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犯人登場、そして……

今回は少しグロ注意です

陽多side


辰也と古村の二人は、もう少し隣町の事件を調べる、と言って別れた。情報が手に入ったら俺の携帯に電話をくれるらしい、本当にありがたい


「加那ちゃん、危なそうな人に声をかけられたらすぐに逃げるんだよ」


「うん、すぐに逃げる!」


香奈は加那に言って聞かせる。本当ならすぐに交番に逃げた方が良いんだけどな……


「ねぇ加那ちゃん、どうしても交番に逃げるのは嫌?」


「嫌!」


相変わらず警察は嫌がる加那。ったく、何でそこまで嫌がるんだか……


「さて、後は明日からどうするか……ん?」


ようやく家に到着したと思ったら、家の前に誰かが立っていた。

知らない男の人だった


「香奈、あの人知り合いか?」


「ううん、知らないよ」


香奈も知らないようだな。何だ?家に何か用があるのか?


「すみません、家に何かご用ですか?」


俺が声をかけるとその人はゆっくりと振り返った


「ああ、用がある」


「何ですか?」


「僕が用があるのは……その娘だよ!」


突然、男が加那に手を伸ばした!


「っ!?何の真似だ!?」


俺は慌てて男の手を掴む


「くっ!放してくれっ!僕はその娘をっ!」


「ひっ……!」


男の視線を受けて、加那の口から小さな悲鳴が漏れる


「二人とも!逃げろ!」


「う、うん!行こう加那ちゃん!」


「あ……ああ……」


香奈は加那の手を掴んで走っていった


「ま、待て!」


「行かせねえよ!」


俺は男の前に立って牽制する


「どうやって加那の居場所を突き止めたか知らねえが、あんたが隣町で起きた殺傷事件の犯人か?」


「っ!」


俺の言葉に男は驚いた


「図星みたいだな」


「くそっ!どうして!?」


「加那には手を出さねえぞ」


俺は拳を構えながら言った















No side


「はぁっ……ここまで逃げればとりあえず大丈夫かな……」


香奈と加那の二人は、家から離れた所にある公園まで逃げて足を止めた。

暗くなってきた為か、公園には誰もいなかった


「い、今の人……私……」


「加那ちゃん……」


「覚えてる……かもしれない……」


加那は頭を抑えながら言う。そんな彼女を香奈は優しく抱き締める


「無理に思い出さなくても良いんだよ。ゆっくり思い出していけば良いんだから……ね?」


「うん……ありがとう香奈さん」


二人は笑いあう。端から見れば仲良し姉妹である


「さてと、どこに行こうか?」


「うーん……」


家に帰れなくなり、途方に暮れる二人


「……とりあえず、歩きながら考えよっか」


「はーい」


素直に返事をする加那を見て、香奈は微笑んだ


「よしっ、じゃあ行こ……おおお!?」


「か、香奈さん大丈夫!?」


歩き出そうとした香奈が盛大に転んだ


「いたたた……血が出てきちゃったよ……」


「本当だ……」


加那は擦りむき、出血している香奈の右膝をじっと見る


「………」


「あ、あの加那ちゃん?そんなに見ないでよ……」


「……血……」


「え?」


加那の口からボソッと放たれた言葉は香奈には聞こえなかった


「……そっか……そうだったんだね……」


「どう……したの?加那ちゃん?」


「香奈さん、思い出したよ」


「えっ!?」


加那は笑顔で香奈に言う


「お、思い出したって……記憶が戻ったの!?」


「うん、香奈さんのお陰でね」


「私のお陰……?」


急展開に香奈は混乱する


「それでね、ワタシ、自分の好きな物も思い出したんだよ」


「好きな物?」


「うん」


加那は楽しそうに笑いながら香奈に近寄った














「どうして……どうして邪魔をするんだ!?」


男は必死に陽多に言う


「君はあの娘がどういう人間か知っているのか!?」


「じゃあ、あんたは知ってるってのか?」


「ああ、勿論だ」


冗談半分で聞いた陽多は男の返答に驚く


「……へぇ、じゃあ教えてくれよ。あいつ、記憶喪失でな。何も分かんない状態で困ってんだよ」


「記憶喪失……?それは本当かい!?」


「あ、ああ」


「では、君は本当に何も知らないんだね。彼女の事を……」


男は苦い顔になる


「何だよ……加那は前に何かやらかしたのか?」


「……彼女は……」


と、男が話そうとした時、陽多の携帯が鳴った


「ちっ、こんな時に……」


「良いよ、逃げたりしないから出なよ」


男の言葉に少し警戒しながら電話に出る


『おい、陽多!』


「辰也か……悪いけど今大事な話を……」


『こっちもかなり大事な話だ!隣町の事件の新しい情報が分かったんだ!』


辰也は焦ったような声で続ける


『よく聞けよ!?被害者の中学生の娘が証言したんだよ!犯人の情報をな!』


「犯人って……二十代の男じゃねえのか?」


『……違ったんだよ。その男はただ助けようとしただけだったんだ。犯人に襲われている女の子達をな』


「おいおい……むしろ良いやつじゃねえか」


目撃証言ってのも当てにならないな、と陽多は思った


『ここからが重要な話だ。良いか陽多、落ち着いて聞けよ?』


「ああ……」


『その被害者の娘の話によるとな。襲ってきたのは自分達と同じ女子中学校に通ってた友達だったそうだ』


「ってことは……犯人は中学生の女の子……?」


この時点で、陽多は物凄く嫌な予感がした。できれば、これ以上聞きたくなかった


『そうだ、それで……犯人の名前は……』


「名前は……?」













『矢倉加那、だ』














香奈の目の前にはいつもの楽しそうな笑顔を浮かべた加那が立っていた。

以前に大富豪をやって、笑っていた時と同じ笑顔で香奈を見つめている


「……え……」


だからこそ、香奈は今起こった事が信じられなかった。



その笑顔のまま、彼女が香奈の右膝に持っていたコンパスの針を刺した、という事実を


「あ………ああああああああっ!!!」


あまりの激痛に香奈が大声で叫ぶ


「あは、あはははっ!香奈さんの血……綺麗だよぉ……ワタシの好きな色だぁ!」


香奈の右膝から大量に流れる血を見て、嬉しそうに笑う加那。


この娘は本当に加那なのか?

香奈は目の前で笑いまくる少女を見て、本気でそう思った

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