表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あらゆるスキルの保持者、創造と破壊の魔術 ~俺だけ悪魔~  作者: abaudo:アバウド
妖怪騒ぎ ~鬼~
82/724

反逆の乱

村を治める所以

abaudo;アバウド


俺と鬼には完全なる力の差があるのかもしれない。

それが殺せなかった理由。

ターゲットを仕留める時に、俺は迷ってしまった。

運が重なって、確実に殺せた。

だが、俺は殺せなかった。

仕方なく俺は、また殺せる機会を伺って、鬼についていく事にした。

飽くまで殺す為に...だ。

今は山の頂上へ向かって、北へ向かっている。

「そう言えば、俺様はあんたの事、なんて呼んだらいい?」

「...別に、ラズでいいよ」

慣れ合うつもりは更々ないが、無下にする必要もない。

普通の会話程度だったら...

(...せ...殺せ)

「くっ!」

「どうした?」

今一瞬、頭の中で何か流れた。

「...何でもない」

「そうか」

気持ちが悪い...なんださっきのは...

少しでも気を紛らわそう。

「そういえば、あの子たちはなんでここにいるんだ?」

「あれか...あれらは」

それから鬼の昔話が始まった。


さっき俺を止めた女の子は、濃登と言う京の山から更に北へ降りた先の街の姫だったらしい。

生まれて直ぐご令嬢として育てられた女の子は、全くとして自由が与えられなかった。

外を見れば同年代の子供たちが遊んでいる、でも女の子は遊ぶことおろか外にすら出られなかった。

領主である父親は地位を守る為、自分の反対側の意見を持った者を片っ端から罪人扱いし、それは母親も例外ではなかった。

父親は母親を殺した。 女の子も父親に歯向かえば殺されるかもしれない。

父親の気を使う息の詰まるような生活が、女の子には七年ほど続いたという。

その途中で、女の子は父親のとんでもない隠し事に気付いてしまう。

父親は人間世界と繋がる黒蓮堂の、資金源として活躍をしていて、時々人間を連れ込んでいることが発覚したのだ。

人間は悪魔を殺し、悪魔は人間を殺す。

そんな伝説だけ知っている女の子は怖くなってしまった。

十歳になった日に、女の子はとうとう家出を決意した。

決して容易い家出ではなかったが、女の子は身を削って自由を手に入れた。

しかし、父親は諦めない。

領地の者達に女の子の捜索をさせる。 一週間以内に見つけられなかったら、住人を一人ずつ処刑していくと言ったのだ。

女の子は戻るしかないと思った矢先、盛天道子に出会った。

盛天道子は全て知っていて、領主の男をどうにかしてやると女の子に言った。

その代わり、俺様の村に来いと言ったそうだ。

女の子は素直に受け入れ、その後その男は盛天道子によって殺された。

このことを女の子が知ると、女の子は静かに盛天道子の浴衣の裾をつまんで、黙っていたという。

盛天道子はあの男を殺していいのか迷ったそうだが、殺さなければ女の子が殺されていたという。

女の子は暫く悲しんだそうだが、少しすると納得できたのか明るくなってくれたらしい。

それから盛天道子を慕うようになったらしい。


「これが、あの女の子との昔話だ」

「...そうか」

思っていたよりも黒蓮堂の闇は、深くてドロドロしているのかもしれないな。

「ここにいる皆は、あの女の子と同じような生活を送ってここにいるのか?」

「そうだ、大体は同じで、皆暗い過去を持っている。 鬼化した俺様と同じでな」

「鬼化?」

「そうだったな、俺様が鬼なった所以も話してなかったな」

それから、盛天道子が鬼化するまでの経緯を聞いた―


...嘘だろ...なんだよその過去...

ハッキリ言って気持ちが悪い。

「それで、俺様は幕府の連中を恨んだ」

「...」

「悪いな、暗い過去の話をしてしまった。 だから俺様は、あいつらを守ってやりたいんだ」

さっきよりも盛天道子の華やかな浴衣がゆっくりと揺れている。

「あっ、この浴衣の花...母上が花好きでな、人間界で好きだった花なんだ...長女である俺様の事がさぞかし可愛かったんだろうな。 母上は俺様に人間界の色んなものを教えてくれた。 ちなみにこの花は背中の奴が撫子ナデシコで、腕に描かれてる奴は芝桜って言うらしいぞ」

どうしてこんなに楽しそうなんだろうか。

俺なんか、母親の事を思い出すと...今でも泣きそうになるのに...

「...どうかしたのか?」

「...いや、なんでもない」

俺は、一体誰を殺そうとしていたんだ?

不意に俺はターゲットを見失ってしまう。

すぐ隣にいると知っているのに...

「そうだ、ラズは俺様の...俺様達の作戦に加わってくれるか?」

村の灯りが見えたその時、改まった様子で盛天道子が言って来た。

「...なんの作戦だ?」

「それはな、“幕府殲滅、反逆の乱”だ」

次回、惨事の引き金

 

昨日投稿出来なくて、申し訳ありません。

これからも引き続き出来るだけ毎日投稿をします!

応援をして頂けると、本当に幸いです。

それから今応援していただいている皆様、誠にありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ