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あらゆるスキルの保持者、創造と破壊の魔術 ~俺だけ悪魔~  作者: abaudo:アバウド
日欄虞(ヒラング)
72/724

謎多き者

それは先日の出来事のように

abaudo;アバウド


ロウソクの淡い光に照らされる。

その光は、ロウソクの小さな範囲を強く光らせて、まるでロウソクを強調させているようだ。

隙間から風が入ってきて、たまに火が震えるのを見ていると心が落ち着いて、火の燃える音も静穏を表しているかの様に感じた。

壁のように四枚配置されたふすまの向こうで、美乃と将軍が二人きりでいる。

「あはは!」

なにやら騒がしい声がこっちに届いている。

いいなぁ...

俺は心のどこかでそう思いながら、天井を見上げた。

こうして二人を待っていると、俺は一体何をしているのだろう、という...仲間外れにされている気分になってしまうからなのか、虚無感を感じた。

「ねぇ菊峯、この浴衣着ていい?」

「いいわよ...」

俺の耳が自然に研ぎ澄まされる。

「えっと...ここはどうやったらいいんだろう?」

「ここはね、こういう風にやって...」

「失礼します」

ふすまの奥の、また奥のふすまが開く音。

「あぁ、よく来たわねハルカ」

「将軍様のご要望であるなら...」

「んもう、ここでは将軍は堅苦しいからやめてって、それに菊峯って呼び捨てにしてもいいんだよ?」

「しかし...」

「ダーメ、同い年なんだし...堅苦しかったら楽しめないじゃない」

「...はい」

向こうがどうなっているかわからないが、俺にはわかった。

完全に俺の事なんか忘れて、女子会を開こうとしているってことを...

「わ、これきっつ...」

「大丈夫よ美乃、ちゃんと似合ってるから」

くそ...忘れられてるのは腹が立つけど、ここまま聞いていたい気も...

やばい!? 気づかないうちに俺は、変態オヤジになっているんじゃ!?

いやでも、これはこれで...

俺はふすま越しに耳を当てて、三人の会話を聞くことに背徳感を感じながらも、そのまま聞くことにしてしまった。

「ハルカもそう思うよね?」

「は、はい! とても綺麗です!」

「えぇ、そうかなぁ...えへへ」

「そうだよ...でも、やっぱり外国の人は大きいなぁ...しかも耳可愛い...耳触ってもいい?」

「い、良いよ」

あのお淑やかで少しお堅いイメージの将軍が、こんな女の子っぽい声で、美乃のケモ耳を触っている光景を想像すると、あぁこれはいいものだわ。

目を閉じれば想像が出来る。

「ひゃ、ななななななに!?」

「おっぱい本当におっきいですね...一体どんな食事をしたら」

「おっきいって、別にそんなんじゃ...ぅっ!」

この後、俺は千里鑑定眼と言う神スキルを持っていたことに、気付かなかった俺を恨んだ。

「はだけて...きてる、、あっ...やめて...てば」

「お、良い声出すぅ...じゃ、ここはどうかなぁ?」

「あん...いや、しょ、しょこはぁ...だ...め」

一体何が起こっているのだろうか。

一体どこを触っているのだろうか。

このふすまの向こう...そこには俺の望んでいる光景が...楽園が...

「か、肩は弱いのぉ...」

カタ!?

なんだ? カタが弱い?

まさか...隠語か?

俺の知らない、カタと言うえっちぃ部分なのか?

開けていいか?

開けてもいいよな?

「こしょ...ばい...も、だめぇ」

その時、ふすまがこっちに倒れてきた。

勿論ふすまにくっついて聞いていた俺は...潰された。


将軍は一つ段差の上で、正座をして咳ばらいをした。

「...ラズ様、あなたを呼んだ理由は、その五千年の刻印の事です」

「五千年の刻印?」

また隠語か?

将軍は俺の目を見ると、明らかに目を逸らし...うっすらと苦笑いをした。

「そ、そうです...あなたには五千年の呪いがかけられております」

「呪い?」

一体なんの事だ?

将軍の奥深さを含んだ真剣な顔から察するに、隠語でもなんでもない雰囲気だ。

「あなたにかけられた呪いは......本当に特別なもので...多分この世のものでは作れない物かと」

「この世のものでは作れない?」

「ラズ様、あなたはスキルを持っていらっしゃいますか?」

「...うん」

「そのスキルは一体どうやって?」

どうやってって...

「レベルあがったら普通にガチャを引いて、確率でスキルが出るけど」

「ガチャ?」

この場にいる皆の視線が氷ついた。

「あなた...人からスキルを貰ったりとかしたこと無いの?」

「スキルを貰う? 無いけど」

「は? じゃ、一体何のスキルを持っているのよ」


ハルカの質問に、俺はスキルを表示して一つ一つ正確に答えて言った...


「...で最後だ」

二人が目を見開いて、驚愕していた。

「そのガチャ...って言うのは、一体どんなものですか?」

「ガチャか? ガチャはそうだな...緊張感があって、そのスキルポイントを犠牲にしているから、良いの来ると嬉しいし...うーん...あんまりうまく語れないな」

将軍はなんだか嬉しそうな顔をして言った。

「それでは、そのガチャを今ここで使えますか?」

「いや、ああ...使え、るはず!」

「...お願いします」

俺は言われるがままに、AIさんにガチャを引くように頼んだ。

俺がガチャを引き始めると、将軍は直ぐに話しかけてきた。

「今、何見えます?」

「今は...雲のように大きな亀が見える...黒色の」

黒色の亀を見ていると、その亀が虹色に光りだした。

「おっ!」

「どうされました?」

「光った! 確定演出...」

「カクテイエンシュツ?」

「そう。 これが出ると絶対にいいスキルが」

そしてスキルの画面が開いた。


イレイド

青い閃光を放ち、周囲の敵に攻撃力×50%の範囲ダメージを与える。

その後、敵全体にデバフ効果を与え、ステータスを下げる。


暗黒のスターダスト

幾千の星屑を空から落とす。


セヘル∞オーバー

体力ゲージの70%を犠牲に、一定の時間魔力が無限になる。


治癒速度上昇

治癒魔法の速度を少し早くする。


リヅリー

条件を満たすと、全てのスキルレベルを倍まで上限値を上げる。<レベルup条件解放>


俺の視界がもとに戻った。

美乃やハルカが不安そうに見ていた。

しかし俺は、確定演出の嬉しさに興奮していた。

「スゲー!」

「何が手に入りました?」

もうわかったかのように、微笑んで状況を聞いて来た。

「セヘル∞オーバーって言う...体力のほとんどを犠牲に、一定時間魔力が無限になるっていう、強そうな奴が当たって、しかも今自分を強化できるようになったから、やっていい?」

「どうぞ?」

よっしゃ、リヅリー発動!

<*以外全てのスキルのレベル上限が二倍になった>

*(錬金術・サイマス・allhigh・リヅリー・チャレンジャー・サバイバー)

特典、三回以内の戦闘で得られる経験値5倍。

:戦闘は個人戦・集団戦問わず、敵一体を倒す事で一つカウントされる。

「こうしてはいられない...ちょっと、敵倒してくる」

「あ、ちょっと? ごめん、私も行ってくるね」

そう言って美乃とラズは外に出て行った。

「あ~、まだ話終わってないのに...」

「あの、五千年の刻印と言うのは?」

「それ? それはね...ゴニョニョ」

「え...」

この時、ハルカが聞かされたことをラズが知る時には...戦争が終わっていた。

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