第1話 まずは自分語り...トイレでね
初めまして、そらまめまんです。
小説を書くのは初めてなので暖かい目で見ていただけるとありがたいです。
また、誤字や言葉の誤用などがありましたらごめんなさい。
「ついに...ついにこの時が来た!!」
高校1年からバイトを続け、3年間ために貯めたお金!!
これを使う時が!!!
...その間お金を使わなかったのかって?
まぁ実家暮らしだし、高校の学費は両親が出してくれたし、ほとんどバイトに行ってたから友達は居ないが金を使うこともなかった。
何故ここまで全力でお金を集めるのか?
そう、全ては高校1年時に見たこのニュースが始まりだった...
『ついに実現!フルダイブVR機器が完成したと発表がありました!』
それはもう世界も私も大騒ぎだった。
だが現実は甘くない。
VR機器はまず医療関係に使われた、トラウマを抱える患者のリハビリ、怪我で長い間体を動かせなかった人が動かし方を思い出すためのリハビリ、更には目の不自由な人達にVRを通して家族との生活が送れるようにハーフダイブという映像のみ脳内に送り、体の操作はそのまま出来るという技術まで開発された。
そして当然ではあるがゲームにその技術が回ってくるまではなかなかに時間がかかった。
フルダイブ技術が発表されたのが高校1年時、その後たっぷり1年まるまる経った2年時にようやくフルダイブVRゲームが発表された。
しかしまだ、現実は厳しかった...。
まずVR機器が数十万円する。
当然と言っては当然だけどめちゃくちゃ高い。
更にはそれを手に入れようとする人間も当然多くお金が用意出来ればいいという訳でもなかった。
当然高校生の私にそんなものを手に入れる手段もお金もない...両親にねだったところ、笑顔で断られた。
というわけで高校まるまる全部バイトに使ってお金を貯め、高校を卒業し大学に入学する間の1ヶ月の春休み、ついにVR機器とさらに新作VRMMOを手に入れることが出来た!
「さて...」
大学入学のために始めた一人暮らしの部屋にベッドと机、テレビにローテーブル...そしてベッドの上にフルフェイスのヘルメットのようなものが置かれていた。
「既にゲームはインストール済み、サービス開始時間は後10分後...今のうちに水飲んで...トイレも行かないと」
プレイするゲームは『異現幻想記online』というオープンワールドのVRMMOゲームだ。
...他に言うことは無いのか?
前評判的にめちゃくちゃ期待されてるみたいだね
...他にも?
知らない...
実は楽しみなものは情報を全カットして待つ派なので完全シャットアウトした。
だからこの後どんなプレイをするとか、そもそもシステムも知らない。
でもいいんだ、人生って...予め決めたりできないものじゃん?
...ん?
あ、自己紹介を忘れてた。
今更ながら紹介させてもらおう。
私は天宮 暁
誕生日は2月7日
身長176cmで体型は多分普通。
私とは言うがれっきとした18歳男子だ。
元々は僕と言っていたんだけど、だんだん恥ずかしくなってきて、変えようと思ったけどいきなり家族の前で俺とか言い出したら余計恥ずかしくて...
そこで思いついたのが進学作戦。
進学するのに面接などで私と言うから、その練習と称し日常でも私を使い始めた、ただそれだけだ。
「ふぅ...興奮を収めようとしたとはいえ、トイレで一人語りはちょっとやばいかもしれない...」
時計を見るともう後2分で時間だ。
あとはゲームを起動して待つとしよう。
ヘルメット型機器を被りベッドに寝転んで...春とはいえちょっと冷えるからお布団をかけてっと...
ちょうど耳あたりにあるスイッチを押し、起動すると機器から音声が流れた。
『起動します。リラックスした姿勢をとって、目を閉じてください。』
「...ふぅ、いよいよだ」
深呼吸をして覚悟を決め、力を抜きつつ目を閉じた。
次回、キャラメイク