強靭な累龍
強靭な累龍
abaudo;アバウド
「逃げ出しただと? ...探せっ!」
「はっ!」
およそ百人以上の兵が、一度に敬礼をし、その途端に走り探しに行く。
貫禄に包まれている偉そうな人は、歩兵士普通科・竜騎兵団長、シグアリ・クロディーサである。
この国では珍しく、兵団長が外国出身であり、それは簡単になれるものではない。
そんな重宝されるわけでない身分だった彼は、常人では計り知れない身体的特徴・思考判断力・桁並み外れた運動能力の持ち主であるのだ。
だから今の彼の、
「何が何でも見つけ出してやる」
と言う強い意志が、ラズ達を苦しめることとなった。
「どげっ!」
これで四十人目...俺たちを何が何でも逃がさないという意志が、手に取るように分かってくる。
俺も流石にこれだけの兵士を倒して分かった。
「こいつら...死にに来ているんじゃないか?」
何と言うほどの愛国心なのだろうか。
それとも何かに怯えて...その恐怖より死の方がましだとでも思って来ているのだろうか。
結局、自分の身を捨ててまで、成し遂げねばならない任務なのだろう。
ただ俺は、向かってくるこいつらを、出来るだけ苦しめずに一発で仕留めるしかないのだ。
「逃げるなぁ!」
「廃落」
朽ちて崩れる灰のように死んでいった。
そしてまた一人、こっちに向かってくる。
「廃落」
また一人、また一人と、向かって来ては死んでいく。
「Sun Gravity」
美乃は後ろから攻めて来る敵を、重力で潰し、
「火恋糸」
九条が俺と美乃のサポートに着いた。
火恋糸は、俺の剣や魔法の攻撃に追加で炎属性のダメージを与えていく、有力なサポートスキルだ。
俺は直ぐ後ろをついてきている皆に、グッドポーズをして笑みを浮かべた。
忍者達はずっと後ろで援護しているのが見える。
あの忍者達には感謝しないといけないな。
「黒蓮堂流派...シグレイの境地」
いきなり目の前に現れた黒服の男が、俺たちの進行を止める為か、大きな壁を作り上げる。
「くそ...こんな時に」
「私に任せて」
そう言った美乃が壁を殴ると、その壁が崩れ落ち壁の向こうの黒服の男は、目を点にし驚く。
「さぁ、そこを退きなさい...」
「...ちっ、黒蓮堂流...」
美乃が俺をチラチラと見ながら、スキル名を唱える。
「イグニッション」
黒服の男に小さな火が付いた。
それを見て俺は...
なるほど、とほほ笑む。
「火源暴発っ!」
次回、兵を従える術




