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友達増えた

陽多side


「……ごちそうさま」


森姫はじっくりとシュークリームを味わい、名残惜しそうに最後の一口を食べた


「じゃあ約束通り、副会長の情報を教えてくれる?」


「分かった……何を聞きたいの?」


「そうね……最近、おかしな行動とかしてない?」


「わたしも常に生徒会メンバーと一緒にいる訳じゃないから分からない……でも」


「でも?」


「……最近、生徒会の集まりがあっても、副会長が来ない」


森姫が言う。気のせいかもしれないが、少し怒っているように見える。無表情だからよく分からんが


「それは怪しいわね……」


「……会議も出ないから、わたし達も困ってるの」


「会長は注意とかしないの?」


「注意はしてるみたい……でも言うことを聞かないって」


何て副会長だよおい……


「よくそんな奴が副会長になれたな」


「……会長が推薦したの。でも……こんな事になるとは思わなかったみたいで、責任を感じてるって」


思わず口を挟むと、森姫が答えてくれた。

うーん、会長の人選ミスだったのかねぇ。言うことを聞かないような奴を副会長にするとは


「ところで……何で副会長の情報を知りたがるの?」


「ああうん……実は私達、最近多くなった放課後のカツアゲについて調べてるんだけどさ」


「……今、問題になってる事件?」


「そうそう。何とかして止めたいんだよね」


「カツアゲを?それは……難しいと思う」


森姫が一つため息をついて言う


「……ああいうのはそう簡単に止まらない。一度止めても……また同じ事件が起こる」


「難しいのは百も承知ですよ」


森姫の言葉に瑠美ではなく、蜜柑が答えた


「それでも、放っておけません。このまま、皆がお金を取られ続けるのを見ていられませんから」


「………」


森姫は蜜柑を見つめる。しばらく見つめた後、静かに口を開いた


「……お人好しなんだね」


「私がですか?」


「うん……貴女も、他の人達も……」


「また言われちゃったね、陽多君」


「もう俺、お人好しで良いぜ……」


自覚あるしな……


「……カツアゲについては、生徒会も半分諦めてる。考えても意味無いって。……でも、ね」


「森姫ちゃん?」


「……わたし個人としては、こんなの許せない。目の前で問題が起こってるのに……何もしないなんて」


森姫はさっきよりも少し語気を強めて言う


「わたしも、貴女と……蜜柑ちゃんと同じ。放っておけない」


「ふふ、森姫ちゃんも結構お人好しですね」


「……そんなこと、ない」


森姫は少し顔を赤くして言う。お、照れてるな、初めて表情が少し変わったぞ


「うふふ、可愛いわねあの娘」


「おい優里。百合に走る気か?」


「賢也君、今ここで殴ってほしいのかしら?」


「ごめんなさい」


後ろからそんな会話が聞こえてきた


「そ、それより……副会長とカツアゲが何か関係あるの?」


「うん、そのカツアゲの被害にタマ……玉樹もあったらしいのよ」


「……玉樹くん、いつか狙われると思ってた」


未だ顔も知らない瑠美の知り合いよ、お前凄く酷いこと言われてるぞ


「その時にあいつ、カツアゲ連中のリーダーの顔を見たらしいのよ。で、それが……」


「生徒会の……副会長?」


当たり、と瑠美が言った


「……副会長がカツアゲを……もし本当なら許されることじゃない」


「だから、副会長の情報が欲しいんですよ」


「……事情は分かった。それならわたしも全力で手伝う」


「本当!?」


森姫はコクンと頷いた


「……これならシュークリーム渡さなくても協力してくれたんじゃね?」


「駄目、シュークリームを渡さなかったらわたしは話も聞かなかったと思うから」


「どんだけ好きなんだよ……」


「……世界で一番好き」


「そういえば、陽多君のご両親は大きなお菓子の会社に勤めてたよね」


香奈が言った瞬間、森姫の目が変わった


「……そうなの?陽多さん?」


「お、おう……そうだけど」


「シュークリームも……ある?」


「あると思うぞ?」


「食べたい……!」


「食べたいって言われてもな……」


というか俺が作ってる訳じゃないし……うーん……


「…………………」


「う……分かった分かった!今度会ったら聞いてみるから!」


「……約束だよ」


あんな風にジッと見られたら断れねえよ!


「ところで、これからどうするの?副会長の情報はあんまり見つからなかったし……」


「そうですね……どうしましょうか?」


「……会長に話を聞きに行く?」


「え?生徒会長に?」


「うん……何か知ってるかもしれない」


確かに会長なら副会長について、何か情報を持ってるかもな


「森姫ちゃんは会長がどこにいるか分かるんですか?」


「今なら……まだ教室にいるはず」


「よし、じゃあ行ってみようか!」


「……待って、わたしも行く」


俺達が行こうとした時、森姫も行くと言い出した


「良いの?生徒会の仕事とかあるんじゃないの?」


「今日は何も無い。……ここにいたのも、ただ落ち着ける場所が欲しかっただけだから」


「うん!良いんじゃないの?ひめも連れていこうよ!」


「……姫?」


キョトンと首を傾ける森姫


「また唐突にあだ名をつけましたね瑠美ちゃん」


「姫……悪くない……」


満更でもない感じだな森姫のやつ


「……でも何で急にあだ名を?」


「まぁ良いじゃん!もう私達、友達でしょ?」


「友達……」


「ちょっとちょっと!それなら俺達も混ぜてよ!」


瑠美に続いて、空も言う。そんな二人の言葉に森姫は少し驚いているようだった


「凄い……いきなりたくさん友達が出来た」


「森姫ちゃん……もしかして今まで友達が……」


「……玉樹くんと……会長くらいしかいなかった」


「そっか……うん!じゃあこれから思い出を作っていこう!」


「……ありがとう、紗季さん」


高校生になるまで友達がいなかった紗季は森姫に共感を覚えたみたいだな。

と、森姫との仲が深まった時、香奈が言った


「あのさ、これから生徒会長に会いに行くんだよね?」


「はい、そうですけど……」


どうしたんだ香奈のやつ?何か問題があるのか?


「私達、一応不法侵入した身だからさ。これ以上は不味いかなぁと思ってね」


「会長は……見逃してくれると思うよ?」


ふむ、そうなのか。固いタイプの生徒会長ではないみたいだな


「でも、他にも生徒がいるかもしれないでしょ?最悪、先生に見つかるかもしれないし……」


「……うん、その可能性は高いかも……教室には生徒もいるかもしれないし」


「でしょ?だからさ、私達は今日はここまでにしようよ。結構色んな情報も入ったしさ」


「そうだな……先生に見つかって怒られるのも面倒だしな」


香奈の言う通りにした方が良いかもな……


「仕方ないですね……じゃあ、後で会長から新しい情報が入ったら教えますね」


「頼むぜ。あんまり無茶はするなよ」


「大丈夫!私が無茶するように見えますか?」


瑠美が胸を張って言う。お前が一番心配なんだがな……。

物凄く心配だが、後は任せて俺達は帰るか


「んじゃ、俺達は帰るぜ」


「待って……連絡先を交換しよう」


「ん?ああ良いぜ」


森姫が携帯を取り出す


「これも……初めての経験……」


少し嬉しそうに連絡先を交換する森姫。よく見ると、口元が少し緩んでいた


「初めてって事は、タマとは交換してないの?」


「……まだしてない。今度会ったら交換したい」


そんなことを話してる間に森姫との連絡先交換は終了した


「出来た……皆ありがとう」


「礼言われるほどの事じゃねえって」


「うん、何かあった時は、いつでも連絡してね、森姫ちゃん」


さて、それじゃ……


「じゃあな四人とも。後は頼んだぜ」


「はい、ではまた後で連絡しますね」


四人と別れて、俺達は誰にも見つからないように気をつけて、学校を出るのだった

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