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事件発生!?

「空君?さっきの授業態度はなんだったのかしら~?」


「い、いやぁ…俺のデフォルトの授業態度だよ?」


「そっかそっか、中学からもうあんな状態だったんだぁ…きっと叱る人がいなかったんだろうね」


「ま、まぁね」


「でも安心してね。これからは私が叱ってあげるから……そこに正座!」


「はいっ!」


一時間目が終わった後の休み時間、案の定香奈が空の授業態度についての説教を開始する


「だいたいゲーム自体学校に持ってきちゃ駄目でしょ!さらに授業中それで遊ぶなんて……」


まぁ俺達には関係ないし…他の二人と話すか


「しかし空は香奈に説教されれば授業を真面目に聞くようになるのか?」


「さあな、不屈の精神だったら俺は尊敬するぜ」


「尊敬する所なのそれ?」


「ふっ、紗季にはわからない世界だからな」


「いやわかりたくないよ」


そして香奈の説教は終わり、空は燃え尽きた。

だがこの後も空はゲームしまくっていた…香奈にばれないように。

これではっきりしたな。空は俺達と同類だ










放課後、約束通り俺達は空にこの町の案内をしていた


「ここが本屋であっちがゲームをいっぱい扱ってる店だ」


「凄い陽多!どうして俺が一番知りたかった情報を真っ先に!?」


「勘だ」


「すっげー!」


とまあこんな感じに今日一日だけで空の性格はよくわかった。だから空の知りたい店を先に教えられた。目を輝かせる空に香奈が苦笑いしながら聞く


「でも空君、生活に必要な物を取り扱ってる店は見に行かなくて良いの?」


「一応重要な所は前に見て回ってるから大丈夫!今回は俺の趣味に合う店が見たかったんだよ」


「そうなんだ…あ、ならゲームセンターとかもあるよ?行く?」


「うん!行く行く!」


続いて香奈がゲーセンの場所を紹介する。せっかくだから遊んでいっても良かったんだが…もう日が暮れかかっていたのでやめた










「空は一人暮らしなんだよな?自炊できるのか?」


賢也が空に聞いた


「一応最低限にはね」


「凄いなぁ。私なんて家事はさっぱり駄目だから羨ましいよ」


「あれ?紗季ちゃんって家事苦手なの?」


俺の中では勝手に家事できるやつだと思ってたのに


「良かったら私が教えてあげよっか?料理とかさ」


「ありがとう香奈ちゃん!」


しかし俺は軽く気になっていたことがある


「なぁ空。お前は俺と賢也が女子二人を連れてて妬んだりしないのか?」


普通の男子ならまず教室の時点で妬みの視線を向けて来るんだが空は全く向けない。それがかなり珍しかった


「なんで妬むの?俺達友達だろ?仲良いのは当たり前じゃん」


「そっか…」


どうやら空は純粋な心の持ち主みたいだな。こりゃ妬みの視線送るわけないか


「ん、俺はここまでだな。じゃあな四人共」


「ああ、じゃあな」


賢也が途中で別れ、俺達は四人で歩く


「空君の家はどこなの?」


「あっちの角を曲がった先だよ」


「あ、私と同じ方向だね」


てことはあの角で二人と別れるわけか


「そういえば陽多と香奈も家同じ方向だな」


「あ、言ってなかったな。俺達幼馴染みなんだ。んでいろいろあって二人で同棲してんだ」


「へぇ~そうなんだ。じゃあ二人ともかなり仲良しなんだな」


「そりゃあ長年一緒だしね」


そして二人と別れる角まで来た


「じゃあな二人とも」


「うん!またね!」


この台詞を誰と誰が言ったかはあえて言わないぜ










紗季Side


「そっか、紗季にもいろいろあったんだね」


「まぁ今の私がいるのはあの三人がいたからだね」


空君と二人での帰り道、私はこの間までの出来事を空君に話していた。

あんまり人に話す話じゃないけど空君になら話しても大丈夫な気がした


「でもまたいじめられたら俺も力になるよ!」


「ありがとう空君」


空君が増えてまた心強くなった気がする


「じゃあ俺、こっちだから。じゃあね!」


「うん、バイバイ」


分かれ道の右の方の道を空君は歩いて行った。

空君を見送った後、私も帰ろうとした時


「?なんだろこれ?」


空君が歩いていった道に小さいビー玉みたいな物が落ちていた


「空君が落としたのかな?今度届けてあげよっと」


私はそれを拾い、帰り道を歩く


「もう少しで着く…?」


突然二人の男の人が私の前に現れた…あれ?よく見たらこの人達、この間私達に絡んできた人達?私が突き飛ばしちゃった…


「またなにか用ですか?」


私一人だと思って絡んできたのかな?でも二人ならなんとかなると思う。この間意外に力があるのが分かったし


「ま、そういうことさ。今度は抵抗しないでくれよな」


「せっかくですけど、私もう帰りたいんですが?」


「へぇ強気だな。俺達二人なんて相手にならないってか?」


悪いけど早く帰りたいし…このまま説得して駄目だったらちょっと手を出さないといけないかもしれない


「安心しな。変なことはしないぜ…俺達はな!」


「!?きゃあ!!」


後ろを振り向くと数人の男が立っていた…!そして


「むぐっ!」


なにか薬を染み込ませたハンカチか何かをかがされ私は意識が遠くなっていった


「おいおい、本当に良い女だな。こりゃ楽しみだ」


「悲鳴上げられたけど大丈夫か?」


「こんな時間だし誰もいないだろ」


私が聞いたのはここまでだった










空Side


ふ~今日は初日から良い友達に会えたな


「あ、そういえば…」


今日、間違ってポケットに入れといたある物を思い出す。しかもあれ自体なんで引っ越した時に持ってきたのかわかんないものなんだよな…


「あれ?無い?」


もしかして落としたかな?まぁでも探す必要はないか。

その時だった


「!!今の…紗季の悲鳴か!?」


僅かにだけど…聞こえた!今のは紗季の悲鳴だ!


「あっちか!」


さっきの分かれ道に大急ぎで向かい、別の道に行く


「紗季っ!どこだっ!?」


かなり急いで来たけど…既に紗季はいなかった。一応紗季の家の前まで走って行ったけど途中で会うこともなかった


「あの、紗季いますか?」


「ああ紗季の友達?まだ帰ってないのよ~、ごめんね」


「そうですか…」


紗季のお母さんにも聞いて確信した。

紗季の身になにかあったんだ!










陽多Side


「ふう、町案内だけで疲れた」


「陽多君張り切って紹介してたもんね」


趣味が合ったし紹介もしやすかったな


「まぁ今からはのんびりと…」


そう言った瞬間ピンポンが鳴った


「なんだ?」


「こんな時間に?」


偶然俺と香奈の台詞が繋がった瞬間だった。

そんなことはどうでもいいか、とりあえずドア開けようか


「はいどちらさまって…空?」


「空君?どうしたのそんなに息切らして」


かなり走ってきたようだな。なにかあったのか?


「はぁはぁ…ふ…二人とも!大変なんだ!紗季が…!」


「落ち着けって、息を整理してから話せよ」


非常事態みたいだが空がこのままじゃ話が進みにくい。とりあえず空を落ち着かせるため中に入れる


「落ち着いたかな空君?」


「ああ…もう話せるよ」


「んじゃ頼む」


その後空が話した内容にさっきまでの疲れは全て吹っ飛んだ


「紗季ちゃんが行方不明!?」


「マジか…!なにがあったんだよ…」


こりゃ大変なことになったな…


「でももしかしたら手掛かりがあるかもしれないんだ!」


「手掛かりって?」


「実はさ、俺今日学校に間違って持って行った物があったんだよ」


「それが手掛かりなのか?」


「うん。紗季が持ってればだけど」


どういう意味だそれは?


「その持ってきてたのって小さい発信機なんだ」


「なんでそんな物を持ってきてたんだ!?」


「引っ越しの時に間違って持ってきちゃってさ。それをポケットに入れたままだったんだよ」


まぁこの際それはどうでもいいか


「それで、なんで紗季ちゃんが持ってる可能性があるの?」


「いつの間にか無くなってたんだよ。多分どこかで落としたと思うんだ」


「で、それを紗季が拾ってれば場所がわかるってことか」


確かに可能性は低いな。さらに紗季が拾ってるかどうかもわからないし…


「でも確かめる価値はあるな。まだ確かめてないのか?」


「携帯でわかるんだけど…操作の仕方を忘れちゃって」


「なるほど、だから私達を頼ってきたんだね」


「賢也でも良かったんだけど距離的に陽多達の方が近かったから」


「とりあえず携帯貸して。私がやってみるよ」


「わかった」


香奈が発信機の位置を探すために空の携帯をいじりはじめた


「じゃあ俺は賢也を呼ぶ。なにがあるかわからんしあいつ一人のけ者は可哀相だからな」


電話で賢也を呼び出して数分、賢也が来た


「非常事態発生だけじゃ状況わからないんだが…」


「悪い悪い、今から説明する」


説明していくと賢也の表情が段々真面目になっていく


「なるほどな…確かに非常事態だな」


「今香奈が発信機の捜索を「見つけたよ!」…凄いタイミングだなおい」


まさにミラクルだな


「どうやらここみたいだね」


「どこ!?」


「おいおい…確かここって潰れたマンションの廃墟だぞ。不良のたまり場になってるって噂だ」


「ってことはやっぱり紗季が持ってるのかもな」


今日こんなとこに行ってないしな


「多分ここに……って空君!?」


場所を知った瞬間に空は駆け出して行った


「空らしいな」


「あいつ友達を大事にしそうなやつだからな」


さっきも息切らしてたみたいだし、かなり走り回ったんだろうな


「ま、結果的に賢也も巻き込んだのは正解だったな」


「こりゃ大変そうだな。まぁなんとかなるだろ」


「前向きだね。良いけどさ」


さて…んじゃそろそろ…


「空の援護に行きますか?」


「「おう(うん)」」


「いやいや香奈は無理すんなよ?」

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