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あらゆるスキルの保持者、創造と破壊の魔術 ~俺だけ悪魔~  作者: abaudo:アバウド
妖怪騒ぎ ~九尾~
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村人

村人

abaudo;アバウド


「さーて...ちょっと試してくっか...」

外に出ようと引き戸に手をかけると、美乃に服をつままれた。

「う...なんだよ?」

「待って...わ、私も行く」

美乃は心配そうに俺の服を強く握っていた。

「そうだな、それじゃついて来てもらおうか」

「うん!」

美乃はぱあっと明るく笑って、俺の手を握った。

そして引き戸を開けて、外へと走り出した。


美乃と俺は宿から出て、まずはこの村の畑道を歩き回る。

村の豊かな畑は一面に広がっており、川を流れる水は透明に透き通っている。

のどかな風景が広がっている。

そんな景色を楽しみながら、山の匂いを堪能し、山の方へと駆けあがって行った。

「あ、そこの旅人さん!」

「うん?」

走っている途中で、畑の向こうから呼ばれた気がした。

「そこの小さい角の方と、白い頭の猫耳さん!」

「角は小さくねーよ!」

「猫耳じゃない! 虎耳!」

呼ばれた方から、質素な服の男が歩いて来る。

全身泥まみれだ。

「ちょっと、この肥やしを運んでくれねぇか?」

「うわっ...」

村人が持ってきたのは、動物の糞の山だった。

それを箱詰めしたものを、両手で持って俺たちの前に置く。

「それを...どこに?」

美乃の腕は鳥肌が立っていた。

「これはなぁ、この村の一番高い所にある、村長さん家の元に運んでくれ」

「あの...」

「んじゃ、頼んだ」

「え...」

村人は俺達に肥し箱を渡すと、畑に帰って行ってしまった。

「美乃? 俺...ちょっと、今...力が...入らない、か、かもなぁ...はは」

「ラズ、ごめん...私これ無理」

そこには、熱心に“嫌がる”美乃の姿があった。

「わかったよ。 俺が持って行くから、隣でもしもの時の為にいてくれ」

「もしも?」

「こけたり、誤って浴びたりしてしまった時の為だよ」

「...う、うん!」

俺は臭い肥し箱を、両手で抱えて...村長宅へと歩きだす。

暫く歩いていると、村人たちが手を振ってくれたり、村の子供たちは応援したりしてくれた。

肥やし運びで、何をこんなに...

と、悲しくなった。


村長宅、到着~


「村長さーん! 宅配物でーす!」

美乃がでかい家の玄関前で叫んだ。

「は~い」

村長宅から出てきたのは、若い男性だった。

「ここにサインを~」

「サイン?」

「すみません...肥し箱です」

「あ、あぁ...ご苦労様です」

男性は肥し箱を受け取ると、外の倉庫の様な所に置いた。

「それじゃ、ありがとうございました」

そう言って、男性は家の中へと戻って行った。

あれ...これだけ?

「報酬なかったね」

「そうだな...」

「戻る?」

「戻ろう」

無料働きか...

暗い感じで戻っていると、さっき手を振ってくれていた村人から今度は畑を耕してと頼まれた。

途中だし、小さな畑だからいいかと手伝うと、他の村人からどんどん手伝わされる羽目となった。

そして日が暮れた。

「お、お前ら遅かったじゃねーか...って、汚ねっ!」

おっさんは酒を飲んで、優雅に過ごしている最中、俺たちは...

「チッ!」

二人でおっさんに殴り掛かった。

「なんだぁ!?」

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