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日曜日到来⑤

陽多Side


「さて、ブタ十匹の傷も癒えてきたし、そろそろ昼飯にするか?」


「そうだね。というかそんなに深い傷だったの?ブタ十匹」


というわけで二人で昼飯に行くことになった…のだが


「どこに行く?」


「どこでも良いんじゃねえか?」


「適当だね…」


特に場所を決めてなかった。

どうすっかな…


『ねぇ君、暇なら俺達と遊ばない?』


『いえ、結構ですよ』


『つれないこと言うなって!楽しませてあげるからさ!』


『そうそう!楽しいこと間違いなしだって!』


『えっと…』


……気になる会話を聞いてしまったな


「陽多君」


「わかってる。放っとけないんだろ?」


声のした方を見ると中学生くらいの少女に高校生くらいの男三人を見つけた。

……この町、ナンパ多くね?


「どうしましょう…こんな光景、お兄ちゃんが見たら…」


「なにぶつぶつ言ってんのさ。それよりもほら!一緒に行こうって!」


「さっき断ったじゃないですか……」


しまいには少女が疲れ始めていた


「おいおい、その娘疲れてるぜ?止めてやれよ」


見てらんなくなったので俺が止めに入ってみる


「ああ?なんだお前、邪魔すんのか?」


「邪魔っつーか…断られた時点でナンパ失敗だろ」


「余計なお世話だ!」


「そうだ!俺達は諦めねえ!」


その熱意を別のとこに向けらんねえのかね?


「なぁ!君だって一緒に行きたいだろ!?」


「だ、だから無理なんですって」


再び少女を誘うナンパ野郎。何故諦めないんだ?


「嫌がってるでしょその娘。やめてあげなさいよ」


香奈が少女を庇うように前に立つ


「じゃあ君で良いや!遊びに行こうぜ!」


「いい加減にしろって」


ターゲットを香奈に変更した男をなだめる


「邪魔すんなっつてんだろうが!」


キレた男がついに手を出してきた。

その手を俺はあっさりと掴む


「おっと、そっちが先に手を出したんだからな?こっからは正当防衛ってことで良いよな?」


「なっ!?いてててて!!」


少し掴んだ手に力を入れてみたら男は痛がっていた。

そこで俺は手を放した


「さてと…残りの二人もお仕置きといくか」


「ひいっ!に、逃げるぞ!」


「な、何なんだこいつら!?」


残り2名が捕まった男を見捨てて逃亡した


「香奈、ちょっとそいつ見張っててくれ」


「うん、了解」


俺は逃げた連中を追いかける


『ま、待て!俺も逃げる!』


『動かない方が良いよ?コンパスの針が刺さっちゃうかもしれないから』


『………はい』


逃げた二人は案外素早く、なかなか追い付かない。

だがちょうど逃げた先に二人組がいるのが見えた


「そこの二人!そいつら捕まえてくれ!」


俺は巻き込んで悪いと思いつつ、二人に応援を頼んだ

















賢也Side


クレーンゲームで遊んだ俺達はゲームセーターを出た


「結構取れたな」


「流石ね。私はほとんど取れなかったわ」


「でも取りにくそうな位置にあったウサギ取れただろ。あんまやってないにしては上手い方だと思うが」


「賢也君がそう言ってくれると嬉しいわね」


と、その時だった


「そこの二人!そいつら捕まえてくれ!」


「?」


声がしたので見てみると二人組の男達を追いかけているやつが言ったようだった


「そこの二人って俺達か?」


「でしょうね」


すると男達が走ってきた


「どけどけぇ!」


「はいよ」


俺は素直に横にどく。

……と見せかけて


「うおわっ!?」


「おっと悪い、足が出てた」


一人を足で引っ掻け、転ばす


「くっ!お前の無念は俺がはらすぜ!」


「と言いつつ逃げるのね」


しかしもう一人は逃走していった


「おおサンキュ、一人捕まえてくれ……って!?」


追いかけていたやつが来たようなので振り向く…


「……おい、何やってんだお前は」


「聞き覚えのある声だと思ったら陽多君だったのね」


走ってきたのはなんと陽多だった


「お前ら何で……ってデートか?」


「まぁね。それより貴方は何してたのよ?」


「ああ!一人逃がした!」


今更慌て出す陽多


「もういないわね。諦めた方が…」


優里が言おうとした時


『『いってぇ!!』』


謎の声(たぶん二人の)が聞こえた
















空Side


「本屋もたまに行ってみると面白いね」


「結局何冊か買っちゃったもんね」


俺と紗季は本屋から出た後、お昼をどこで取るか考えていた


「でもどこで食べるか特に決まってないからね…」


「適当に次に見つけた店にしようか」


「賛成~」


紗季の賛成を得られたのでどこかに店がないか探す


「空君、前見て歩かないと危ないよ」


「大丈夫だよ。誰にもぶつからないから」


「あっ!空君!前!前!」


何もそんなに必死に呼び掛けなくても……って!?


「「いってぇ!!」」


……気づいた時には前から走ってきた男の人とぶつかっていた


「ご、ごめん!」


俺はすぐに謝る


「てめぇ!どこに目ぇつけてやがる!このまぬけ野郎が!」


……これは結構ムカついた


「なんだよ!そっちだって前を見ないで走ってたじゃないか!」


「なんだとこら!面白ぇ、喧嘩なら受けてたって…」


「喧嘩は駄目っ!!」


「「………」」


紗季の一喝に俺達は黙る


「ところでどうしてあんなに走ってたの?」


「あ!そうだ逃げないと!」


と、言った瞬間


「よお、捕まえたぜ」


「あ…ああ…畜生…」


逃げてたのかこの人。

誰が追って……あれ?


「陽多!?」


「?って!?空!紗季!まさかお前らまで…」


これは色々と事情を聞かないとね
















陽多Side


「まさか全員集合するとはな…」


「本当、凄い偶然だね」


ナンパ男達にお仕置きを済ませ、俺達は事情を説明することにする


「つまり、デート中にナンパされてたその娘を見つけて、放っておけなくなったわけか」


「それで逃げた二人を追いかけて私達と会ったのね」


「で、もう一人が俺とぶつかって…」


「そこで全員確保したってわけだね」


「ああ、そういうことだ」


とりあえず事情説明はこれで大丈夫だな


「あの、本当にありがとうございました。私がもっと強く断れれば…」


「仕方ねえって。あの手の輩はしつこいからな」


「あの人達もあのままだと危なかったんです。私、お兄……兄と待ち合わせしてたんですけどね。私がナンパなんてされてたら…」


「かなり怒るよな」


あれ?助ける必要なかったか?


「兄は怒ると怖いのでやり過ぎちゃうかもしれないんですよ」


「さっきの陽多君のお仕置きより酷いことになるってわけだね…」


「はい」


俺のお仕置きもそんなに生優しくなかったはずだがな……あいつら最後はひたすら謝ってたし


「では私はこれで。本当にありがとうございました」


「今度は気を付けてね~」


というわけで少女と別れたわけだが


「……なぁ皆。とりあえず昼飯食いに行こうぜ。特に店も決まってないみたいだし」


「そうするか。でも誰も決まってないとなると…」


「どこに行こうかしらね」


それが問題だよなぁ…


「そうだ!空君、さっき決めたように次に見つけたお店にしようよ」


「ええ!?俺が決めるの!?」


俺は空の肩をポンと叩く


「頼むぜ、空」


「責任重大だ…」


空は今度は前に気を付けながら店探しを始めた。

まぁ俺達はどこでも文句はないんだけどな


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