テスト前1
皆と別れ、俺と香奈は帰宅した
「じゃあ陽多君。勉強しようか」
「嫌だ」
「即答はないんじゃないかな…」
だって勉強したくねえもん
「大丈夫だよ、分からなくても私が教えてあげるから」
「でもなぁ…」
「もう陽多君には追試とか取ってほしくないし…」
「………」
ったく、反則だぜ、その表情。俺のことを本当に心配してくれてるって分かっちまうんだよな…。
そんな表情されたら…
「はぁ…分かったよ」
「本当!?良かった!私も精一杯手伝うから。一緒に頑張ろうね、陽多君」
「はいよ」
凄く嬉しそうな顔になる香奈。本当…反則だよな
「じゃあ着替えてくるか」
「本当に嬉しいよ。陽多君、勉強をするって言ったご褒美ってわけじゃないけど、私と一緒の部屋で着替える?」
「そんなことをしたら勉強するどころじゃなくなると思うぜ」
「大丈夫。ティッシュは大量にあるから」
「ティッシュあれば良いってもんじゃねえだろ!?」
「はぁ……分かったよ。じゃあ別々の部屋で着替えよう」
何故か凄く残念そうなため息をついて、香奈は部屋に入っていった
お互いの着替えが終わり、俺と香奈は再び集まる
「じゃあ始めよっか」
「ああ」
「まずは苦手教科から攻めていこうか。陽多君、どの教科が苦手?」
苦手教科か…そうだな…
「全部だな」
「全部…」
香奈の笑顔がひきつる
「わ、分かった。じゃあ全部の教科をやろう」
気を取り直して勉強をスタートする
「先ずは国語から行こうか。えっと…」
説明を忘れていたが、今香奈は俺のすぐ隣に座っている
「陽多君は現代文と古典、どっちが得意?」
「どっちも苦手だな」
「あ、そう……」
つまり、香奈の匂いがすぐ隣の俺に思いっきり伝わってくるんだよな
「じゃあ先に現代文から始めよう」
いつも隣にいるが、改めて匂いを意識すると…
「じゃあ先ずはここから……陽多君?」
はぁ…これじゃ勉強なんてできないぜ
「陽多君!」
「はい!?」
うわっ!びっくりした!
「話、聞いてた?」
「えっと、香奈は良い匂いしてるって話だっけ?」
「ちょっ!?」
「あ……」
ぎゃああああ!何を言ってるんだ俺!?
「あ、ありがとう…」
「ど、どういたしまして…?」
「………って!そうじゃないっ!」
香奈は真っ赤になりながらこっちを見る
「い、今は勉強をしてるの!こっちに集中してっ!」
「あ、ああ」
怒られてしまったので、ここからは頑張って集中してみることにした
(もう……急にあんなこと言われたら…私…)
「おーい香奈?ここ分からないんだが」
「あ…う、うん。ここはね…」
そんなこんなで勉強を続けた
空side
「あーあ…テスト前かぁ…」
俺は家に着き、その事を思い出して鬱になる
「……ま、良いか」
さて、ゲームゲーム
ピンポーン♪
「おっと」
誰か来たのかな?
『空君、私だよ』
「あ、紗季か」
この声は多分そうだろう。
一応扉の前に立っている人を確認する。うん、大丈夫だな
「(ガチャッ)どうしたの?紗季」
「ちょっとね。上がっても良い?」
「?うん」
とりあえず紗季を家に入れる
「で、要件はなんなの?」
「うん、空君に勉強をさせようと思って」
「じゃあまた明日ね、紗季」
「ちょ、ちょっと!?」
学校の鞄を持って来てた時点で薄々気づいてたよ、紗季の要件
「駄目だよ空君。勉強しないとテストで悪い点取っちゃうよ?」
「……期末で頑張る」
「そう言って期末テストの時も勉強しないんじゃないの?」
何故バレたし
「勉強しようよ空君。何なら私がテストまで毎日、教えに来るから」
「え?毎日?」
「うん」
ってことは…毎日紗季と二人っきりになれるってこと…?
「………」
「空君?」
ゲームと紗季……取るなら…!
「じゃ、勉強しよっか」
「急に!?」
紗季を取るよ
「ま、まぁやる気になってくれて良かったよ。頑張って教えるから、テストで良い点取ろうね」
「うん!」
よーし!やるからには良い点取るぞ!




