奥へ進め
辰也side
「……ここか」
俺はとある廃墟の前に立っていた。ちなみに前に俺達が使っていた廃墟とは別の物だ
「………」
俺はポケットからここに来た原因でもある手紙を見る
『どちらがこの町のリーダーか、はっきりさせてやる。俺達のアジトまで来い。
言っておくがお前に拒否権はない。こっちはお前の大事な妹を預からせてもらっている。返してほしければおとなしくアジトまで来ることだな』
この手紙は今日、田島のグループの一人が俺に押し付けてきたものだ。というわけで田島のグループのアジトまで足を運んでみたわけだ
「ったく、こんな手紙まで作りやがって、本当に蜜柑が捕まってるのかよ」
と、言いつつも手紙を見てすぐにここまで来てる俺も俺だよな…
「んじゃ、入りますか」
俺は目の前の廃墟の中に入る。
中に入ってみると
「お、来た来た」
「マジで来やがったなぁ」
数人の男がいた。おそらく田島のグループの不良だろう
「来てやったぜ。妹はどこにやった?」
「奥にいるぜ。田島も一緒にな」
「んじゃここは通らせてもらうぜ」
「そう簡単に通すと思うか?」
男達が俺を取り囲む
「……思ってねえよ」
「くたばりやがれぇ!」
一斉に殴りかかってきたか。まぁでも
「よっと」
「ちっ!この野郎!」
じゃあ反撃するか
「おらよ!」
「ぐあっ!」
とりあえず一人を殴り倒す。一応、手加減はしておいた
「もう1つ!」
「げはっ!」
よし、とりあえず二人…
「うおらあっ!」
「!ちっ!」
後ろから攻撃され、少し怯む
「うらっ!」
「ぐっ!」
そこを狙われ、追撃をくらう
「へっ、市川辰也…どうやら町のリーダーの座を降りるときが来たようだな」
「そんな称号、欲しけりゃくれてやるんだがな…」
俺の言葉は聞こえなかったようで、目の前の男達が拳を振り上げる
「っ!」
俺は両腕で頭を守り、衝撃を待つ。
(………あれ?来ねえな?)
不思議に思い、俺は前を見る。
すると
「なっ!?お前ら!」
見覚えのある三人が立っていた
「久し振りだな辰也。いきなりピンチみたいだな」
「大勢で襲いかかるなんて卑怯だぞ!」
「ま、ちょっと休んでろ」
三人――賢也、空、陽多が構えながら言った
陽多side
「んじゃ始めるか」
俺は拳を構えて、目の前の男達を睨み付ける
「なんだお前ら!市川辰也の仲間か!?」
「ただのダチだよ。そういうのはいらないからさっさとかかってこい」
俺の言葉に苛立った男達が襲いかかってきた
「くたばりやがれっ!」
「お前が先にくたばっとけ!」
「ぐうっ!てめぇ…!」
腹に攻撃を叩き込むと男は倒れた
「次はどいつだ?」
「なんだこいつ…強いぞ!」
と、その時
「後ろががら空きだぁ!」
「お前の目は節穴か?おらっ!」
「なぁっ!?がはっ!」
後ろを狙った男が賢也の一撃で倒れる
「背中は任したぞ、賢也」
「お前も俺の背中をちゃんと守れよ、陽多」
俺達は背中合わせになり、目の前の連中を倒す
「うらぁっ!どうした?次来いよ」
「いつの間にか数が少なくなってきたな」
「強ぇ…!なんなんだこいつら…」
「こうなったら市川だけでも倒……!!」
男の一人が辰也の方を見て驚いていた
「い、いねぇぞ!市川が消えてる!」
「なにっ!?あの野郎、逃げたな!」
「残念。気づくのが遅かったな」
どうやら空が上手くやってくれたようだな
「まさかお前ら奴が逃げるための時間稼ぎをしてやがったのか!?」
「まぁな。でも一つだけ違うぜ。辰也を逃がしたわけじゃねえよ」
「ああ、あいつを田島の所に向かわせたんだよ」
「なに!?ってことは…」
「ああ、もうたどり着いてる頃かもな」
さて、後はこいつらを足止めするとしますか
辰也side
「何とか上手く抜け出せたね」
「サンキューな空。お前のお陰だ」
「いや、陽多達が引き付けてくれたお陰だよ」
俺は陽多達が来てくれた直後に空と一緒にあの場所を抜け出した。そして今、二人で奥まで進んでいる
「こういう廃墟を走るのは二回目だよ、俺」
「前は俺が敵側だったんだよな。そう考えると不思議な感じだな」
「うん、今回は前に敵だった辰也と一緒に走ってるんだもんね」
そんなことを話しながら走っていくと
「な!?市川辰也!てめぇここまで来やがったか!」
「もう一人いるぞ!何者だ!?」
どうやらこの奥に田島の野郎がいるようだな
「辰也、先に行って。ここは俺が引き受けるから」
そう言って持っていた木の枝を構える空
「一人で大丈夫か?」
「数も少ないし、問題なし!」
「わかった。ここは任せた」
俺は連中を無視して奥に行こうとする
「行かせるかぁ!」
すると当然、邪魔をしてくる。
だが
「邪魔はさせないっ!」
「うおおっ!?」
空の攻撃に相手が怯む。その隙に…
「くそ!止められなかった!」
「ここからは俺が相手だ!」
後ろからそんな声が聞こえた
「ありがとな…陽多、賢也、空」
俺はあいつらの手伝いを無駄にしないためにも…。
奥へ進む!




