過去の失態はあなたの為...
過去の失態はあなたの為...
abaudo;アバウド
その時、盛天道子が目を覚ます。
「うぅ...」
頭を殴られたのか、頭をさすりながら体を起こした。
相当痛そうに声を唸らせて、俺たちを見た瞬間に勢いよく立ち上がった。
「お、お前ら! 何をして...」
「その方々は、盛天道子様を助けて下さったのですよ」
この家の女性が、盛天道子の為に水の入った桶と布を持ってきた。
その女性は一礼して俺たちの間に入って来た後、盛天道子を横にさせて濡らした布を額に置いた。
「待て...そいつらは」
「少し休んでてくださいね。 お客さんが来てますので」
お客さん?
この家の女性は、そう言ってから部屋を出て行った。
「クソ...無念だ...」
「その無念も、今ここで殺して晴らしてあげるわ」
「ちょ...ハルカ!」
美乃が抑えているのにも関わらず、ハルカはまだ盛天道子を殺そうとしている。
俺も抑えに行くが、ハルカは力いっぱい抵抗していて、俺たちの腕の中でもがいている。
「殺せ...俺様を殺したいならな」
「いいわ。 殺してあげる。 殺して見せしめにこの村まで破壊してあげる!」
「盛天道子まで...」
俺が気を抜いたか、ハルカの力に敵わなかったのか、美乃の腕から抜けて俺の腹を刀の柄で殴り、首に剣を振り下ろす...
「待ちなさい!」
さっきの女性が出て行った部屋のドアから、女の声が聞こえた。
この声は...
「菊峯将軍!」
「将軍...様?」
そのドアに目を向けると菊峯将軍がいる。
「ハルカ、その鬼を殺してはダメ」
「......くっ...」
ハルカは力いっぱい刀の柄を握って、震わせながら鞘に戻した。
「何故...ですか」
「その鬼は......」
菊峯将軍の口から、とんでもない事が言われた。




