惨事の引き金
惨事の引き金
abaudo;アバウド
村の手前で、盛天道子は立ち止まり俺に告げた。
「頼む。 手伝ってほしい」
さっきまで威勢よく振舞っていた盛天道子だが、今は頭を下げて小さくなっている。
...いきなり、俺にそんなものを手伝えと?
「俺様と渡り合えるほどの実力を持ったラズにしか頼めない...」
「そもそも俺は...」
「繋がりがあるのだろ?」
なんでそれを!?
「俺様はちょいと特殊で、見たものの過去を見れるんだ」
...なるほど、だからさっき...
「ラズ...悪い事は言わない、幕府と関わるのをやめて俺様達の所へ来い」
確かに盛天道子の過去を聞いた限り、幕府の連中によって不幸にされた。
だから幕府を恨んでいて、周りにもそんな思いをさせないように善意で取り組んでいる。
でも...
「悪いがむ...」
「見つけだぞぉぉ!」
村の入口から遠く離れた暗い道の向こうから、女の声が聞こえた。
「誰だぁ!」
その声が聞こえた瞬間、村の男達は女子供を家の中へ避難させ始める。
この声、まさか!
「ラズ、迎えに来たわよ!」
美乃とハルカ!
そこには妙に懐かしく感じる美乃とハルカが、俺に向かって走ってきていた。
あの時見た夢のせいか、情緒がいきなり不安定になり始めた。
気を抜けば、目の下に涙がたまっていく。
「美乃ぉ!」
勝手に足は走り出し、勝手に腕が美乃を抱きしめる。
「ちょ、ラズ......よしよし、怖かったねぇ」
美乃は俺の脇の下から腕を伸ばして、後頭部を優しく撫でてくれた。
ハルカも...
って、ハルカ?
「まずい!」
我を忘れている場合じゃなかった。
ハルカが両手で引きずり持っている剣で、盛天道子を殺すつもりだ。
あのままだと...盛天道子が...
「ま...」
「そうかラズ...俺様じゃなく、幕府の味方に付くんだな...」
...おか、、しいぞ?
なんだあのオーラ...
引き立てて、力を奮い立たせてる。
「盛天道子?」
「ラズ、お前はあんまり敵にはしたくなかったよ...」
「待て? 何をしようと」
とんでもないエネルギーだ。
盛天道子自信が、風を起こしている様に見える。
「閉ざされし門よ、封印されし扉よ、惨事を招く刻が来た。 赤く染まった瞳孔の隻、戦いの記憶を呼び覚まし、万里を統べし力を解き放て...開眼・荒尽」
はっきりと空に目が浮き上がり、今開かれようとしていた。
次回、終焉の刻が...
お読みいただきありがとうございます。
これからも“あらゆるスキルの所持者、創造と破壊の魔術”をよろしくお願いします。




