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囮大作戦!

陽多side


瑠美が作戦の説明を開始しようとするとさっきまで逃げ回っていた童顔の少年が近づいてきた


「おっ、もしかしてこの人達がさっき言ってた協力してくれる先輩達か暁?」


「うん、そうよ」


「へぇ~……あっと、失礼。オレは原中玉樹って言います。どうぞよろしくっす」


俺達に頭を軽く下げながら少年……原中は名乗った。

そして俺達も原中に簡単に自己紹介をした


「にしても……先輩達もレベル高いですね~!可愛い娘ばっかりじゃないっすか!」


「あんたはそればっかりよね」


原中の様子を見て、瑠美はため息をついた。普段から慣れてるんだろうな


「ありがとう。でも私、もう彼氏がいるんだよね……」


「ごめんなさい、私もいるのよ」


「あー……やっぱり組谷先輩達が先に手を出してたかぁ……」


香奈と優里の反応は、原中も予想してたようだな


「じゃあ種宮先輩も?」


「わ、私はいないけど……」


そう言いながら紗季はチラッと空を見る


「ん?どうしたの紗季?」


「……何でもないよ」


空の反応に紗季は大きなため息をついた


「なるほど……大体の事情は分かったぜ。つまり先輩達は攻略不可能、と」


原中は納得した様に頷いた。初対面の女子に手を出そうとする辺り、なかなか欲に忠実なやつかもしれないな。気が合いそうだ


「ところで、瑠美ちゃんの作戦って?」


「あー、それはですね」


と、瑠美が言う前に


「嫌だ!オレは反対だぞ!」


原中が首を振って断固拒否する。

おいおい、一体どんな作戦を考えてきやがったんだ?


「もう、私はただタマにちょっと囮になってもらいたいだけなのに」


「囮?」


ええ、と言って瑠美は説明を続ける


「タマは前にカツアゲの被害にあってお金を取られてますからね。放課後に一人でいればまた連中がやって来るかもしれないでしょ?で、やって来た所を捕まえてやるんですよ」


「なるほど、だから囮って訳ね」


「冗談じゃねえ!また酷ぇ目に合うじゃねえか!」


原中は囮役になるのが嫌であんなに逃げ回ってたんだな


「それって大丈夫なの?原中君が危ないんじゃない?」


「おお……!楓実先輩、心配してくれるんすか……!」


「大丈夫ですよ!絶対に捕まえる為に陽多さん達を呼んだんですからね」


「そっか……陽多君なら大丈夫だよね」


「先輩ぃ!?意見変えるの早くね!?」


一瞬で意見を変えた香奈に抗議の視線を向ける原中


「お願いよタマ。あんたにしかこの作戦は務まらないんだって。私やオレンジ達は連中を追い返しちゃったから狙われる可能性が低いのよ」


ああなるほど。だから今日は瑠美しか来てないのか


「でもよぉ!」


「……はぁ。ま、本当に嫌なら諦めるけどね」


「えっ!?」


あっさりと言った瑠美に、原中は目を丸くする


「その場合、誰か狙われそうな……女の子とかに協力してもらうわ。勿論、絶対に酷い目に合わせないようにするけどね」


「お、女の子にやらせんのかよ?」


「タマが協力してくれないなら仕方ないわ」


「うぐっ……」


どうやら原中にも男のプライドがあるみたいだな。見た目は可愛らしい小学生みたいな顔してるけど


「くそ……くそくそくそぉ!!そんなこと言われたら断れねえじゃねえかよぉ!」


「じゃあやってくれるの?」


「やるよ!やりゃ良いんだろこん畜生め!」


どこか吹っ切れたように原中は言った


「ありがと!大丈夫、あんたには傷一つ負わせないからさ。ね?陽多さん?」


って、そこで俺に振るのかよ!


「組谷先輩……頼みます……」


「ああ、分かってるよ。絶対守ってやるから安心しろ」


「俺達もいるからさ。大丈夫だよ」


「ま、心配すんな」


俺に続いて空と賢也も原中に頼もしい言葉を投げ掛ける。

それを聞いた原中は感動で体を震わせる


「か、かっけぇ……!かっけぇよ先輩達!」


「ふふ、良かったわねタマ。さてと、じゃあ作戦開始と行きましょうか!」


瑠美が宣言し、俺達は生徒会室を出た。


さて、俺達を信用してくれた後輩の為にも、頑張らないとな

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