帰還機能
昼。宿の部屋。薄暗い机の上に、私は一つの石といくつかの硬貨を置いていた。
昼間の騒ぎのあと、荷車の男が言った。
「気分悪いだろ」
そして、手のひらに小粒の黒石と硬貨をいくつか差し出してきた。
「今日はここまでだ」
その瞬間、私の手の中には、小さな黒石と硬貨があった。
昼間、通りで化け物が倒されるのを見たときに、地面に落ちていた石だ。表面は滑らかで、鈍く光っている。まるで磨かれた宝石のようだ。
私は椅子に座り、じっとその黒石を見つめる。
ポケットからスマホを取り出す。もちろん電源は入らない。バッテリーも切れている。
「……当たり前か」
小さく呟き、机の上にスマホを置いた。
そのとき、黒石がわずかに転がり、カツンと小さな音を立ててスマホに触れた。
次の瞬間――
「……え?」
画面が一瞬だけ光った。心臓が早くなる。もう一度、そっと黒石をスマホに触れさせる。
電源マークが表示され、バッテリー残量は1%。
ここは電気もない世界なのに。黒石が、わずかに電力を生み出している。
私はゆっくりと黒石を見つめた。
ただの換金アイテムではない。これは――エネルギーだ。
もしこれが本当なら、黒石さえあれば、この世界で電気を使える。
私はポケットの中の指輪を握りしめた。指輪には、前からあった【帰還機能】の表示が浮かんでいる。
【帰還機能】
充電中
現在:26%
帰還可能まで
残り 約5日
黒石を指輪に近づけると、わずかに温かさを感じ、数字が変化した。
【帰還機能】
充電中
現在:32%
帰還可能まで
残り 約4日
思わず息を止める。残り5日で26%だったのに、黒石を吸収させることで、指輪が少しずつ力を蓄えている――。
私は黒石を握りしめ、ゆっくりと息を吐いた。指輪の表示を見つめながら、考えが頭の中でぐるぐる回る。
(……これがあれば、もしかしたら……)
もし黒石をたくさん集められれば……帰れる日も早まるかもしれない。
私はそう考えると、自然と背筋が少し伸びた。
怖いけれど、諦めるわけにはいかない。
部屋の窓の外では、夜の街が静かにざわめいている。遠くで化け物の叫び声や銃声が響く。この世界では、それが日常なのだ。
私は黒石と硬貨をポケットにしまい、指輪の表示をもう一度確認した。
【帰還機能】
充電中
現在:33%
帰還可能まで
残り 約4日
表示が少し進んでいる――黒石の力が確かに反映されているのだ。
「……よし」
小さく呟き、私はベッドから立ち上がった。
帰還への時間はまだある。
でも、生き延びるためには行動するしかない。
明日からは、もっと黒石を集める。安全なルートを探し、危険を避けながら――少しずつ、確実に。
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【プロフィール】
名前:ユウ
状態:正常
年齢:20
体力:E
筋力:E
敏捷:E
耐久:E
身体能力:低
特技:なし
機能:危険感知(※昼間、指輪の締め付けで初めて発動を確認)
世界番号:532(適応中 18%)
適当に書いているので、変なところあったら教えてください




