第64話 平日のお昼
朝です!おはようございます!
いつもなら朝ごはんを食べる前にお散歩に行くんだけど、今日は買い物にも行かなきゃいけないから、先に朝ごはんを食べて、掃除と洗濯を済ませて、出かける準備も整えて...ふう、両親が入ればもっと楽なんだけど...
今日...というよりここ数日は私一人で暮らしているけど、本来この家は両親と私の3人で暮らしている家だ。
じゃあなぜ何日も両親が居ないのかと言うと、親戚...まぁ従兄弟が2人目の子供を出産するにあたり、幼い1人目の子供の面倒を見るために母親の生家に行っていて、その間私はつかの間の一人暮らし体験という訳だ。
...ちなみに「うちの子が一番かわいい」とは従兄弟の子供を見たあとの母親の言葉だ。
親バカ。
...
.....
買い物を終えて帰宅。
近所のよく行くスーパーに行ったけど、まだ品出しが途中なのか何なのか商品が少なく、数日分の食料は用意できなかった。
明日と明後日分くらいはあるけど、また買いに行かないと...
時刻は10時30分過ぎ、ゲーム内だとすっかり夜だ。
うーん...今から行ってお昼で帰ってきてってするなら、早めのお昼ご飯を食べてから行こうかな?
というわけでお昼の準備〜っと
...
.....
少し慣れてきた浮遊感と、それから開放される時の体の制御が戻ってくるような感覚。
さて、ログインしたんなんだけど、昨日の夜考えたけど
やっぱり防具を更新した方がいいと思うから、生産の人を探してどんな感じか話を聞いてみようと思う。
...平日のお昼にいるかな?
普段生産の依頼を募集してる生産専門の人が多い広場にやってきた。
広場はお昼時にも関わらず、たくさんの人が居て、それぞれベンチで座って休憩してたり、噴水で待ち合わせしていたり各々で落ち着いたひとときを過ごしている。
そんな中の一角に異質な人物がいた。
広場の隅っこでござのようなものを広げて、リンと初めて会った時に持っていたような看板を持っている。
『布、革製品作ります。』
『素材持ち込み歓迎、買取もします。』
うん、探してた感じの生産系プレイヤーさんだ。
でも見た目が...裁縫とかじゃなくて...
「占い師?」
黒いローブに黒いフードで目元まで隠して顔は口元しか見えない。
占い師か悪の魔術師か...どっちかみたいな格好をしている...
多分...男の人...?
体格が細めな上にローブを着てるからよく分からない。
「服は趣味だから気にするな」
「あっはい...」
「...冷やかしか?」
「あ、いや!えっと...防具を作ってくれる人を探していて...」
なんだか有無を言わさぬ雰囲気のある声でちょっと緊張する...
「...この服は俺が作った、これと同等のクオリティで構わないなら俺が作ろう」
するとローブさん(仮)は立ち上がってローブをよく見せてくれた。
黒と濃い紫のシンプルなローブ...あれ?
「あ、よく見るとお花の刺繍がたくさん...」
黒い布に同じく黒い糸でお花がたくさん刺繍されていた。
次回、デザイン
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