一味違う
一味違う
abaudo;アバウド
そう、今の俺は...いや、これからの俺は、一味違う。
鏡に映る美しい姿の俺に、うっとりしてしまうのは仕方がない。
あぁ、俺ってこんなに格好いいんだ...罪なお・と・こ。
「ゴッン!」
恰好いいポーズを探して、身体や頭を振っていると、鏡に強く頭を打ち付けた。
「あれラズ? 鏡の前で何やってんの?」
「ふっ、これは美乃さんではありませんか...これは何のご用事で? もしかして、ORE?」
キマった。 さっき鏡で練習していた、輝く瞳。
しかもこの重たくも美しい声。
これで惚れない奴はいないだろう。
「え? なにラズ...きも」
「...はい?」
「いや、そんな目をぱちぱちさせて、何言っているかわからない...とかじゃないよ? 普通にきもかったよ? どうしたの...頭でも打ったの?」
「...は?」
「あぁ、やっぱり...きっと打ち所が悪かったのね...大丈夫よ、今直すから」
そう言って何でも出来る美乃は、俺の頭に治癒魔法をかけた。
心配してくれている美乃には申し訳ないけど、もうちょっと空気読もうぜ?
「よし、これで治ったはず...」
「クソぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「え!? 頭が、頭がおかしいのは治らないのぉ!?」
それから数時間、ラズの“漢”(勘)違いを見てしまった美乃は、ショックで喋らなかったという。
うぅ...まぁ、別に喋ってたけど。
暗い夜。
俺は近くの城壁を昇っていた。
何故かって?
そりゃあ、将軍様に会いに行く為。
会いに来いって言ったのは、将軍様だからね...
まぁ、城壁を上がって来いとは言ってなかったけど...
でも、あのハルカが城門の近くにいたから、これは仕方ないのだ!
下心丸出しで、壁をすいすいと上がって行った。
「お、お前! そこで何をしている!?」
あ、やべ...見つかっちまった。
俺はカサカサと城壁に張り付いて昇って行った。
しかし、途中張り付いていた戸が丁度良く開いてしまい俺は城壁から落ちた。
「あ、あぁ!」
しかも運悪く、窓を開けた奴は、ハルカだった。
「...ごみの排除完了」
ハルカはまるで狙ってたかのように、呟いて戸を閉めた。
「痛って...」
「お前、こんな所で何をしている!?」
城壁の下で待機していた何十人もの武士に囲まれた。
「あら、来ていたの?」
この声は、将軍...じゃない、美乃!?
「それじゃ、二人共...こちらへいらしてください」
あれ、なんか俺...壮大な勘違いをしていた様な...
頭打ったせいかな? ここ数時間の記憶がない。
まぁ、いっか!
今回はおふざけ回みたいになりましたが、次はちゃんとした真面目回なので!
これからも“あらゆるスキルの所持者”をよろしくお願いします。




