救いたいという善意
救いたいという善意
abaudo;アバウド
俺は冥界の魔獣の続きの文を見た。
しかし、突然[妨害されました]の一文が邪魔してくる。
その一文を消すと、――に戻ってしまって、見ることが出来なかった。
仕方なくもう一度押すと、また[妨害されました]の一文に邪魔をされた。
――うぅん...何がいけないんだ?
それから何度か試しても、開くことは出来なかった。
そこで気付いたのは、解読のスキルを使う事。
無属性魔法の解読を使えば、何らかの進展があるんじゃないだろうか。
そう思い、すぐさまスキルを冥界の魔獣に使う。
すると、さっきの妨害されましたの一文が、もっと詳しくなった。
[あなたは使用者・管理者ではない為、このスキル情報の詳細を確認することはプログラムにより妨害されます。 ただし、スキル“錬金術”を持っている場合、スキルポイント50を消費で詳細を確認することが出来る。]
錬金術!? いままで何の為に使うのかわからなかったけど、まさかこんな所で使うとは...
それにしても50ポイント消費か...五十連...
一瞬頭の中に、この五十連で最強のスキルが当たるかも...と流れていく。
引く、いや...引くわけには...
一度ガチャの事を考えると、どうしても引きたくなってしまう。
いや、やっぱり...ここは見よう。
意を決して、冥界の魔獣の説明を詳しく開くことにポイントを支払った。
冥界の魔獣
天授の遣いによって発動された魔法。
冥界の魔獣としての称号が授けられた。
天授の遣いを発動すると、狐の尻尾でカウントさせる。
天授の遣いで死亡してしまった場合、特別な天界へ送られる。
このスキルによって、自ら死を選ぶことは出来ない。
天授の遣いを十一回目まで使い、スキルによる死を迎えるまで寿命・事故によって死ぬことは出来ない。
天授の遣いを一回でも使うと、神の一言を頂ける。
神の一言であなたは命令を受け入れなければならない。
そしてあなたに課せられた命令は、他人に善意を見せてはならない。
もし善意を見せてしまった場合、あなたが善意を見せた相手は冥界の魔獣(死神の遣い)によって運命の死、もしくは直接的な死を迎えることになる。
善意の定義としては、完全なる相手への善の気持ちを持って行動した物、つまり上面だけの善意では神の命令への逆らいとはみなされない。
なお、天授の遣いを使い生物を生き返らせることに関しては善意とはみなされない。
ずいぶんと詳しい内容が、なんだか怪しい雰囲気の文章に見える。
他人に善意を見せてはならない...
だからさっきあんなにも嫌がっていたのか...
だが、もしかすると...これを知っていた彼女は、俺が死ぬことを恐れて話をせず逃げて行ってしまった。
これは、彼女による善意とも受け取れなくもない。
まぁ、とりあえず...今は彼女の元に行ってみよう。
すると、雨が降って来た。
今彼女は、山の奥で雨に打たれて泣いているかも知れない。
俺の心には、彼女を救いたいという善意が現れたのだ。
次回こそ、黒蓮堂に奪われた未来!




