朝から大変……
陽多side
「今日も学校かぁ……面倒だぜ……」
「面倒でも行くの!もう、陽多君はいつもいつも……」
学校に向かう俺の一言に優等生の香奈が怒る
「ったく、香奈はよく毎日行く気になるよな」
「私だって面倒臭いって思う時はあるよ。でも行かないと駄目だからね」
「真面目なやつめ……」
昔から真面目なんだよなぁ、こいつは
「もう、シャキッとしなさい!」
「よし、じゃあ香奈のキスをくれ」
「ええっ!?きゅ、急に!?というかここで!?」
うむ、これなら間違いなく疲れも吹っ飛ぶだろうしな
「まぁ……嫌なら良いがな」
「い、嫌じゃないよ。私、陽多君の事大好きだもん」
「お、おいおい……」
こ、こいつはまた急にこういう事言うんだからなぁ……
「じゃ、じゃあこっち向いて……動かないでよ?」
「あ、ああ」
ヤバイ、自分で頼んでおいて緊張してきた
「ん……」
目を閉じて少しすると唇に柔らかい感触が……ああ……完全に目覚めたぜ!
「ふ、二人とも大胆……!こんな所で……」
「さ、紗季。二人に声をかけるのはもう少ししてからにしようか」
「そ、そうだね」
その後、途中で出会った紗季と空は何だかいつもと違い、対応が不自然だった。何かあったのか?
賢也side
俺と優里が学校に到着してから数分後、陽多達が登校してきた。
ここまではいつも通り、だが今日は何やら様子がおかしかった
「今日も授業か。面倒臭いな、空」
「う、うん!そ、そうだね!」
「……紗季は面倒だと思わないか?」
「そ、そうだね。面倒臭いよね、うん」
「……?」
こんな感じだ。陽多はいつも通りなんだが、紗季と空はいつもと明らかに違う。何だあの不自然な受け答えは。
香奈に至っては真っ赤な顔をしたまま俯いている
(おい優里)
(ええ、分かってるわ。明らかにいつもと様子が違うわね)
俺が優里に小声で話しかけると、優里も既に気づいていたようで困ったような顔をしていた
(何にせよ、このままじゃやりにくいわね)
(ああ……)
よし、ここは俺が何とかしてやるか
(どうするのよ?)
(まぁ見てろって)
俺は陽多達に声をかける
「なぁ陽多。何で鼻血出してないんだ?」
「何だ急に!?別に毎日出してる訳じゃねえだろ」
「いやさ、香奈が真っ赤な顔してるから何かあったんじゃないかと思ってな」
「うう……」
香奈は変わらず真っ赤な顔をしている
「いや……まぁな」
「だからお前が何で鼻血を出してないんだろうと思ってさ」
「ああ、まぁ少しは耐性が……」
陽多が何か言おうとする前に俺は言葉を挟んだ
「もしかして香奈以外に惹かれてる女がいるのか?」
「はぁ!?」
この瞬間、今まで恥ずかしがってばかりだった香奈の雰囲気が一気に変わった。
恋する乙女から、獲物を狙う狩人へ
「陽多君?どういう事かなぁ?」
「香奈っ!本気にするな!」
「必死になる所がまた怪しいな」
「賢也ぁ!!」
香奈の瞳は既に色を失い、濁っている
「アハハハ、陽多君は悪くないよ~、悪いのは陽多君をタブラカシタヤツナンダカラネ」
「だ、だから違うって!」
「ウフフ……誰だか知らないけど……コロス、ゼッタイニコロス」
ヤバい、自分で吹っ掛けておいてなんたが、怖すぎる。久し振りに見た香奈のヤンデレモード。マジで怖いんだが
「陽多君、誰に惹かれたのか教えてくれる?大丈夫、ちょっとオハナシしてくるだけだから」
「お、落ち着け香奈!」
「私は落ち着いてるよ~。コンパスドコニヤッタッケナ~?」
「落ち着けええええええええ!!」
「た、大変!香奈ちゃんを止めなきゃ!」
「うん!」
よし、空と紗季もこの非常事態に元通りになったな
「いや、確かに元通りになったけど……随分滅茶苦茶な方法を使ったわね」
「まぁ良いじゃないか」
「香奈ちゃんが暴走してるのだけど?」
「まぁ良いじゃないか」
「いや、良くないわよね?」
俺と優里は暴走する香奈を止める三人を見守る事に……
「見守らないわよ。私達も手伝うの!」
「はいよ」
見守らないで、三人の手伝いに向かった




