平和な朝?
陽多side
香奈とのデートを約束した次の日。
俺は目覚ましが鳴るより早く目を覚ました
「ふわぁ……」
まずは身体を起こして欠伸を一発。そして、俺は同じベッドで未だに寝ている幼馴染みの寝顔を見る
「んぅ……駄目だよ陽多君……。いきなりそんなぁ……駄目だってば……えへへ……」
……どんな夢を見ているのか知らんが俺の名前を呼びながら身体をくねくねさせるのはやめてほしいぜ。
っと、もうそろそろ起こすか
「香奈~、起きろ~」
そう言いながら香奈の身体を軽く揺する
「う~……後二時間……」
「寝すぎだ!」
普段はちゃんと朝早く起きる香奈だが、たまにこういう風になかなか起きない日がある。優等生も完璧じゃないって事だな。
そして、揺すり続けると
「ふわぁ~……おはよう、陽多君……」
「ああ、おはようさん」
ようやく香奈が目を覚ました。そして、起きてすぐに
「陽多君、キスして~」
そう言って目を閉じた状態で唇を前に出してきた
「分かったよ」
「ん……」
俺は香奈に軽くキスをする。
唇を離すと、香奈は嬉しそうな笑顔をこっちに向ける
「よし!目が覚めたよ!」
「はは、それは良かったぜ」
香奈のキスも最初の方は恥ずかしかったが、少しずつ慣れてきた。最近は香奈の身体にも少しは耐性が付いて……
「さて、じゃあ着替えよっかなっと……」
「ぐはっ!?」
香奈が突然服を脱ぎだし、俺はその姿を視界に入れた瞬間、鼻血を噴出しながら倒れた。
すまん、耐性が付いたとか言ったけどまだまだみたいだ
空side
「ふわぁ~、眠い……」
朝食を食べ終え、歯磨きをしたり学校の準備をした俺は欠伸をした。
う~ん……結構遅くまでゲームしてたからなぁ、昨日は放課後に色々あったから遊ぶ時間がなかったからね
「学校、面倒臭いなぁ……」
サボりたい。全力でそう思った。
しかし、そんな事を考えていたら家のインターホンが鳴った。紗季が来たんだろうな
「はーい」
俺は玄関のドアを開けた。そこには予想通り紗季が立っていた
「おはよう空君」
「おはよう……」
笑顔で挨拶をしてくる紗季。そして、いつものように言ってくる
「じゃあ学校行こうか?」
俺もいつも通りに答える
「今日はサボらない?」
「サボらないからね!」
またまたいつも通りに返される
「はぁ……空君、いい加減サボるのは諦めようよ」
「えぇ~?たまには良いと思うけどなぁ」
「私が許しても香奈ちゃんが許さないと思うよ」
確かに……香奈は真面目だからなぁ
「じゃあ何とか香奈を納得させる言い訳を考えないとね」
「かなり難しいと思うけど……」
難しくてもやるんだ!やらないといけないんだから!
「もう、早く行こうよ空君」
「待って!もう少ししたら良い言い訳が……!」
「浮かばないよ、空君の頭じゃ」
「酷い!?」
紗季に笑顔で言われて、俺は肩を落としながら学校に行くことになるのだった。
その後、途中で合流した陽多と香奈に心配されてしまったのは言うまでもない。
俺的には鼻にティッシュを詰め込んでた陽多の方が心配だったけどね
賢也side
ピピピピッ!!
目覚ましが鳴り、俺は目を開く。
もう朝か……さて、それじゃ……
「……寝るか」
俺は目覚ましを止めて再び目を閉じた。二度寝って良いよな、凄く心地良い。
しかし、俺はこの時に目を覚ましておくべきだったんだ。
「……君」
声をかけられている気がする。待て、もう少し寝かせて……
「……なさい。賢也君?」
ん?この声、聞き覚えが……
「早く起きなさい、遅刻するわよ?賢也君」
「……優里……?」
目を開いて隣を見ると、優里が何故か俺のすぐ横にいた
「ようやく起きたのね、おはよう」
「おはよう……ってどうしてお前が俺のベッドにいるんだよ!?」
なに食わぬ顔で俺のベッドに座っている優里。何だ?何でここにいるんだこいつは?
「あら、忘れてしまったの?昨日はあんなに激しかったのに」
「は……?」
昨日?激しい?何を言ってるんだ?
「貴方、いつもは冷静なのに夜になると意外と激しくなるのね……ふふ、ちょっと驚いたわ」
「はああああっ!?」
待て待て待て待て!!何の話だ!?昨日はいつも通りに一人で寝たはずだぞ!?優里を連れ込んだりはしてないぞ!絶対!
「おい!一体何の話をしてるんだお前は!?」
「あら、私の口から言わせるつもり?」
優里は顔を赤くしながら笑う。
え?嘘だろ?嘘だよな?
「お、俺……マジで……?」
「マジで何よ?貴方自信の口から言ってみなさい?」
ゆ、優里と一緒に……
「一線……越えちまった……のか?」
俺が聞くと、優里はとても嬉しそうに微笑み、言った
「そんなわけないでしょ。頭大丈夫?」
「嘘かよこの野郎!」
一気に力が抜けた。
くそっ!こいつ、騙しやがったな!
「大体、貴方も私も服着てるじゃない。おかしいと思わなかった?」
「こっちはそれどころじゃなかったっつーの!」
「それにしてもあんなに動揺するなんてねぇ」
優里はニヤニヤしながらこっちを見る。こ、こいつめ……
「ま、一線を越えるのはもう少し先にしましょうね」
「ふん、別に嫌なら越えなくても良いんじゃないのか?」
「あらあら、拗ねちゃった?でも安心して。私が貴方を嫌いになる事は絶対に無いわ」
「………」
ったく、急に真面目な顔で話すなよ……
「さてと、早く着替えて頂戴。学校に遅れるわよ」
時計を見ると、いつもより大幅に時間が遅れていた
「って、お前何で家にいるんだよ?」
「だっていつもは貴方が迎えに来てくれるのに、今日は来ないんだもの。心配になって来てみたらまだ寝てるっていうじゃない。だからちょっとイタズラしてみたのよ」
そういう事かよ……というか母さんも起こしてくれても良いのに……
「おばさんも私がイタズラするって言ったらやって良いって言ってくれたわよ?」
「母さんも共犯か!」
何だか頭が痛くなってきたぞ……
「じゃ、私は賢也君が着替えるのを待ってるわね」
そう言って、優里は俺の部屋から出ていった
「はぁ……何か疲れたぞ……」
俺はため息を吐いてから着替え始めた。
くそ、この疲れは学校の居眠りで取ってやる




