再開
再開
abaudo;アバウド
俺たちは山を下り、舗装された道を歩いて団子屋へ向かって行った。
将軍様の慰めがあってか、ハルカは少しずつ元気を取り戻していっている。
そしてしばらく歩いてようやく、団子屋に着いた。
「九条...おっさーん?」
おっさんが寝ているであろう寝室に入ると、九条が正座をして姿勢よく看病に努めていた。
「帰って来たか」
「おう、悪いな九条...それと、おっさんを見てくれててありがとうな」
「あぁ...」
あれ? なんだか重たい雰囲気。
「どうしたんだ、九条?」
「いや、何でもない...ただ少し、眠たいだけ...ふぁぁ」
九条は大きなあくびをついて、目を閉じる。
その途端、九条の引き締まっていた顔が緩んだ。
まぁ、そうだろうな。
俺たちの帰りを、寝ずにおっさんの看病をしながら待っててくれてたもんな。
「わかった。 少しのあいだ休憩を取ろう...みんな、今のうちに身体を休めておけよ!」
「「はーい」」
そうして俺たちは暫くの休憩をとり始めたのだった。
(なぁ、もう終わりにしようぜ?)
(うるさい!)
一人の青年が、机の上に乗っていた試験管などの実験道具を手荒に投げた。
その青年の顔は、黒い靄で塗りつぶされている様で、全く見えない。
(バカ! 現実にない物を作れる能力とか、神に対する冒涜だろうが!)
友人と思われる、数人の内の一人の男が、その青年の頬を強く引っぱたく。
(チッ...)
青年は握りこぶしを強く握って、荒ぶる気持ちを制御する。
(なぁ、悪かったよ...王国の嘘にハマって、俺達までも%#I゛Lを殺そうとしてしまった...でも、今はみんなお前の事を信じてるんだ...)
(クッ...知ってるよそんな事...ここに来てくれただけでわかったよ...でも、もう遅いんだ)
この場にいる全員は全てを察して頭を抱え、深呼吸をして落ち着いた末にその場に腰を下ろす。
みんな酷い表情だ。
(もう...どうすることも出来ないのか?)
(あぁ...)
青年は涙を流し始め、みんなは絶望で目を瞑った。
(もう、どうしようもないんだな)
(...あぁ...悪い)
八時間後~
「ラズ殿、起きろ」
「...ぅうん?」
九条に起こされ、周りを見渡すと全員支度をはじめていた。
「九条...今何時?」
「今は丁度昼時だ」
「そうか? 悪いな寝坊した...」
「いや、疲れているのだろう? それならしかたのない事だ」
九条は俺が身体を起こそうとすると、背中を支えてくれた。
「ありがとう」
「旅の仲間だ。 仲間の健康を気遣うのは私の役目だと思ってるからな」
九条は仲間思いで本当にいいやつだな。
本当にお礼を言っても言い切れない。
「それじゃ、そろそろ出発するか...」
そして俺たちの旅が、再開した。




