表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/156

聞きたくなかった単語

陽多side


「で?今日は何故途中で学校を脱け出したんだ?」


「まぁ色々ありまして…」


俺達六人は現在、職員室で担任の岩田先生に学校を出た理由を聞かれている。

言い訳?考えるの忘れてたぜ


「色々?もっと具体的に言え」


「う……」


流石に不良と喧嘩してましたとは言えないし…。

というか何で俺が言い訳してるんだよ!もっと言い訳が上手い奴にやらせろよ!


(その上手い人が陽多君なんだけどね)


何か悪口を言われた気がする


「なんだ、言えないような理由なのか?」


「………」


ええい!もうやけくそだっ!


「友達を助けに行ってました!」


「友達?ふむ……」


……あれ?何か先生が腕を組んで考え始めたぞ?


「……他の者も同じ理由か?」


『はい』


「………」


再び思案顔になる先生。これはどうなる…?


「嘘は言ってないようだな」


「え?分かるんですか?」


「ああ、俺も長く教師をやっているからな。そのくらいは態度や表情で分かるさ」


凄いな…この人の前じゃ下手に嘘はつけないな


「分かった。今回は許してやろう」


「あ、ありがとうございます」


ふぅ…危機は回避したな


「後、今日出席しなかった授業の内容はちゃんと出席した者に聞いておけ」


しかし、まだ危機は去っていなかった


「何せ、後一週間もすれば中間テストだからな」


先生が出来れば聞きたくない単語を言ったから













「あーあ…テストかぁ…」


学校を終えて(といってももう授業はほとんど無かったけど)下校中、俺は大きなため息をついた


「陽多君。今回は赤点取らないように頑張ってよ?」


「断る」


「が・ん・ば・って・ね?」


「……はい」


満面の笑みで言うな、怖いから


「俺もテストは嫌だなぁ。学校でゲームできなくなるし」


「空君も勉強しないとね」


「う~、勉強嫌だ!紗季、俺の代わりにテスト受けて~」


「それじゃ意味ないんじゃないかな…」


授業態度からして、空は勉強苦手だと思ってたぜ。

そういえばもう一人授業態度が悪いやつがいたな


「賢也、お前はテスト大丈夫なのか?」


「ああ、テスト前はちゃんと勉強するしな」


「それよりも賢也君は普段の授業態度をなんとかしなさいよ」


「何が駄目なんだ?」


「寝てばっかりの所よ。授業中はちゃんと起きてなさい」


「………」


「無視?ねぇ無視は流石にないわよ?ちょっと賢也君?」


ちっ、賢也はテストは余裕ってことかよ。だとするとこの面子でテストが苦手なのは俺と空だけか


「はぁ…テストなんてこの世から無くなってしまえば良いのに…」


「はいはい、良いから勉強しようね」


なんだその子供をなだめるような言い方は


「空君もちゃんと勉強しなきゃね」


「うーー…」


と、その時


「あっ、皆さん!」


「よ、また会ったな」


「数時間振りだな、辰也、蜜柑」


仲良く歩いていた二人と遭遇した


「それにしても何を騒いでたんだ?声が聞こえたんだが」


「そろそろテストが近いから勉強しようって話をしてたんだよ」


こら香奈。俺はまだ勉強するなんて言ってないからな


「そうなのか。まぁ俺達もテスト一週間前なんだがな」


「辰也。お前は勉強得意なのか?」


辰也は得意じゃないと俺は睨んでいるのだが…


「得意ってわけじゃないが…まぁ勉強すればそれなりの点数は取れるだろ」


「取れねえから苦労してんだよっ!」


「陽多君の場合、勉強すらやってないけどね」


そんなバカな!辰也もテストが苦手じゃないなんて!


「蜜柑は…聞くまでもないか」


「ま、優等生間違いないだろうな」


賢也の言う通り、普段のしっかりとした態度から推測すると蜜柑は優等生間違いなしだ


「テストですか?」


「ああ、うん。蜜柑は答えなくても良いぜ。もう答えは分かって…」


「大嫌いですよ。滅びてしまえば良いんです。あんな物」


………あれ?予想外過ぎる答えが返ってきたぞ?優等生でもテストは憂鬱ってことか?


「ね、ねぇ蜜柑ちゃん。貴女の成績はどうなってるのかしら?」


優里が声を震わせながら聞いた


「はい、去年に受けた最後のテストは全て赤点でした。頑張って追試は乗り越えましたけどね」


「全て……赤点…?」


「しかも追試…だと…?」


優等生だと思っていた蜜柑の答えにかなり驚く俺達


「ホント、こいつは勉強大嫌いでな。言っても全然やらねえんだよ」


「嫌いなものは嫌いですから」


「そのくせ、普段は優等生っぽい態度だからよく誤解されるんだよな」


「友達にも言われるよ。『蜜柑は優等生オーラを出してるのに成績は残念だよね』って」


辰也と蜜柑の会話から、蜜柑は勉強が嫌いだということが判明した


「ってことは…」


テスト、及び勉強が嫌いなのはこの中では俺、空、蜜柑の三人ってことか。

こうなったら…!


「よし!空、蜜柑!三人で勉強なんかしないで遊びに行こうぜ!」


「良いね!どこまでも付き合うよ!」


「私も賛成です!陽多さん達に着いていきます!」


よっしゃ!じゃあ早速遊びに……


「三人とも?真面目に勉強しようね?」


『………はい』


香奈の目だけ笑っていない笑顔に負けた俺達は、遊びに行く計画を強制終了させられるのだった。


テストなんか滅びれば良いのに

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ