テスト終了後の報告
紗季side
皆と別れ、私と空君は二人で家まで歩く
「明日は日曜日だから…明後日にテストが返ってくるね」
「返ってこなくて良いんだけどなぁ…」
私の言葉に空君はため息をついた
「でも今回は結構出来たんでしょ?ならいつもよりは返ってくるのが楽しみなんじゃない?」
「まぁそうなんだけどね。でも出来たのは紗季のお陰だよ。本当にありがとう」
「うん、私も頑張った甲斐があったよ」
私と空君は笑い会う
「そういえば紗季の方はテスト大丈夫だったの?」
「ちゃんと自分の勉強もやってたから大丈夫だよ」
「そっか、良かった」
空君はホッとしたような顔になる
「心配してくれてありがとね」
「ううん、紗季にも良い点を取ってほしいからね」
そして、分かれ道に到着する
「じゃあまたね、紗季」
「うん、バイバイ、空君」
そういえば明日は日曜日だけど…何の約束もないなぁ。
たまには皆で遊びに行きたいな
優里side
「ねぇ賢也君」
「……何だよ、勝手に俺の部屋に入ってきた不法侵入者」
「何よ、いつも通り賢也君について行っただけじゃない」
「いつも部屋までついてくるのがおかしいんだよ!」
賢也君は呆れた表情で私を見る。失礼ね、全く
「で?用件は何だよ?」
「暇潰しよ」
「だと思ったぜ…」
見抜かれてたか、流石ね
「お前、こういう所は昔から変わんないけど、勉強面はかなり上達したよな」
「そうね、かなり勉強したもの」
「そっか、努力の賜物ってわけだな」
「賢也君も努力すれば伸びるわよ」
テストも勉強すればちゃんと出来るようだし
「俺は普段から勉強とかするタイプじゃないんだが」
「ならせめて授業は真面目に聞いたらどう?」
「……聞いてるぞ」
「聞いてないわよ、私の隣の席でいつも寝てるじゃない」
堂々と嘘をつかないでほしいわね
「違うぜ優里。寝てるように見えて実はちゃんと聞いてるんだよ」
「へぇ~、じゃあ期末テストでは暗記科目の手伝いはしなくても良いのね?」
「……ちっ、その手があったか」
「私に嘘をつくなんて百年早いわ」
その後も適当な雑談をして、私は暇を潰すのだった
蜜柑side
「じゃあまたね、蜜柑ちゃん」
「またね、オレンジ。ちゃんとお兄さんにお礼を言うんだよ」
「わかってますよ。ではまた」
私は菜由華ちゃんと瑠美ちゃんの二人と別れ、家に入ります。
ちなみに二人が私の家の前まで一緒にいたのは下校ルートが同じだからです、一応説明しておきます
「ただいま~」
この時間、父さんと母さんは仕事で家にいません。
いるのは私と同じく、今日がテストだった…
「お帰り、蜜柑」
お兄ちゃんだけです
「テスト、大丈夫だったか?」
「うん、お兄ちゃんが教えてくれたお陰だよ。ありがとね」
「そっか、よく頑張ったな蜜柑」
お兄ちゃんは私の頭を撫でてくれます。昔から私が良いことをするとこうしてくれます、変わっていませんね
「お兄ちゃんの方は大丈夫だったの?」
「大丈夫……のはずだ」
「何だか自信なさげだなぁ…」
まさかお兄ちゃん、私に勉強を教えるのに夢中で自分の勉強を忘れていたのでしょうか?
「いや、それはねえよ。ちゃんと勉強したし、テストもそれなりに上手くいったはずだ」
「じゃあ何でそんなに自信なさげなの?」
「俺はいつもこうなんだよ。自分で上手くいったと思っても実際は悪いんじゃないかって不安になる」
なるほど、そういうことですか
「確かにお兄ちゃんはそこまで頭が良いわけじゃないもんね」
「その通りだがお前にだけは言われたくない」
全く、お兄ちゃんはなんで自分のテストを信じないんでしょうか
「そう言うお前は不安にならないのか?」
「私はならないよ。自分の書いた答えを信じてるからね」
「凄い自信だな…」
「今までもずっと自分の答えを信じてきたんだよ」
「それで毎回追試になってたがな」
過去の事は今、どうでも良いのです
「お兄ちゃんも、たまには自分の答えを信じてみたら?」
「……そうだな。不安になってばかりいても仕方ないしな」
「うんうん」
これでお兄ちゃんを不安から解き放てましたね、良かったです
「まぁ信じた所でテスト結果は変わらないけどね」
「何で最後にそういう事を言うんだお前は!?」
落ちはつけないといけませんからね
香奈side
私はかなりの眠気を感じながら、陽多君と一緒に帰宅した
「香奈。お前はすぐに寝たいよな?」
「そうだね、今もかなり眠いからね」
「じゃああえて寝かさないようにするか」
「じゃあお休み…」
「無視かよ!?まぁ冗談だが」
私はそのまま自分の部屋に入る
「早く着替えて寝よう…」
私はそのまま着替えを開始した
『香奈、ちょっと聞きたいことがあるんだが入って良いか?』
「うん、良いよ」
私は陽多君を部屋に入れた
「あのさ……!?か、香奈!」
「ん?何?」
「おまっ…!下着姿じゃねえか!!」
陽多君が顔を真っ赤にして鼻を押さえる
「そうだね。だからどうしたの?」
「そんな状態で男を部屋に入れるやつがいるか!」
「他の人ならまだしも、陽多君なら問題ないからね」
「うう……もう良いや…」
陽多君はそのまま部屋を出ていった
「……陽多君、聞きたいことがあるんじゃなかったのかな…?」
少し気になったけど今は着替えを済ませる事にした。何より眠い
「ふあぁ……もう限界…」
着替え終わった時、私の眠気は限界になり、ベッドに倒れこんだ
「お休み……」
目を閉じて数秒で、私は夢の中に入っていった。
しばらくして、私の目の前には…懐かしい光景が広がってくるのだった




