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お前 うまそう

これでストックなくなったぜ 「3日目?」

ギルドの石造りの建物にたどり着くと、入り口から冒険者たちのざわめきや紙の音が漏れてくる。中に入ると、受付前には数名の冒険者が書類を手に待っていた。やはり、アイル以外の受付嬢のところは混雑しており、声が飛び交う中で相談する雰囲気ではない。


しかし、アイルのいる受付だけは、なぜか人影がない。ちょこんと座って、手元の書類をめくる小さな姿が目に入った。


「……あ、いた」


私はリリィの手を握りながら、そっと近づく。アイルは私に気づくと、ちらちらとこちらを見て、少しそわそわしている。


「……あら、さっきぶりね。まあ、また来たの?」


その言葉に、私は肩をすくめながら答える。


「はい……ちょっと相談があって」


リリィは私の横で、突然目を輝かせた。


「わぁ! あひる!! おいしそう!!」


小さなリリィは口を大きく開け、ちょんとアイルの頭に噛みつこうとする素振りを見せた。その様子があまりにも無邪気で、思わず私は笑いそうになり、顔がほころんでしまった。


「ちょ、ちょっとやめなさいよ!!!」


アイルはびっくりして体をのけぞらせる。小さな体なのに、その声は思いのほか大きく、受付全体に響き渡った。


「この小娘! 何考えてるのよ!? あたいのことをなんだと思ってるのよ!!」


リリィは興奮して小さな体を揺らし、アイルを見上げている。


「お、おいしそう……って……まあ、そうだけど……」


私は思わず笑いがこみ上げ、吹き出しそうになったが、間一髪で抑えた。


リリィはまた頭からアイルにかぶりつこうと身を乗り出す。私はそっとリリィの手を握って引き、やさしく体を制して落ち着かせようとした。


「だめだめ、噛んじゃダメだよ!」


「……あひる……じゅるり………」


アイルは少し息を整え、両手を広げて制止する。


「もう……なんで子供ってやつは、こちらの神経を試すのかしら……」


私はリリィを優しく抱き寄せ、肩を軽く揺すりながら微笑む。リリィも徐々に落ち着き、まだ好奇心は残しているものの、口を閉じてじっとアイルを見つめる。


私は頭をかきながら謝る。


「ご、ごめん…]


アイルはちらりと私を見ると、眉をひそめるが、すぐに小さくため息をつき、肩をすくめた。


「まったく……しょうがないわね。それにしても、どこからこの子を連れてきたの? 誘拐じゃないでしょうね??」


私はリリィの小さな手を握り返し、少し苦笑いしながら説明する。


「その……宿のルミナに向かっていた途中で、この子が迷子になって泣いていて、両親も見かけなかったんです。どうしようか困っていたら、この街に来たばかりで頼れる人がいなくて……。そのとき、アイルさんの顔が思い浮かんで、相談しに来たんです」


アイルは少し驚き、言葉を詰まらせる。


「え……あたし、そんなに頼りに見えるかしら……」


アイルはてれながら、からだをくねくねさせてそう言った。


その声に、ようやくリリィも口を閉じ、私の服をぎゅっと握ったままじっとこちらを見る。小さな瞳には、不安と好奇心が入り混じっているのがわかる。


私はリリィの頭をそっと撫で、軽く微笑む。


「大丈夫だよ、アイルさんが相談に乗ってくれるから」


アイルは照れた顔をさらに赤くし、少し視線を逸らしながらも、優しくため息をつく。


「ま、まあ……そうね。仕方ないわね。まずは、どういう状況か詳しく聞かせなさいよ」


私はリリィの手を握り直し、安心させるように小さく頷いた。


受付カウンターの向こうで、アイルが書類を広げる。その小さな体からは想像もつかないほどの手際の良さで、書類を確認しながら私たちに指示を出してくる。リリィも徐々に落ち着き、好奇心と緊張が入り混じった表情でカウンターを見つめている。


私は心の中で、今日のこの街での最初の冒険――リリィの安全確保と、ギルドでの手続き――が、思った以上に難航しそうだと覚悟した。だが、アイルの存在があるだけで、少しだけ心が軽くなるのを感じていた。

アイル「ちょっと!!あたしの美しい羽根がよだれでびちゃびちゃになっちゃったじゃない!!!」

リリィ「食べちゃダメ?」

ユウ「今はだめだ」

リリィ「後で食べる!!!」

アイル「ちょ、ちょっと!! あたしのどこが食べ物なのよ!! ユウ! あんたまであたしの体を狙ってるの!? きゃああ!! へんたい!!」


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