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EP.52



夕方になり、私達生徒会のメンバーは、今度は水着から浴衣に着替え、街で行われている夏祭りに繰り出していた。


キティはクラウス達の浴衣ショットを根性で脳内スクショするのに忙しそうだ。

スゲーな。

スマホの無いこの世界で、いつの間にそんな技を会得したのか。

正に根性っ!そして努力っ!

どんな状況下でも推しのスクショは諦めないっ!

もう、一周回ってカッコいいぜ、キティッ!



ややしてキティは満足したのか、ふぃーっと額の汗を腕で拭いつつ、良い仕事した感を醸し出していた。


どうやらひとごちついたらしく、笑顔で隣の私にポソっと呟く。


「ねぇ、これって、アプリ版の夏イベじゃない?」


言いながら、笑顔がピクピク引き攣っている。


「ね〜、だよねぇ」


私も笑顔で答える。

私完全プロデュースだがなぁっ!



そして目の前には、縁日の屋台……。


「やっぱ、赤髪の魔女様って転生者じゃね?」


笑顔を引き攣らせたままのキティ。


「だから〜気にし過ぎだって」


曇りの無い笑顔で答える私。


「きさ〜ま、はぐらかすにも限度ってもんがあるわよ?」


ピクピクと、もはや笑顔の口元を痙攣させるキティ。


「まぁまぁ、あっ、ほら。クラウスがリンゴ飴片手にこっちに来るわよ」


私の言葉に、キティは慌てて口元をむにむにと揉んで、元に戻していた。



「キティ、これ。キティが好きそうだったから」


クラウスから差し出されたリンゴ飴を受け取り、キティはにっこり微笑んだ。


「ありがとうございます。美味しそう」


クラウスはそんなキティを優しく微笑んで見つめる。


…………。

へいへい。

うへぁ。


「ちっ、2人だけの世界かよっ。爆ぜろっ!」


毒吐きながら、2人を置いてスタスタと立ち去る。


ちっ、リア充かよっ!

爆ぜろ爆ぜろ。

思う存分爆ぜやがれ。




祭り会場は、多くの人で賑わっていた。

師匠が夏祭りの正装だと広めたらしく、皆んな浴衣を着ている。


あの人ホント、どこでもやりたい放題だよなぁ。


お陰でこの世界で縁日を楽しめる訳だから、師匠万歳だけどね?



さぁてっ!

早速遊ぶぞっ!

よし、まずは射的!

クックック。

射的のゴ○ゴと言われた私の腕を、この世界でも思う存分発揮してやろうじゃない。


「おっちゃん、一回分お願い!」


射的の屋台で小銭と引き換えに、コルクの玉を5つ受け取る。


さて、どれを狙おうか……。


景品をグルっと見回して、私はハウッと目に星を浮かべた。


な、な、何だアレはっ!

か、可愛いじゃね〜かっ!


1番上の棚の左側に、ワフワフピンクローズのわんこのぬいぐるみ、その隣に、やはりピンクローズのヌコ様のぬいぐるみがっ!


あ、アレを狙わずして、何を狙うと言うのか。

何なんだ、この屋台。

私ホイホイか?

私ホイホイなんだな?


よっしゃ!絶対に獲ってやる!


私は台の上に上半身を屈め、お目当ての景品に銃の標準を合わす。


まずは、あのワフワフわんこから。

迷い無く犬のぬいぐるみを狙っていると、屋台のおっちゃんから微かに動揺が感じ取れた。


ほほう、やはりアレが目玉景品だったか。

そりゃそうだよな。

どっから見てもキティをモデルにしたあの見た目。

目玉景品で無い訳が無いっ!


獲らせて頂きますっ!一切の遠慮無くっ!


パンッパンッと爽快な音が響く。

弾はぬいぐるみの頭部を的確に撃ち抜いた。

よっしゃっ!貰ったっ!

反射的にガッツポーズをとるが、ぬいぐるみは倒れない……。


あんっ?


気を取り直し、もう一度、次は残った弾を全て使ってぬいぐるみを狙う。


パンッパンッパンッ!

爽快な音を立て、弾はぬいぐるみの頭部と胴体に確実に当たった……が。


倒れないっ⁉︎



「いや〜お嬢ちゃん、残念だったね〜」


ニヤニヤ笑う屋台のおっちゃん。


……はぁっ⁈

何ふざけた事言ってんだっ!

間違い無く今の当たったじゃね〜かっ!


「ちょっと!おっちゃんっ!今あれ当たったわよっ!」


おっちゃんに向かって怒鳴ると、おっちゃんは更にニヤニヤ笑っている。


「いやいや嬢ちゃん、倒れないとダメダメ」


「しっぶい商売してんじゃ無いわよっ!

じゃ、もう一回っ!」


ムキになって叫ぶ私の後ろをキティがクラウスと溜息を吐きながら通り過ぎていった……。





ハァハァと肩で息を吐きながら、私は屋台のおっちゃんを睨み上げた。


あれから何度挑戦しても、どうしてもあのぬいぐるみを倒せない。

全弾間違い無く命中しているにも関わらず。


……もう、これはアレだ。

この親父、やってやがる。


フワフワ軽そうかぬいぐるみがこんなに倒れない訳が無いっ!

不正だっ!八百長だっ!

ズルしてやがるーーーっ!



「おっちゃん、ズルしてるわね?」


ギリリッと睨みつけるとあからさまに狼狽え始めるおっちゃん。


やっぱりかーーーっ!

この野郎っ!

絶対許さんっ!

子供相手の商売でアコギな真似しやがる奴は、このシシリア様が、我が愛刀カゲミツで一刀両断に刀の錆にしてやるっ!


ゴゴゴゴゴッと怒りに燃える私に、おっちゃんは慌ててブンブン手を振り、上擦った声を上げた。


「ち、違う違うっ!ズルなんかしてないからっ!

その証拠にホラッあれっ!

あんな大っきいぬいぐるみでも、嬢ちゃんの腕前なら簡単に取れるよっ!

ホントに本当だからっ、騙されたと思ってやってみなよっ!」


何故かもの凄い必死なおっちゃんが指差すぬいぐるみを見て、私はピシッとこめかみに青筋を立てた。


「アレッ!なんと、この国の王太子殿下のぬいぐるみ、エリオットくんっ!

アレなら確実に絶対に取れるから!

ねっ、ねっ、やってみてよ、お嬢ちゃん。

弾もサービスするから、ねっ?」


コルクの弾をバララッと台の上に大盤振舞いするおっちゃんを、既にジト目で見つめつつ、銃の先に弾をセットして、片手でパンッとそのぬいぐるみを撃ち抜く。


額を撃ち抜いた瞬間、ちょっと気分がスッキリしたのは気のせいでは無い筈。


成人男性の上半身くらいの大きさのあるぬいぐるみが、私の一発で事もなげに簡単に後ろに倒れた。


その瞬間、おっちゃんがガランガランガラーンッ!とベルを激しく鳴り響かせる。


「大当たり〜〜っ!おめでと〜うっ!

さぁ、このぬいぐるみはこれでお嬢ちゃんの物だよっ!

一緒に寝たり、おはよう、おやすみのキスをしたり、その胸で抱き潰したりと、遊び方は様々っ!

完全防水だから、一緒にお風呂にも入れるからね〜〜っ」


ニコニコご機嫌なおっちゃんの持つ巨大なぬいぐるみの頭を掴み、私はボソッと呟いた。


「ファイア」


途端に巨大ぬいぐるみはボッと炎に包まれた。


「あ゛あ゛あ゛〜〜〜っ!エリオットく〜〜んっ!!」


悲壮な悲鳴を上げるおっちゃ……いやもう面倒くさいわっ!

エリオットは余程ショックだったらしく、変装が解けている事にも気付いていないらしい。

ぬいぐるみだった物の燃えカスを抱き締めながら、ハラハラと涙を流していた。


「そんなゴミよりあっちのキティアニマルシリーズの方をよこしなさいよ」


ゴゴゴゴゴと怒りに燃える私に、エリオットは涙を流しながら、悔しそうに唇を噛んだ。


「エリオットくんは視覚聴覚を僕と共有出来る万能防犯アイテムでもあったんだよっ⁉︎

それを……あぁぁ、エリオットく〜ん……」


メソメソ泣いているエリオットをゴミを見る目で眺めながら、やはり何か仕込んでいたかと眉をピクピク引き攣らせた。


それのどこが防犯アイテムだよ。

よくも堂々とそんな犯罪アイテムを私に寄越そうとしたな。


「そ・ん・なゴミよりっ、キティアニマルシリーズをよこせって言ってんだけど?」


眉をピクピク引き攣らせ、怒りのオーラを纏う私に、エリオットは怯える様に何度も頷いた。


「……あっ、はい。ただ今、今すぐっ!」


素早い動きでキティカラーのワフワフわんことヌコ様ぬいぐるみを私に手渡すエリオット。


私はその二つを受け取ると、あまりの愛らしさにデヘッと破顔した。


やった!ゲットだぜっ!

今日から抱きしめて一緒に寝るんだぁ、でへへ。


ご機嫌になった私に、エリオットはホッと胸を撫で下ろした。


「じゃ、このミニエリオットくん人形も……」


エリオットがどさくさに紛れて渡してこようとしてきたぬいぐるみをチラッと見て、私は再び呟く。


「ファイア」


エリオットが手にしていたぬいぐるみがボッと燃え始める。


「あ゛あ゛あ゛〜〜〜っ!ミニエリオットく〜〜んっ!!」


絶叫して膝から崩れ落ちるエリオット。


その犯罪アイテムは絶対に受け取らんぞ。



「シシリィ、欲しい物は取れたの?」


後ろからキティの声がして、エリオットは素早く屋台のおっちゃんに戻る。


ご満悦の笑顔で振り返った私が胸に抱く二つのぬいぐるみを見たクラウスが、眉根に皺を寄せてガン見してきた。


「それは、ここで手に入るのか?」


真剣な表情のクラウスに、私はニヤ〜ッと笑い返した。


欲しいのか?欲しいんだな?

クックック、羨ましいか。


「そうよ。射的っていって、コルク銃で欲しい景品を撃って、倒したら貰えるの」


ふふ〜んとぬいぐるみを抱いてドヤ顔の私を、クラウスが目を剥いて、信じられない物を見る目で見てきた。


「お前……そんな愛らしい物を、撃ったのか?」


あり得ないといった様子のクラウスに、笑顔のまま青筋を浮かべる。


撃ったが?

そーゆーゲームだから、撃ったよ?

なんならエリオットが余計な事してた分、多めに撃ったよ?

本当なら最初の2、3発で獲れてた筈なんだけど、貴様の兄貴のせいで、ムキになって沢山撃ったよ?


……それが何かぁ〜〜っ!


ニコニコ笑いながら、エリオットの足をグリグリ踏み付ける。


エリオットは声にならない叫びを上げながら、痛みに耐えていた。



「あに……ご店主。これと同じ物を俺にも譲って欲しい。

良い値で買い取ろう」


キリッとそう言うクラウスに、屋台のおっちゃん姿のエリオットはニッコリと笑って答えた。


「殿下にそう言われては断れません。

そちらのお嬢ちゃんの持っているぬいぐるみの、5倍の大きさの物を後で王宮にお届けしておきましょう」


ニコニコ笑うエリオットにクラウスは深々と頭を下げて礼を言う。


「あに……ご店主、恩に着る」


いやいやぁそんなぁっと嬉しそうなエリオットの足を込めれるだけの力を込めて踏み付けると、やはりエリオットは声を殺して悶絶していた。



おい、聞いてないぞ。

このシリーズ、そんなデカいのもあるのかよ。

くれ。

私にも寄越せ。


ジャイ○ンばりに無言の圧力をかけると、エリオットは涙目で何度も私に向かって頷き、小声で耳打ちしてきた。


「後でリアの邸にも届けるから……」


許しを乞う様なエリオットの態度に幾分気も晴れて、そっと足を離してやった。


エリオットは私に踏まれていた足を庇うかの様に後退り、滲んだ涙を指で拭いている。



「で?キティは満喫出来てるの?」


私の問いにキティはパァッと笑って、両手を拳にしてブンブン振りながら、興奮気味に答えた。


「それはもちろん!たこ焼きと焼きそばと綿あめとクレープとかき氷食べたの!

輪投げもしたのよ!

これから金魚すくいに行くの!

シシリィも一緒に行くでしょ?」


楽しそうに弾ける笑顔に、私は内心ホッと胸を撫で下ろした。


ああ、良かった。

楽しんでくれているみたいで。



「もちろん、私も行くわ」


微笑んで答えると、キティはニヤリと笑う。

そして小声で私に耳打ちをした。


「前世で金魚すくいのボサ鬼子と呼ばれていた腕前をみせてあげるわ」


そんな呼び名で呼ばれてたのかよ。

ボサ子……。


金魚すくいのボサ鬼子って、なんか色々イカついのですが。

アンタはそれで良いのか?


まぁ、何はともあれキティは楽しんでくれてる様で良かった良かった。


企画プロデュースした甲斐があったよ、〈キラおと〉夏イベント。






その後、キティと金魚すくいを楽しんだ……のだけど。



「……あんた……エグいわね」


私はキティの掬った金魚の数に、完全に引き気味で言った。


金魚が狭いビニール袋の中にビッチリと……。

駄目だ、夢に出てきそう。

金魚すくいのボサ鬼子の異名は伊達じゃ無かった……。


ふっふ〜んと得意げなキティに、私は口元を引き攣らせた。



「この金魚達専用の池を作らないとなぁ……」


顎に手をやり、ふむと考え込むクラウス。


そのクラウスのロイヤル発言に、ガタガタ青ざめ震えるキティの肩を、ぽんぽんとジャンが叩く。


「諦めろ、いいか、全て、諦めろ」


遠い目でそう言う、ジャン。

キティも同じように遠い目をする。


「……はい」


2人で乾いた笑い声を上げている。



いや、作って貰えよ。

金魚達、そのままじゃトラウマ抱えちゃうよ。

広い池で、心を慰める必要あるって。


ってか、数がやっぱりエグいっ!



そのままだと流石に可哀想なので、水魔法で大きめの球を作り、そこに金魚達を避難させた。


感心した様に目を丸くするキティだが、前世ボサ子はこの数の金魚を一体どうしていたのだろう……いや、考えると怖い。

やめておこう………。







夜が深まり、祭りもそろそろ終わりかという頃。


ヒュルーーーーーーーーッ。


何かが空に打ち上がる音がして、次の瞬間……。


パーーンッバンッと大きな音が響き、夏の夜空一面に、大きな花火が打ち上がった。


「わぁ……っ」


夜空を見上げて、皆歓声を上げる。


花火は次々に咲き乱れ、様々な色を夜空に映し出した。



「綺麗……」


クラウスの隣でキティが呟き、目尻に涙を滲ませている。


郷愁に駆られているのか、その姿は何処か儚く見えた。


きっと、日本人の魂に刻まれた何かがあるのだろう……。


夏祭りの飾り提灯、立ち並ぶ屋台、涼やかな浴衣、そして、花火の火薬の匂い……。


それら全てが、私とキティを懐かしい前世の記憶へと誘った。



きっと、私よりもずっとキティの方が前世を懐かしく感じている筈だ。


キティは前世での自分の最後を覚えていない。

寝て起きたら、キティに産まれ変わっていた感覚かも知れないのだ。

それがどれ程ショックな事だったか。


きっと、残してきた者への未練も喪失感も、私より強いのだろう。


私はクリシロのペットにプチッと踏まれた自分の最後をよく覚えている。

実はあの一瞬で走馬灯も経験したし、母ちゃん、父ちゃん、皆ごめんっと、一方的ではあるが別離の挨拶も出来た。


でも、キティにはその記憶が無い。



花火に写し出されるキティの横顔は、どこか心もとない様な風情があった。

今にも消え入りそうな、その儚げな姿に、私は呑気に夏イベントを企画した自分を呪った。


きっとキティは、強く前世を恋しがっている。

前世を思い出させる様な事を、私がしたからだ……。


悔しくて、ギュッと握った拳を、いつの間にか隣に立っていたエリオットがそっとその大きな手で包んでくれた。



「大丈夫だよ。ほら、キティちゃんは強い」


エリオットに言われてキティを見ると、キティはクラウスと見つめ合いながら、何か話している。


花火の音で会話の内容までは聞こえないけど、クラウスと話す度に、キティの瞳の奥に決意の炎が宿っていく様に見える。


泣きそうな、縋る様だった横顔に、静かにゆっくりと決心の色が浮かび上がってゆく。



ああ、キティはキティの運命と、ちゃんと正面から向き合うと、今心に決めたんだ……。


やっと、クラウスと正面から向き合う事にしたんだな……。



じゃあ、良かったのかな?

私のお節介も少しは役に立ったのかな?


不安げに見上げた先に、エリオットの優しい微笑みがあって、私は何故か泣きそうになった。



来年……の夏。

原作には存在しない、キティの来年の夏。

私は必ずそこにキティを連れて行く。


そして、来年こそ、キティに心から楽しんで貰うんだ!


密かにそう決意して、繋いだエリオットの手をギュッと握り返した。











数日後……。


王宮の庭園に立ち並ぶ、お祭りの屋台。

色とりどりの浴衣に身を包む宮廷の人々。


キティがこの前取った金魚達は、大きな池で気持ちよさそうに泳いでいる。


大きな花火が打ち上がり、それを呆然と眺めるキティの肩を、ジャンがぽんぽんと叩く。


「諦めろ、いいか、全て、諦めろ」


遠い目でそう言う、ジャン。

キティも同じように遠い目をする。


「……はい」


乾いた笑いを浮かべる2人。




クラウスのロイヤル発動のお陰で、キティin王宮夏祭りが開催されている訳だが、何故あの2人はあんなにしみったれているのか。



焼きそばを頬張りながら首を傾げる私に、浴衣姿のエリオットがニコニコしながら近づいて来た。


「リア、あのぬいぐるみは気に入ってくれた?」


「即効燃やしたわよ?」


微笑むエリオットにバッサリ言い返すと、エリオットは顔を手で覆い、さめざめと泣き出した。


あの後邸に性懲りも無く送り付けられていたエリオットくん人形(大)など、とうに消し炭にしてやったが、それが何か?


貴様と視覚聴覚がリンクされている悪魔人形など要らんわっ!


それよりサッサとキティアニマルシリーズ(大)を寄越せ。



いつまでもさめざめ泣き続けるエリオットの足を、怒りを込めてギュッと踏み付けながら、王宮に上がる豪奢な花火を心ゆくまで楽しんだのだった。





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