鬼・九尾・天狗
鬼・九尾・天狗
abaudo;アバウド
「仕方ないわね...」
ハルカは大きなため息をつき、スラッとした大勢のまま腕を組んだ。
「日欄虞の妖怪...鬼と九尾と天狗は知っているかしら?」
「よ...妖怪?」
鬼って言えば節分とか...九尾は、何となく知っているし...天狗と言えば、昔話とかでよく聞いたことがある。
「なんとなく...だったら」
「そう、なら話が早いわ...実はその三つの妖怪たちは、どれも高額な討伐依頼が届いていて、今まで数えきれないほどの武士を送ったけど、どれも帰ってきてないの...」
「一体なんでそんな討伐依頼が?」
「鬼の盛天道子は、若者や姫を狙ってさらう事件を起こしたわ。 九尾の霊伝後は、その姿を化かして近づく人々や動物の命を奪っていった。 そして、天狗の玉泉縁は...」
ハルカは急に目を瞑って、口を開かず黙り込んだ。
「...それが、どうしたんだ?」
「さあ、天狗の玉泉縁についてはよく知らないわ...」
なんだ? ハルカ、何か隠したように見えたけど...
「そうか...それじゃ、その三体のいる場所は?」
「盛天道子は京の山にいるとの報告があるわ...霊伝後は遠い東北に向かったらしい。 そして天狗の玉泉縁に関しては...やっぱり謎が多くて何もわからない」
心なしかハルカは悲しそうな顔をしたような気がする。
その表情を見てか、美乃が陽気な声を発する。
「それじゃ、皆で探しに行きましょ?」
「そうだな...おっさんとか九条とか誘って、五人で探しに行こう」
「いや...でも、私には任務が...」
「いや、良いのよハルカ」
その時、将軍がゆっくりと歩み寄って来た。
「え!? でも、それじゃ...」
「あなたには今回、危険な黒蓮堂スパイ任務を成功させたもの...だから今は思いっきり遊んできなさい」
「そうだよ。 将軍もそう言ってることだしさ」
美乃も俺もハルカの手を引っ張った。
「...そうですね。 それに私はこの豚野郎を守らなくてはいけませんものね」
「そうそう」
「え、俺を守る?」
俺が質問をすると、ハルカは元気いっぱいの笑い声で走り出した。
「知らなくてもいい事よ! さぁ、早く行きましょ!」




