独り身は辛い
久し振りの投稿です! ちょっと書き方を変えてみました。見やすくなってれば幸いです
菜由華side
どうも皆さん! 西原 菜由華です! 趣味はゲーム、特技はゲーム、好きな物もゲームですっ!
……え? 何でいきなり自己紹介してるんだって? ……いやね、ちょっと現実逃避をしたくてね……何故かって? 目の前のこの光景を見れば分かるよ
「陽多君、あーんして」
「はいよ、あーん……」
「美味しい?」
「ああ、美味いな。じゃあ次は香奈に食べさせてやるぜ」
「うん! あーん……」
はい! まずはこの二人ね! イチャイチャし過ぎだよねどう見ても! 楽しそうで何よりですね本当に!
そして次にこの二人だけど……!
「歩夢君、食べられますか? 怪我が痛むなら私が食べさせてあげますよ?」
「大丈夫だって。蜜柑ちゃんは心配しなくて良いよ」
「でも……やっぱり心配です。歩夢君、あーんしてください」
「ちょ、ちょっと……本当に大丈夫だから……」
もう付き合ってしまえ! 何!? 何なの!? 出会って二日目とは思えないんですけど! もうカップルにしか見えないよ完全に!
いや、私は確かにこの二人が恋愛に発展してほしいと思ってるよ? それは嘘じゃないよ? だけどさ……いくら何でも早すぎでしょ! 仲良くなるスピードがっ!! どう考えてもおかしいよ!
……というわけで、この二組のイチャイチャする姿を見てたら独り身の私は現実逃避をしたくなってきたわけだよ。納得してくれたかな?
「はぁ~……」
「……菜由華ちゃん、大きなため息吐いてどうしたの? 幸せが逃げちゃう……よ?」
私のため息に、同じく独り身の森姫ちゃんが反応する。ちなみに、私は今ミートソースを、森姫ちゃんはピザを食べている。森姫ちゃんは既にデザートのシュークリームを確保してるけどね
「……森姫ちゃんはあのカップル達を見ても何も思わないの?」
「……?」
私が聞くと、彼女は心底不思議そうに首を傾けた。この娘、本当に何も思ってないみたいだね……
「ほら、あんな風にされるとさ、私達は独り身だって事を思い知らされるじゃない?」
「独り身……? 付き合ってる相手がいないって事?」
「そうそう」
「……独り身ってそんなにいけない事?」
森姫ちゃんは更に不思議そうに聞いてくる
「いや、いけないって訳じゃないんだけどね。何か羨ましくない? ああいう風に恋人がいるのってさ」
「あの……蜜柑ちゃんと黒川君はまだ恋人同士じゃない……よ?」
そうだったね。じゃあ何であんなにイチャイチャしてるんだろうね、おかしいね!
「森姫ちゃんは恋人とか欲しくないの?」
「……別にどうでも良い」
うわ~、冷めてるな~……森姫ちゃんは恋愛には興味ないのかな?
「わたしは……これがあれば良いから」
「これって?」
「ん」
森姫ちゃんはシュークリームを見せてきた。
あれ!? いつの間にかピザ食べ終わってる!?
「……わたしは、シュークリームがあれば幸せになれるから……」
「つまり、森姫ちゃんの恋人はシュークリームという事だね?」
「……そうだね。わたしはシュークリームが大好きだもの。……はむっ」
そう言いながら、森姫ちゃんは大好きな恋人を美味しそうに食べ始めた。
この娘……幸せそうで良いなぁ
「……というか菜由華ちゃん。人の恋を応援してるのに……自分の恋は始まってすらないんだね」
「うっ!!」
森姫ちゃんの言葉のナイフが飛んでくる
「少しは……自分の恋を頑張った方が……良いと思う」
「うう……」
自分の恋……? 果たして、相手もいない私に恋が訪れるのだろうか……
「そ、そうだよね……! 私もいつか良い相手が……」
と、希望を持とうとした私にこんな光景が飛び込んできた
「ほれ香奈、あーん」
「あーん……ふふ、美味しい! 陽多君が食べさせてくれたおかげだね!」
「はは、そう言ってくれると嬉しいぜ」
………もう……もう……!
「やけ食いしてやるうううっ!! そこのリア充達の財布をスッカラカンにしてやるぅ!!」
「お、おいどうした菜由華?」
「落ち着いて、菜由華ちゃん。何でそんなに怒ってるの?」
「あんたらのせいだからあああああ!!」
我を失った私は、目に入った店から食べ物を漁りまくる事にした。
リア充なんて……爆発してしまえ……!
いかん、菜由華ってこんなキャラじゃない筈なのに……。
完全に作者の手から離れて動いてるよこの娘……




