集合……しない?
陽多side
日曜日、そう、今日は日曜日だ。
本来なら何も用事がなく、適当に過ごすのだが…
「じゃあ行こっか」
「おう」
今日は紗季の提案で皆で遊びに行くという予定がある。
俺と香奈は家を出て、集合場所に向かって歩き出した
「今日は六人で遊びに行くんだよね?」
「ああ、いつものメンバーだぜ」
この面子で出かけるのは少し久し振りだな。前は本来、デートの筈だったのに鉢合わせしたからな
「辰也君と蜜柑ちゃんも誘えれば良かったんだけどね」
「まぁな」
あの二人はそれぞれ予定があるらしいので、今回は不参加となっている
「残念だけど予定があるなら仕方ないよね。じゃあ気を取り直して……あっ!?」
「な、なんだよ、急に大声出して」
香奈の突然の大声に驚き、俺は足を止めた
「携帯忘れた……」
「おいおい、忘れ物かよ」
「家まだ近いし、ちょっと取ってくるよ。陽多君は先に行ってて」
「はいよ」
と、言うわけで俺は一人で集合場所に向かった
「到着……っと?」
俺は集合場所に到着した。時間的にも丁度良いと思ってたし、既に皆いるだろうと思ったのだが……
「あ、陽多君。おはよう~」
「おはようさん。というか紗季だけか?」
「そうなんだよね。私もちょっと前に来たんだけど」
「まぁ待ってれば皆来るよな」
「そうだね」
………と、思っていたんだが…
「……来ないな」
「もう約束の時間過ぎちゃってるよ」
香奈も忘れ物を取りに行っただけなのに遅いな。何やってんだ?
「携帯にかけても出ないよ」
「マジでどうしたんだろうな?」
これは皆を捜しに行った方が良いかもな。
と、思っていた時だった
「あれ?陽多君、誰か走ってきたよ」
「お?」
紗季の言う方を見てみると、確かに黄色い髪の少女が走ってくるのが見えた
「はぁ……はぁ……ここには……戻ってないか…。どこ行ったのよあの二人…はぁ……」
少女はそう言って座り込んでしまった。
流石に見過ごせないな
「おいおい大丈夫か?」
「凄く疲れてるみたいだね、立てる?」
「あ……ありがとう…ございます…」
紗季が差し出した手を掴んで少女は立ち上がる
「あ―っもう!あの二人どこまで行ったんだぁ!!」
「落ち着けよ。友達とはぐれたのか?」
「はぐれたと言うか何と言うか…」
少女はため息をつきながら言う
「実はオレンジ……じゃなくて私の友達がなゆ……じゃない、もう一人の触れてはいけない部分に触れてしまって…」
「触れてはいけない部分?」
「それに触れるとあの娘、暴走するんですよね…」
「なるほど、それで二人の鬼ごっこが始まったわけか」
「そうなんですよね……はぁ…」
少女は深いため息をついた
「ねぇ陽多君。どうせ皆を捜しに行くんならこの娘の友達捜しも手伝ってあげようよ」
「そうだな、放っとけないし」
俺達も段々香奈に影響されてきてるな
「え?手伝ってくれるんですか?」
「ああ」
「ありがとうございます!うわぁ凄く良い人達だ!」
少女は跳び跳ねながら喜ぶ。さっきまであんなに疲れきってたのに、回復が早いな
「で、友達の特徴は?」
「女の子です!」
「それだけでどう捜せと!?」
「あ、間違えた。可愛い女の子です!」
「……やっぱ捜すのやめるか」
「そ、そんなぁ!!」
はぁ…仕方ねえな
「んじゃ一緒に捜そうぜ」
「それしかないもんね…」
どうもこの娘は人の特徴とかを伝えるのが苦手そうだしな
「じゃあよろしくお願いしますっ!」
「ああ」
「よろしくね」
「あ、自己紹介を忘れてましたね。私は暁 瑠美と言います」
「俺は組谷 陽多だ」
「種宮 紗季だよ。よろしくね」
「はい!じゃあ行きましょう!」
というわけで、俺達はこの元気っ娘……暁と一緒に皆を捜しに行くことになった




