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荷物持ち!

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翌日。

私はクロノ町の外壁の近くを歩いていた。高い石壁の前には広い空き地があり、ハンターたちは出発の準備に追われている。剣を研ぐ音、銃の弾を確認する音、荷物を背負う音――町の外へ向かう前の忙しさが、あたりに静かな活気を生んでいた。


壁の外には森が広がっている。化け物が出る場所だ。昨日、私はそこで初めて黒石を手に入れた。あの感触はまだ手の中に残っている。


私はその横を通り過ぎようとしたとき、指輪が締まった。ぎゅっ――。


驚いて手を見る。銀色の指輪が、突然、わずかに圧力をかけている。何で締まるのか――理由はわからない。昨日のこととは関係があるのか、ないのかもわからない。ただ、手首に変な感覚が走った。


周囲を見回すと、人が何人かいる。商人、ハンター、荷物を運ぶ労働者……その中の一人、若い男が目に入った。荷物袋を背負い、顔は青ざめ、額には汗が流れている。


指輪が再びぎゅっと締まった。思わず息を呑む。


(……この人に反応してるのか?)


ゆっくり近づき、声をかける。


「大丈夫ですか?」


男は驚き、困ったように笑った。


「いや、ちょっと寝不足でさ……」


しかしその瞬間、男の手が震え、顔が歪む。指輪が強く締まり、ぎゅう、と皮膚に圧力がかかる。腕が膨らみ、皮膚が裂け、爪が伸び、顔が歪む。


「やべえ……!逃げろ!」


周囲の人々も慌てる中、私は近くの荷車に目をやり、立てかけてあった木の棒を掴んだ。腕だけが異常に変形している状態で棒を振り下ろす。


ゴンッ、ドン――。化け物はその場に倒れ、動かない。数秒後、体は皮膚がひび割れ、灰のように崩れ、風に舞う塵のように消えていった。


地面に残ったのは、拳ほどの小さな黒い石だけだった。


私は近づき、それを拾い上げる。

荷車の男はまだ呆然としている。


「……さっきまで普通だったのに」


通りには沈黙だけが残った。私は手の中の黒石を握りしめ、静かに息を整えた。

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