第8話 レベルとステータス
少し長くなりました。
「《エレキショック》!」
バチバチと音を立て、電流がプチウサを仕留める。
もう何度か倒してるけどやっぱり罪悪感がある...
ちゃんとお祈りしておこう。
《レベルアップ 1→2 》
《雷魔法レベルアップ 1→2》
《SPを合計5獲得しました。現在SP10》
「あ、レベルアップした!」
パーンという効果音とともにレベルアップを知らせるウィンドウが視界の端の方に出てきた。
同時に雷魔法のレベルも上がったみたい。
SPも合計5増えた、このSPを使ってスキルを得たりできるって案内役は言ってたけど、どんなスキルがあるのかはまだ確認してなかった。
「よーし!街に戻ったらこれも確認してみよう!」
...その前にアイテム回収とプチウサのお祈り...
街に帰ってきました!
広場近くのベンチに座ってSPの項目を見てみよう。
えーとなになに...?
今取得できるスキルは...
《剣術》《槍術》《盾術》etc...
うん、この量調べるだけでも大変なのでは...?
とりあえずパーッと見て気になったのがあったら見てみよう。
そうしてリストを見ているとこれらのスキルを見つけた。
《筋力強化》《魔力強化》《器用さ強化》etc...
これらのスキルを取得するとそれぞれの項目で強くなるみたい。
繰り返し取得できて、《筋力強化》を取れば筋力が、《魔力強化》なら魔力が向上するらしい。
魔力を強化すると魔法の威力が上がるのかな?でもMPも増えそう?
強化系のスキルはそれぞれ2SPで取得できる。
うーむ悩む...どれか取得してもいいけど...
...
.....
よし!先に武器を見に行こう!もしかしたら筋力不足で持てない!とかあるかもしれない。
では出発!...とりあえず屋台のおじさんにどこにあるのか聞いてみよう。
広場のある場所から東に進んだところにある、武具屋カイデンというお店を教えてもらい、やってきた。
お店の前には全身鎧を着込んだマネキンや、樽に雑多に詰まった剣が置いてある。
これも売り物?
扉を開けて中に入ると、お店には壁いっぱいに武器がかけられていて、ショーケースも置いてある。
高いものはショーケースなのかな?
そしてカウンターにはスキンヘッドで髭を蓄えたおじさんがナイフを磨いていた。
「ん?らっしゃい、何が入り用だ?」
「あ、武器が欲しくて...」
「だろうな」
...うん、いいね!武器職人って感じ!
ちょっとテンション上がる!
「んで、どんな武器がいいんだ?剣か、槍か、杖もある。」
「でっかいのがいいです」
「...なんだって?」
「大斧とかハンマーとか重厚なのがいいです!」
すごい呆れた顔されてる!
でもしょうがない、ロマンだから!
「おめぇそんなの使えんのか?持つだけじゃダメなんだぞ?...ほれ、その壁にかかってるやつ持ってみろ。」
そう言いながら指さした先にあったのは壁にかけられた大斧。
すぐ横に恐らくこの斧の説明が書いてある。
ーーーーーーーーーー
バトルアックス
重量:重
斬撃属性
攻撃力23
戦闘用に大型化した斧。
重く厚い刃は容易く敵を断つ。
扱えればの話だが
900sl
ーーーーーーーーーー
ほうほう...
ところで横にあるショートソードくんは?
ーーーーーーーーーー
ショートソード
重量:軽
斬撃属性
攻撃力6
鉄製の一般的なショートソード。
汎用的で取り回しがしやすいので初心者におすすめ。
600sl
ーーーーーーーーーー
なるほどなるほど?
うん、バトルアックスくんがいいな。
「それじゃ持ってみますね」
両手で柄をつかみ、そのまま上に持ち上げようとする。
「んぐぐぐぐ...!」
...持ち上がらない!
「ほれみろ、持てねぇじゃねぇか!諦めて軽い武器にするんだな。」
「ぬぐぐぐ...まだです!」
急いでステータスのSPページを開く、そして勢いのまま!
《《筋力強化》を取得しました。》
「これでどうだ!」
「ん?」
ググッと少し浮いた
でもまだ...!
《《筋力強化》を取得しました。2段階目》
立てかけていたスタンドから外すことが出来た!
でも持ち上げられない!
「お、おい」
《《筋力強化》を取得しました。3段階目》
何とか持ち上がった!
でもこれじゃフラフラで戦うなんてできない!
まだだ!
《《筋力強化》を取得しました。4段階目》
しっかり立って斧を両手で持つ。
これなら歩いても大丈夫、でも振るには足りない!
《《筋力強化》を取得しました。5段階目》
「まじかよお前...」
「ふっふっふ...やってやりました!」
能力強化は1つ2SP、それを5回で10SP、そして私の所持SPは10SPだった。
...後悔はない。
「これください!900slですよね?」
「あ、あぁ...はぁ...全く、信じらんねぇ奴だ。」
おじさんに900slを差し出す。
これで残り85sl...
早いところ冒険者ギルドに行って依頼とか受けよう。
「お前名前は?」
「名前?オータムです。」
「そうか、オータムお前その斧をどうやって持っていく気なんだ?背負うためのもんはあるが、その翼じゃ無理だろ。」
「あー...どうしましょう?」
インベントリに仕舞えば持ち運びはできるけど、戦闘の度にインベントリから出すのは手間すぎる。
「おめぇなぁ...はぁ仕方ねぇ、ほれ」
そういうとカイデンさんは腕輪のようなものを渡してくる。
「これは?」
「ウェポンラックってもんだ」
「ウェポンラック?」
それは壁にかけてあるやつとかじゃなくて?
「それは1本だけ武器をそこにしまうことが出来る、まぁ限定的なマジックバックみたいなもんだ。さすがに背負ってる方が取り出すのが早いから、本来は1本は背負って、予備とかサブウェポン用なんだがな。」
「それってお高いのでは?」
「そうでもねぇ、安くは無いがな...500slだ」
...おっと?
インベントリを覗く
えー残金85sl。
「すみませんお金足りないんですけど...」
「あぁ、ツケでいい。今度来た時に払え。」
「ありがとうございます!」
手渡された腕輪を装着し、斧をしまうと念じる。
シュンっと音を立ててバトルアックスくんは私の手から消える。
「無事にできたみてぇだな」
「ほんとにありがとうございます!!お金稼いできます!!!」
「おう、また来い。」
お店を出てそれを見ると夕暮れ時だった。
あれ、そういえば...メニューから時計を見る。
「もうお昼じゃん!一旦ご飯食べに行かなきゃ」
時間が経つの早いなぁ...よし!お昼食べたら冒険者ギルドだ!
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