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交渉という名の買収

うーん……キャラが多いと喋らなくなるキャラが出てきますなぁ……

放課後、陽多side


長い授業が終わり、放課後になったので俺達は調査を始めることにした


「さて、まずは蜜柑ちゃん達に会わないとね。学校の場所を聞かないといけないし」


「学校の名前すら知らないからな」


そう言えばそうだ。言われて初めて気づいた


「陽多君、蜜柑ちゃんに連絡してくれないかな?」


「ああ、分かった」


俺は携帯を取りだし、蜜柑に電話する。

二、三回呼び出して、蜜柑は出た


『もしもし?陽多さんですか?』


「おう、そうだぜ。昨日のカツアゲの件だけどさ、皆も協力してくれるってさ』


『本当ですか!?ありがとうございます!』


「手伝うのは当たり前だって。それでさ、俺達も情報が欲しいからお前らの学校に行きたいんだけど」


『ああ、そういえば学校の名前を教えたことありませんでしたね。分かりました、今から瑠美ちゃんを迎えに行かせます』


『何で私!?』


電話の向こうの状況はよく分からんが、どうやら蜜柑の言葉に瑠美がいち早く反応したみたいだ


『だって私達の中で一番体力がありますし』


『そ、それは否定しないけど……せめてじゃんけんで決めるとか……』


『瑠美ちゃん、効率よく進めた方が良いと思いませんか?』


『ううう……分かったわよ……もしもし陽多さん?』


どうやら話し合いは終わったようだな


「もしもし?結局瑠美が迎えに行くことになったのか?」


『そうですよ……それで私はどこに迎えに行けば良いですか?』


「そうだな、それじゃあ……」


俺は瑠美に迎えに来てもらう適当な場所を指定する


『分かりました、そこに向かえば良いんですね?』


「ああ、頼むぜ瑠美」


『了解!こうなったら全速力で迎えに行きますよっ!!』


「んじゃまた後でな」


そう言って、俺は電話を切った


「どうなった?」


「瑠美が迎えに来てくれるってさ、全速力で」


何か凄く張り切ってたよな……


「あら、じゃあ早く行きましょうか。瑠美ちゃんを待たせちゃ悪いわ」


「そうだな、行こうぜ皆」


というわけで、俺達は瑠美との合流地点まで行くことになった












俺達がなるべく急いで指定した場所に向かうと、そこには……


「あーっ!やっと来た!遅いですよ皆さん!」


「いや、瑠美ちゃんが早すぎるんだよ……」


既に瑠美の姿があった。一体どんなスピードで走ってきたんだ?


「よし!じゃあ行きましょうか!」


「なぁ瑠美。結局お前らの学校って何て名前なんだ?」


「あれ?教えてませんでしたっけ?」


俺が聞くと瑠美は意外そうに言う


「私達の学校の名前はですねぇ……」


「うんうん」


「『とある中学校』ですよ?」


「……へ?」


とある中学校って……それ名前じゃなくね?


「いや、これが名前です。都安流とある中学校、略してとあ中です」


「何だよとあ中って!?つーか略す意味あんのか!?」


「そ、そこまでは知りませんって。私が学校に入学した時からこの略称ありましたし」


誰だよこんな略称考えたの!


「ところで皆さん、カツアゲの件を手伝ってくれるんですよね?」


瑠美が皆に聞く


「うん、放っておけないもん」


「いやぁ本当にありがとうございますっ!でしたら、今日手に入れた情報を皆さんに教えておきますね!」


そう言って、瑠美は被害にあったという友達から聞いた話を俺達に話した


「生徒会、ね……そこの副会長が怪しいのかしら?」


「今のところはそう考えてます。まぁあいつの証言だから本当かどうかは分かりませんがね~」


「でも顔を見たって言ってたんだろ?」


「確かにそう言ってたんですけどね……」


瑠美はその友達を信用してないのか?何だかあんまり自信がないように見える


「あいつはアホですから、顔を間違えたって可能性もあるかもしれないんですよね」


「あ、アホって酷くない?」


「いえ、間違ってないんですよね」


……とりあえず、その友達がアホって呼ばれてる事については一先ずおいておこうか


「で、今日は生徒会のメンバーの一人に会いに行くんだよな?」


「はい、皆さんも一緒に会いに行きますかぁ?」


「えっ?大丈夫なのかな?」


「大丈夫大丈夫」


ちょっと不安だが、情報が欲しいのは事実だしな。

そして、瑠美の話が終わる頃には


「よーし着いた!皆さん、こっちですよー!」


都安流中学校……略してとあ中に到着していた













さて、いよいよ学校に入ろうと思ったのだが……一つの問題が発生していた。

それは……


「ですから大丈夫なんですって!勝手に入っても怒られやしませんから!」


「いや駄目だよ!ちゃんと許可を取らなきゃ!」


普通、部外者の俺達が勝手に学校に入って良いはずは無いのだが、瑠美が時間をかけたくないとの理由で俺達を無断で校内に入れようとし始めた。


そして、そんな勝手な事を優等生の香奈が許すはずもなく、こうして言い合いになってしまったのだ


「先生とかいるでしょ?まずは先に許可を……」


「そんな面倒臭い事しなくて良いですって!時間無いんですから!」


「もうっ!皆は良いの!?勝手に入っても!?」


香奈は俺達に聞いてきた


「良くは無いけど……時間も無いみたいだからね」


「俺も紗季に同感!今は急がなきゃ」


紗季と空は勝手に入る事に賛成のようだ


「う……じゃ、じゃあ賢也君と優里ちゃんは!?」


「良いんじゃね?いざとなったら瑠美に言われたって言えば良いしな」


「流石に賢也君みたいな手は使わないけど、もし見つかったら私が何とかするわ、大丈夫よ」


「ふ、二人まで……」


うん、これで残ったのは……


「よ、陽多君……」


「諦めろ、俺も瑠美に賛成だ。早く入ろうぜ」


「はぁ……分かったよ」


ようやく香奈も納得した。かなり渋々だが


「じゃあ入りましょう!まずはオレンジ達と合流しなきゃ」


「呼びましたか?」


「うひゃあ!?」


学校に入ろうとした時、突然瑠美の後ろに現れた蜜柑が声をかけてきた


「きゅ、急に後ろから声かけてこないでよ!」


「いえ、名前を呼ばれた気がしましたから」


「蜜柑ちゃん、それじゃ理由にならないと思うよ」


お、菜由華も一緒だったか


「皆さんようこそ、私達の学校へ」


「出迎えどうも。でも時間が無いんだろ?」


「ええ、では早速生徒会室に行きましょう」


さて、それじゃ行きますか













瑠美達の案内で、俺達は生徒会室の前に到着した


「今更だけどさ、こんな大人数で押し掛けて大丈夫かな?」


紗季が俺達の人数を確認しながら言う。

9人か、確かに多いな。いきなりこんな数で押し掛けられたら驚くかもしれない


「うーん……よっぽどの事がない限り動じない人だってタマは言ってたけど……」


「タマ?」


「ああ、さっき話した私の知り合いです」


何か猫みたいなあだ名だな……どんなやつなんだ?


「うん!とにかく入ってみましょう!」


瑠美はドアノブに手をかける


「あっ、まずはノックした方が……」


「失礼しまーす!」


菜由華の言葉を聞かず、瑠美はドアを開いた。清々しい程に失礼な入り方だ。

俺達も瑠美の後ろから静かに中に入る。

するとそこには……


「……誰?」


「あれ?貴女一人?」


俺達の方を無表情で見つめる紫色の髪の少女がいた。

突然入ってきた俺達に全く驚かず、人形のように整った顔を俺達に向けていた


「うん……一人だけど」


「あっれ~?あいつの知り合いがこんな可愛い女の子のはずがないし……何か間違えたかなぁ?」


瑠美の知り合い……本当にどんなやつなんだ?凄く酷評されてるけど……


「……貴方達は何者なの?ここに何の用?」


「あっと、ごめんごめん。私は……」


瑠美に続き、俺達も自己紹介をする。名前と俺達は違う学校から来た事も伝えた


「それで、貴女は何て名前なの?」


「わたしは……羽塚はつか森姫しんき。3年生」


「羽塚……で良いのか?」


「ううん、森姫で良い」


名字より名前の方が良いのか?変わった娘だな……


「無いとは思うけど……原中玉樹ってやつ知ってる?」


「……知ってるよ」


「えっ!?マジで!?」


「マジで」


瑠美は物凄く意外そうな顔をする


「へー、あいつにこんなに可愛い知り合いがいたとはね~」


「………」


相変わらず無表情だな……可愛いって言われても反応なしだし


「それで、何の用なの?」


「ああそうだった。生徒会の副会長について聞きたいんだけど、何か知らないかな?」


目的を思い出した瑠美が森姫に聞く


「………」


「あれ?何も知らないのかな?」


「……知ってても答えられない。生徒会のメンバーの情報を勝手に部外者には話せないの」


「うーん……結構厳しいのね」


どうやら簡単には行かなさそうだな……というか俺達、完全に蚊帳の外だな。瑠美が一人で交渉してるから仕方ないっちゃないんだが


「……とにかく、わたしからは話せないから、諦めて」


「仕方ない……じゃあ切り札を出しますか」


「……切り札?」


瑠美はニヤリと笑うと


「オレンジ、例の物は?」


「ああ、はい。これですね」


蜜柑はゴソゴソと持っていた学生鞄を漁る。

そして、中から取り出したのは……


「はい、これですよね」


「み、蜜柑ちゃん?それって……」


「シュークリームですよ?」


蜜柑は取り出したシュークリームを瑠美に渡す


「ほーら森姫。これをあげるから情報を教えなさい」


まさかシュークリームで釣る気か!?


「おいおい瑠美、いくら何でもそれで釣れるわけが……」


「いや、陽多さん。見てよこれ」


「あん?」


瑠美に言われて、森姫を見ると


「…………………………………」


(うわ!穴空くほど見てやがる!)


森姫は相変わらずの無表情だが、瑠美の持っているシュークリームをジーッと見つめている


「どう?欲しくないの?」


「……………………欲しい」


「じゃあ副会長の情報、教えてくれるかな?」


「……分かった」


「おい!?良いのか!?マジでそれで良いのかよ!?」


「交渉成立ね、はい」


俺のツッコミを無視して、二人の交渉は終了した。

瑠美から渡されたシュークリームを食べる森姫は無表情のままだったがどこか幸せそうだった

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