第六話
六話になります!
よろしくお願いいたします!
「えっ?」
「泊めてほしいの。実をいうと、まーちゃんの家に泊めてもらうつもりで遊びに来た」
卒爾、語りだした。
「ねっ?お願い。サービスたくさんしてあげるから」
コーヒーを噴出しそうになった。
ぺーちゃんがそういった事を口上するとは思わなかった。
「まーちゃんは嫌?」
「そんな事ないよ。泊める事は差し支えないけど、服とかは?」
「もちろん、まーちゃんの服を着るよ」
「それは厳しいかな」
「昔よくやってたじゃん。私がまーちゃんの家に泊まりに行ったら、まーちゃんのパジャマを着て、
逆も然り」
微笑みながら、カフェオレを口にする。
「大人になって、あの時と同じようにやってみようという事です」
したり顔になった。
こうなっては相違なく止められないので、僕は観念した。
「いいよ。僕は大丈夫」
「んじゃ、決定ね」
その後は買い物して、夕飯までの時間を潰した。
今日は久しぶりに再会したので、焼き肉食べ放題に行って、肉をたらふく食べて
アパートへとぺーちゃんを案内した。
「へぇー広いね」
「一人暮らしするのには本当に御の字だよ」
「ね、早速お風呂場借りていい?」
「いいよ。今からお湯入れてくる」
「お風呂上りのパーティ楽しみだね」
「ぺーちゃんお菓子ふんだんに買ったからね」
「こういうときは楽しまないと」
細くて長い綺麗な指でピースした。
ぺーちゃんがお風呂に入っている間、僕はソファーに腰掛けた。
「ずいぶん楽しそうね」
起きてほしくない事が起きてしまった。
声の主は僕の首に手をまわして、密着してくる。
「私といるときは、今日みたいに楽しそうにしていないのに、あの子とは懸隔が
あるじゃないの。悲しいわ」
そう口にしているものの、くすくすとしているのが判然としている。
「まぁ確かに、私のほうも貴方に怖い思いをさせた事もあるし、ましてやあの子の場合は
久方ぶりにあった事もあるし、よんどころないのは事実ね」
このまま何事もなく、事が収まってくれと強く願う。
「今日の事は諒恕してあげる。ただし、次からは私ともっとちゃんと向き合ってね」
フーリーさんの気配は消えた。良かった。
「まーちゃん、お風呂あがったよ」
ちょうどぺーちゃんがお風呂から出てきた。
濡れた髪と全身から出ている湯気を見てどきっとしてしまう。
「湯加減はどうだった?」
「ばっちし!最高だったよ!」
「良かった。僕も入ってくる」
「まーちゃん、顔色悪そうだけどどうしたの?」
「ううん、何でもないよ」
「まーちゃん」
突然、頬をしっとりとした手で挟まれた。
「まーちゃんって昔から色んな事隠そうとするけど、それが優しいところだって事は理解してる。
だけど、頼るときはちゃんと頼ってね。私とまーちゃんの仲なんだから」
その言葉を耳にした途端、一筋の涙が零れた。
「あれ!?どうしたのまーちゃん!」
「嬉しくてね。ぺーちゃん、本当にありがとう」
僕は今日ぺーちゃんに会えた事を欣幸した。
ありがとうございました!
引き続きよろしくお願いいたします!