本当の正義
本当の正義
abaudo;アバウド
「その鬼は...この日欄虞を救います」
「...!?」
俺達はおろか、鬼までもその言葉に戸惑っている。
「は? 俺様は...幕府の奴らを...」
「この鬼は、これから起こる黒蓮堂との争いに、大変貢献します」
「しかし将軍様! その鬼は、将軍様を...」
「前々から私の事を監視してたのは、知っていました。 しかし、それとこれとは関係がありません。 私達に今必要なのは戦力。 ラズ様達と同様にこの盛天道子様も私達に必要なのです」
ハルカも鬼も納得していない様子で、鬼は将軍に楯突いた。
「ふざけんな! 俺様はお前ら幕府の奴らの元になんか入らない!」
「ですが...」
「そうだラズ...お前もやっぱりこっちに来い。 さっきの事は水に流そう...」
鬼は幕府が目の前にいて錯乱しているのか。
表情をころころ変えている。
その中でも、怯えている表情が何故か目に焼き付いた。
「昔、私の父があなたの家族にした事、それは消えない事実であり拭えない過去です。 そしてあなたは私の父を殺し、ハルカにはトラウマと後悔を植え付けました。 そしてあなた達は互いに力を高め合い、今に至っているのです...その二人が手を合わせれば黒蓮堂を倒すのも...」
「待ってください、将軍様。 争う為に必要なのは信頼できる仲間です! こんな鬼なんか入れれば乱れてしまいます。」
確かにハルカの言っていることもあってる。
それに将軍の今の話し方だと、幕府ばっかりに利があって盛天道時には特にメリットはない。
「そうではありません。 ハルカは同じ戦陣の話をしていますが、別々に配属させるつもりです。 それに鬼の盛天道子様にも利は勿論あります。 その中の一番は民に認められる事に繋がる事です」
「認められても...俺様達の生活は何も変わらない」
「それだけではございません。 あなた達のこの村の存在を認める他、毎月の支援と物資の供給もします。 どうか我々たちを助けてはいただけないでしょうか?」
「将軍様!?」
高貴な将軍が、盛天道子の前で土下座をして床に額を着けた。
「お願いします。 現在のこの幕府を...この日欄虞の為に助けてはいただけないでしょうか?」
この行動には、流石に盛天道子も困っている。
将軍は受け入れてもらうまで、土下座をやめないつもりだろう。
「盛天道子...俺からも頼む。 ハルカもそうだ、どうか...受けれてもらえないか?」
「私も同じ意見よ。 ラズの願いは私の願いだから」
美乃...
「将軍様の願いなら、それは部下である私たちの願い...です」
ハルカは力を抜いて、少し悔しがっていたが受け入れてくれた。
後は盛天道子だけ...
「わかった...」
「...ありがとうございます」
「ただし...今回の一件が終わって、また俺様達に無礼な行いをしようものなら、容赦なく叩きのめすからな」
「...はい」
そうして、鬼と幕府の戦いは終わり、今度は一つの敵を前に共に助け合う。
新たな仲間が出来た。
これにて、鬼編終了となります!
長くなりましたが、お付き合いいただきありがとうございました。
そして次からは九尾編へとなりますので、どうかこれからもよろしくお願いします。
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