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ぶちギレタイム

陽多Side


今日もいつも通り学校に行く。ああダルいなぁ…


「そうだ香奈。今日は学校休もうぜ」


「突然何を言い出すの!?駄目だよ!」


ちっ…この優等生め…


「なぁ空。お前も休みたいよな?」


「うん!」


「即答!?」


流石空だ


「よし!んじゃ二人で遊びに行こうぜ!」


「賛成!紗季も行こうよ!」


「ええ!?わ、私はやめとくよ」


「そっか~残念。じゃあ二人で…」


「行かせないからね!ほら、早く行くよ二人とも!」


「「嫌だああああああああ!!」」


「あはは…結局こうなっちゃうわけだね」


そして香奈に引きずられていく俺と空、さらに苦笑いしながらついていく紗季という奇妙な登校風景が出来上がった
















結局いつも通り教室についてしまった


「いや、いつもは引きずられてないだろ!」


「途中で何があったのよ…」


賢也と優里との会話もいつも通りに進む


「だからいつも通りじゃねえって」


「なんでさっきから人の心読んでんだよ!」


「顔に出すぎなのよ」


ったくこいつらと来たら


「で、今回は何をやらかしたんだ?」


「二人が学校をサボるって言い出したんだよ」


「あら、それじゃ怒られても仕方ないわねぇ」


「正論だけじゃ世の中生きていけないぞ!」


「それらしいこと言って誤魔化さないの!」


畜生!何故皆サボりたがらないんだ!


「退屈なら寝てれば良いじゃねえか。授業があっという間に終わるぞ?」


「賢也君のそれも駄目だから…」


「毎回起こしてるのに寝るわよね貴方は」


「起こさなくても大丈夫だぞ?」


「あのね…」


優里は頭を抱えて溜め息をついた


「よし!今のうちに逃げよう!」


「駄目だよ空君!もう先生来ちゃうから捕まっちゃうって!」


どさくさに紛れて逃げようとした空を紗季が止めていた。

やれやれ、どうしようもない奴らだな


「一番どうしようもないのは陽多君だからっ!」


解せぬ
















「あぁ~疲れた~」


「リアクションがいちいち大袈裟だよ…」


忌々しい授業が全て終わり、放課後を迎えた時、俺は力尽きていた


「大袈裟なもんかよ。本当に疲れたんだ」


「はいはい、じゃあ早く帰ろうよ」


「あいよ」


というわけで帰り支度をして校門へと向かうことになった
















香奈Side


帰り支度を済ませた私と陽多君は二人で学校から出る。

今日は他の四人は皆用事があって私と陽多君の二人だけの下校だった


「そうだ陽多君。今日の英語の宿題一緒にやろうよ。二人でやればすぐに終わるし」


陽多君は平気で宿題をサボろうとするからね。ちゃんと手伝ってあげないとまたやる気がないとか言ってやらないだろうし


「いや、大丈夫だ。宿題学校に置いてきたし「取ってきなさい!」……はい」


まだ校門の近くだったから良かった。全く、やる気以前の問題だったよ。

そして学校に宿題を取りに行くのを見送った時だった


「おい!お前!」


「え?……貴方達は…昨日の…!」


振り向くとそこには昨日ゲームセンターで紗季ちゃんと一緒だった時絡んできた男達がいた


「同じ学校だったのね。それで何の用?」


「へっ、生意気な口聞けんのも今のうちだぜ?なぁお前ら!」


「!?随分と数を増やしてきたね…」


総勢5人くらいの男が現れる。恐らくこいつの仲間だろう


「ほぉ~本当に可愛いじゃねえか」


「こりゃ良い娘見つけたな、おい」


嫌らしい目でじろじろ見てくる男達。物凄く気分が悪い


「一緒にいた男がいない今がチャンスだ。連れてくぞ!」


『おう!!』


そして男のうちの一人が手を掴んできた


「ちょっと!触らないでよ!」


私は男の手を払った。

するとそれが気に入らなかった男が


「この!生意気なやつだな!」


「きゃっ!」


くっ…顔を殴られた…痛いけどこのくらいならまだ…。

……と思った時、私は恐ろしい殺気を感じた

















陽多Side


「ったく、1日に二回も校舎に入るはめになるとは」


俺は宿題を回収して外に向かう


「でもさっきの香奈の言葉から察するに…帰ったら宿題やらないといけないだろうな」


はぁ…溜め息しか出ねぇ


仕方ない…さっさと帰るか」


俺は校舎から出た。

そして校門に向かった……のだが


「ん?なんだあいつら」


なにやら数人の男が香奈に言い寄っていた ナンパか?


「つーかあの先頭にいるやつ、昨日も絡んできたやつだな。ったく」


こりゃもう一回お灸をすえてやるか……


「生意気なやつだな!」


「きゃっ!」


………は?今何したあいつ?

香奈を殴った?殴りやがった?

………

………

………






……ぶち殺す


「な、なんだ…?急に寒気が…」


「お、おい!あれ!」


俺はひびり始めた男達に近づく


「おい」


「ひっ!な、なんだ!?」


「てめえよぉ…今何した?」


「な、何って…」


「殴ったよな?今そいつを殴ったよな?そうだよなぁ!?」


「ひぎゃあっ!」


俺はそいつの胸ぐらを掴む


「くたばれやこらぁ!!」


「があああああっ!!」


俺はそいつの顔面に一撃、叩き込んだ。

やつは鼻血を出してぶっ飛んだ


「つーかてめえには昨日も言ったよな?また絡んできたら次はねえってよぉ。でもまた絡んできたってことは…それなりの覚悟で来たんだろうな!?」


「う…ぐぅ…」


鼻を押さえたまま何も言わない男。周りの連中に至っては震えたまま動かない


「おいなに寝てやがるんだ?まさかもう終わりだとでも思ってんのか?」


「!!ひ…ひい…すみ…ません…許してください…」


「許すか馬鹿が」


俺はそのまま追撃を加えようと男に近づ……


「もうやめて陽多君!!やりすぎだよ!私は大丈夫だから!お願いもうやめて!」


「っ!!か、香奈…俺は…?」


香奈が後ろから抱きついて止めてきた時、俺は我に帰った。

やべぇ…完全に怒り狂ってた…!


「……ふぅ…おいお前」


「!!」


俺は殴った男に言う


「良いか?本当の本当に最後の警告だからな?もう二度と絡んでく・る・な」


「は、はいぃっ!!」


そのまま仲間を引き連れて退散していった

















「もう、陽多君は本当に怒ると毎回凄いことになるよね」


「すまん…」


これは何とかしなきゃならねえが…どうしようもない。感情の問題だし


「でも…嬉しかったよ。私のために怒ってくれて♪」


「当然だろ?」


「ふふ、そうだね」


あ~長かったように感じたけどようやく家が見えてきたな


「帰ったら宿題やるからね?」


「うげ、忘れてた。明日にしないか?」


「間に合わないよ!明日提出だよ?」


「朝に頑張る!」


「今日頑張るの!」


くそ、融通のきかないやつめ


「ほら、着いたよ。早く着替えて宿題済ましちゃおうよ」


「あいよ」


というわけで、俺達はようやく帰宅できた

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