第66話 新しい防具
フウマさんと別れて、私はまた森に来ていた。
今回の目的は冒険者ギルドの依頼をこなして報酬を貰うこと。
フウマさんはお金気にしないでいいって言ってたけど、他にも準備にお金がかかりそうだからとりあえずお金を稼がないといけない。
「てぇい!!」
「ギャウ!?」
まだ日が昇ってない暗い森の中、もう慣れた動きでレッサーウルフをなぎ倒す。
レッサーウルフの依頼は、最低討伐数が設定されていて、少なくとも5体は倒してきてね!となっているけれど、余分に倒せば倒すほど報酬も増えるから積極的に戦っていく。
討伐のためにに森に来たけど、ついでに薬草もちょっと集めた。
早めにお昼ご飯を食べてすぐログインして、防具の依頼をして、それからずっと森で戦って現在時刻は現実で15時、ゲーム内だと朝日が昇ってきたくらい。
今回の戦果としてレベルが13に上がって《雷魔法》がLv8、《斧術》がLv5、《体術》がLv4に上がって、SPが11増えて58になった。
とまぁそんなところでフレンドチャットに通知がやってきた。
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フウマ
出来たぞ
また広場にいるから取りに来い
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「早っ!?早くない!?」
「ブルッ?」
今日中って言ってたから夜とかになるのかと思ってたのに...まだ3時間くらいしか経ってない...
「と、とりあえず急いで帰ろう!イング、お願い!」
もう広場で待ってるみたいだし、急いで帰ろう!
...
.....
イング達をギルドに預けて急いで広場に向かう。
広場に入って隅の方を見やると、またさっきと同じようにござの上に座って依頼募集中の看板を持っている黒フードが見えた。
「お待たせしました!」
「いや、そんなに待ってない...それよりこれだ」
フウマさんから手渡されたのライトブラウンのような色の同鎧、アームカバー、すね当て、ブーツの4つ。
「ほら、つけてみてくれ、インベントリに入れればメニューから着替えられるからな」
言われたとおりにインベントリにしまい、装備メニューから装備してみる。
「おぉ〜...お?」
装備すると瞬時に私の服装が変わって、結構ぴっちりした皮の鎧になった。
当然のごとくかっぴらいた背中と何故か鎧がなく、黒いスポーツ用のピッチピチの黒インナーみたいなのが丸見えになったお腹を除いて。
アームカバーは肘から手首までを保護して、手はインナーと同じように黒い生地で手袋を付けているふうになっていた。
下半身はと言うとまた黒いスポーツ用のパンツのようなものを身につけていて、それを隠すようにスカート、それにすね当てとブーツだ。
「あ...あの...背中開いてるのは翼があるからわかるんですけど...なんでお腹開けたんですか...?」
「ん?もちろん、動きやすさのためだ。オータムは結構体を捻ったりもするだろう?」
「それはそうなんですけど...」
「あとそっちの方が可愛いからだ」
「そっちの方がウェイト多かったりしません...?」
あっ、そっぽ向いた!
この人結構欲に忠実だぞ!!
「それにスカート...私空飛んだりするんですが...それに...」
「お前の性別云々は知っている、1部界隈で話題になったからな」
「え゛っ?」
私の情報そんなに流れてるの...?
うそでしょ...?
「今どき、男が女アバターを使うことも珍しくないし、それでケツを出すこともよくある。大丈夫だ、それにあのパンツはスポーツ用みたいなものだ...マラソンランナーのすごい短いズボンみたいなもんだ」
「すっごい早口」
今までの寡黙でクールぶった態度どこに行ったの?ってくらいの饒舌で説明してくる...
「あとこれが買取のお釣り、こっちで用意した素材分は引いてある」
「あっはい」
「じゃ、また新しく作りたくなったら来てくれ、ではな」
「あっ!ちょっと!」
文句を言う前にお金を押付けてログアウトで逃げられた...
...過激すぎるってほどではなかったから通報はしないでおいた。
次回、準備の仕上げ
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