はいつもこうなんだから……」
……なるほど、胸を触りたかったんですか。原中君は本当にエッチな男の子ですね、見た目は可愛いのに……。
でも……確かにあの人、胸が大きいですね。私と同じくらいあるかもです
「……あれが会長」
「あの人がそうなんですか?」
「うん」
「生徒会長に何やってんのよあのアホは……」
瑠美ちゃんが一つため息をついて、二人の所に向かいます
「こら!何やってんのよタマ!」
「げっ!暁!?何でお前がこんな所にいやがる!?」
「ちょっと会長に用があってね。それよりもあんたは何やってるのよ、迷惑かけちゃ駄目でしょ?」
「迷惑なんてかけてねえよ。ちょっと会長に頼み事をしてただけだぜ」
「一発殴らないと分かんないかしら?」
「ごめんなさい」
「よろしい」
瑠美ちゃんの脅しを聞いて、速攻で謝る原中君。まぁ怖いのは分かりますけどね
「……会長、大丈夫?」
「ああ森姫ちゃん。大丈夫大丈夫、玉樹君はいつもこんな感じだからね、もう慣れちゃったよ」
「うん……玉樹君だもんね」
あの口ぶりだと、森姫ちゃんも原中君のセクハラには慣れてるみたいですね。
さて、私達も会長に話しかけないといけませんね
「初めまして会長。私は市川蜜柑と言います」
「私は西原菜由華です。初めまして」
「私は暁瑠美です!初めまして~」
「あら、ご丁寧にどうも。私は生徒会長の仲野 桐花。好きな風に呼んでね」
そう言って、彼女は私達に笑顔を向けてきました。
ふむ、好きな風にですか……そうですね
「では桐花ちゃんでどうですか?」
「あう、蜜柑ちゃんに先に言われちゃったかぁ」
菜由華ちゃんも同じ考えでしたか。ふっ、私の方が一足早かったようですね
「桐花ちゃん……何か新鮮だな~」
「あれ?そうなんですか?ただ名前で呼んでるだけですよ?」
「そうなんだけどね……私が好きに呼んでって言うと皆会長って呼ぶからさ」
なるほど、それで新鮮なんですか
「じゃあ私は花ちゃんって呼ぶね!」
「わぁ~!あだ名なんて初めて付けられたよ!」
「えへへ、気に入ってくれた~?」
「うん、可愛いあだ名を付けてくれてありがとう!」
何でしょう、見た目は綺麗で大人びてそうなのに、中身は結構子供っぽい感じですね。すぐに仲良くなれそうですね
「あの、会長。三人の話を聞いてあげてほしいんだけど……」
「あら、話って?」
「生徒会の副会長についての話です」
そして、私達はいよいよ本題に入ることにしました




