表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

言の葉(短編小説)「問い合わせ」

作者: 柚木紗奈

今ここは、あの世なのか?この世なのか?

全く分からない時間を過ごしている。

目の前には椅子と机だけがあり、窓もなければドアもない。

ただ、記憶の中には……おれは生きていない。


だが、真っ暗な部屋の中、何日かをすごしていると思う。


時がなく真っ暗すぎて朝なのか昼なのか?日にちはすぎたのか?全て分からないと言う状況は分かる。


出してくれと叫んでも誰も反応してくれず。

俺の頭はどんどんイカれていく。



「何なんだ……何で……」


理解できない頭が、理解できない答えを出そうとする。


ある日。初めて足音を聞く。

「おい!……おい!」

おれは、必死に部屋の中で叫ぶ。


(問い合わせの時間です。)


子供の声?


「問い合わせ?」


(今の、あなたの状況はいかがですか?)


「は?いや、意味不明だろ!ここから出せよ!」


子供相手とわかると大人は口が悪くなる。脅せば出られると思ってしまう。子供は大人に従うものだから。


(それが答えですか?)


その声は、大人の自分をもゾクッとさせる声だった


「あ?あぁ。」

(あなたの罪は、脳にあるようですね?弱いものは上に従うべし。常に子供、女性を口と暴力で抑え命をも奪う。光から暗闇へ落とした人数分かりますか?)


「そんなの分かるわけないだろ!」


(それが答えですか?)



まただ。また、この言い方、この声。


「答えってなんだ!いいからここから出せ!ださねえと。。。」


突然体が動かなくなる。


「なっなにした?」


(この部屋は、問い合わせの部屋。あなたの心は、何日何時間何年かけても治らないと判断しました。人とは、生き物全てを平等に育て、育てられ、共に生きることが出来る、唯一の生き物。それを、無駄に生きたあなた。残念です。)


その声を最後に意識を失った。


目が覚めると……人ではなくなった。


そして、気づく。


あの声は……オレダ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ