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一つの問題の解決

朝のHRが終わり、俺達は賢也と優里の所に集まる


「いや~まさか転校生が優里ちゃんだとは思わなかったよ」


「昨日お父さんに頼んでみたの。でも翌日に転校できるとは思ってなかったけどね」


さすが紅真社長だな


「転校した理由は?」


香奈が聞いた


「もちろん皆と同じ学校に通いたかったからよ」


「ちゃんと俺達もカウントされてんのか?」


俺はてっきり賢也と一緒の学校だからって言うと思ったんだが


「当たり前じゃない。大事な友達だもの」


「そっか」


優里は俺達を忘れるようなやつじゃないよな。良かった


「にしてもなんで昨日俺達に転校するって教えてくれなかったんだ?」


「ビックリさせたかったからよ」


「……確かにかなりビックリしたが」


「まぁ改めてよろしくね、皆」


優里が笑顔で言った










1時間目の授業が始まった。

隣の空は教師と香奈にばれないようにゲーム開始。

香奈と紗季は真面目に授業受けてるみたいだな。

さて、賢也と優里は…


「………」


「ちょっと賢也君?授業中に堂々と寝ちゃ駄目じゃない」


「……眠い…」


賢也が起こされていた。もう寝らんないかもなあいつ


「……ぐぅ…」


「いびきかきながら寝ないでよ…」


流石に諦めないな賢也


「もう…後でキスしてあげないわよ?」


「(ガバッ)さて、授業授業」


「ふふ、それで良いのよ」


な、なんだ?優里が賢也の耳元でなにか言った瞬間飛び起きたぞあいつ。

なにを言ったんだ?










ふう…これで1時間目は終了だな


「あ、俺トイレ行ってくる」


「私も行ってくるわね」


賢也と優里はそう言うと、一緒に教室を出ていった


「良いなぁ……あの二人」


「紗季も誰かと付き合いたいの?」


「う、うん、まあね」


「そっか、良い人見つかると良いね!」


「………シクシク」


「えぇ!?なんで泣くの!?」


空の無意識な言葉攻撃で紗季は落ち込む


「紗季も大変だよな」


「……私も大変だけどね」


「香奈も?……はっ!まさか…」


「え?え?陽多君もしかして…!」


香奈が期待した表情になる。ああ、わかったぜ…なにもかも…


「香奈……付き合いたいやつって誰だ?協力するぜ?」


こういうことだろ?つまりここは香奈の恋を手伝うのが正解…


「うわああああん!」


「号泣!?」


どうやら大ハズレだったみたいだ


「ちょっといない間になにがあったんだよ…」


「あらあら、二人共泣いちゃってるじゃない」


賢也と優里が戻ってきた。

優里が香奈と紗季に近寄る


「大丈夫よ。きっとあなた達の想いは届くわ」


「「ふええええん!!」」


二人が優里に抱き着く。優里はそんな二人の頭を優しく撫でる。

良い光景だな


「全くお前らときたら…本当に鈍感だよな」


「「どこが?」」


「はぁ……」


なぜか賢也は深いため息をついた










昼休みまでカットしました。授業の描写なんて一回だけで充分だ


「にしても同棲かぁ…羨ましいわ」


唐突に優里が言った


「優里も賢也と暮らしてみたいのか?」


「ええ、二人だけで暮らしてどこまで頑張れるかやってみたいわね」


「おいおい…」


賢也が苦笑する


「流石にまだ早いんじゃないかな?」


「香奈ちゃんが言ってもね…」


紗季の的確なツッコミが入る


「紗季は誰かと同棲したいと思わないの?」


「う~ん、私家事が全然だからね。なにが起こるかわからないし」


一体どれだけ悪いんだ


「そういう空は誰かと暮らしてみたいと思わないのか?」


「俺は一人暮らしだから誰かがいると嬉しいんだけどね。やっぱり紗季と暮らしてみたいなぁ」


『!!』


「本当!?空君!?」


「?うん」


空は何気なく言ったが俺達には大きな衝撃を与えた


「ちなみになんで紗季と暮らしたいんだ?」


「楽しく過ごせそうだから!」


空らしい意見だな


「よし、今日から始めましょう。二人の同棲」


「うおい!急すぎるだろ!」


優里がやる気満々になった


「私も二人の同棲を手伝うよ!」


「香奈までかよ!」


結局顔を真っ赤にしている紗季を放っておいて勝手に話は進められた。

だがそこに


「お~ここじゃねえか?種宮のクラスってよ」


「あ、いたいた。ちょっと種宮さん?こっち来てくれない?」


クラスに見知らぬ男子と女子が数名来た。

なんだあいつら


「はぁ…」


「紗季ちゃん知り合いなの?」


「前に私いじめられてたじゃん?そいつらの仲間」


「なに!?」


紗季はため息をついた後


「追い払って来るよ。二度といじめられないように」


「でも大丈夫か?俺がついていっても…」


空はついていくと言ったが


「ううん、これは私がけじめをつけるよ」


「……わかった」


紗季の意思を尊重して一人で行かせた


「俺ら言ったよな?毎日金持ってこいってよ。最近全然持ってこねえけどどういうつもりだ?ああ?」


「髪型なんて変えてさ。可愛いつもり?それ」


昔の紗季はここで謝ることしかできなかったが…今は違う


「なんで私がお金払わないといけないの?」


「んだとこら」


「だ・か・ら!なんで私があんたらにお金払わないといけないのかって聞いてんの!」


「っ!てめぇ…」


紗季は全く怯まない。まぁあんな雑魚連中に怯むほど弱くないからな、今の紗季は


「ふざけんじゃねえ!」


男子の一人が紗季に殴り掛かるが


「すぐに手を挙げるのは単純な発想だよ?」


「なっ!?」


紗季は掴んだ手に少し力をいれる


「いでででで!!」


「まだそんなに力入れてないんだけど……」


その時、紗季は気づいていないようだが連中の仲間の女子が携帯で紗季が男子の手を掴んでいる場面を撮ろうとしていた。

脅しに使うつもりらしいが…こうなったらこっちも容赦しない


「きゃっ!なに!?しゃれになんないもん飛んできたんだけど!?」


突然目の前をコンパスが横切り撮影を中止する女子。

紗季はそれに気づき手を離した


「誰よ!?コンパス投げたの!」


その犯人は俺の隣で口笛を吹いている


「くっ!おいお前ら見たか!?種宮って凶暴な女だなぁ!」


解放された男子が俺達のクラスに大声で叫ぶ。悪い噂でも流したいのかね?


「いや明らかに悪いのお前らだろ」


俺の言葉に皆が頷く。

紗季は学校での印象が良い。今更悪い噂も流せないだろうな


「んだてめぇ!」


男子が声を上げた俺に突っ掛かろうとするが


「あ?」


「ひいっ!」


俺が少しばかり怒気を含んで返すと男子は情けない声を出して退いた


「もうそこまでにしたほうが良いよ」


「種宮…!」


「ほら、先生が見てるよ?」


『!!』


紗季の言うとおりいつの間にか連中の後ろに岩田先生が立っていた


「話は聞かせてもらった。お前達、種宮から金を巻き上げていたのか」


「い…いえ、その…」


「言い訳無用だ!職員室に来い!」


連中は岩田先生に引きずられていった


「やれやれ、これでもう絡んで来なくなるかな」


「お疲れ様紗季ちゃん」


「良かったな紗季!これでもう大丈夫だよ!」


香奈と空が紗季を労う。

これで紗季はやっとあの連中から解放されたわけだな


「でも今になるとなんであんな人達に怯えてたのかわかんないや」


「それだけ強くなったってことじゃないかしら」


優里の言うとおりだろうな


「うん、皆のおかげだよ!ありがとう!」


一つの問題が片付いた紗季は清々しい笑顔だった

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