第三話
三話になります!
よろしくお願いいたします!
口内に何か生温い物感触がして目が覚めた。
視界に入った存在を見て眠気が須臾で消えた。
そう、フーリーさんだ。
フーリーさんがキスをしながら口内に舌を入れているのだ。
抵抗しようにも力が入らずに出来ない。
「ごめんなさい。起こしてしまったわね」
謝罪はしているが、笑っているため謝意は感じられない。
「貴方の寝顔、とっても愛らしかったわ。眼福とは正にこのことね」
今すぐに逃げ去りたいが、体が脱力している事もあり、よしんば逃げ出せたとしてもすぐに
相違なく捕まってしまうだろう。
「貴方はとても頑張っている。芳しいほどに頑張っている。そんな貴方に私からの贈り物よ」
再び口が重なる。
しかし、今度のそれは恐怖を感じるものではなく、体が癒えていく感じがした。
(なんだこれ…すごく心地いい」
「貴方の疲弊した体は今ので十二分に良くなったわ」
確かに体が軽い。全身のだるさも無くなっている。
「今日も仕事でしょう?これで以前よりもっと良いパフォーマンスを出せるはずよ」
本当に良い気持ちだ。生まれ変わったみたいだ。
「あの、本当にありがとうございます」
「いいえ。どうってことないわ」
この時はフーリーさんに感謝の気持ちを持った。
その日の仕事はいつも以上に良い動きを出せた。
お店の人も驚いてた。
いつもよりもっと業務をこなす事が出来た。
(フーリーさんが何者かはわかりかねるけど、今日の事は感謝するのが至当だな)
お礼に何をするか勘考しながら、帰り道を歩く。
「おかえりなさい」
果然、家にはフーリーさんがいた。
「ただいま。今日はありがとうございます。お礼なんですけど、何か欲しい物はありますか?」
どうしてもお礼をどうするか思いつかなかったので、本人に直談判する事にした。
「いいえ、お気遣いなく」
見返りを求められないのは有り体に言って意外だった。
しかし、それでは僕の気が済まない。
「それでしたら、今度僕のほうでお礼を考えて、それを受け取っていただけますか?」
「いいのかしら?」
「はい。差し支えないです」
「ありがとう。では、それで」
お礼を受け取っていただける事になった。
今回の件は、本当に大助かりだったので、それ相応のお礼はするつもりだ。
ありがとうございました!
引き続きよろしくお願いいたします!