光の透らない地下の檻
光の透らない地下の檻
abaudo;アバウド
俺たちは喧嘩を買ってしまった。
だからここに閉じ込められているのだろうと納得しようとするが、結局納得なんて出来ない。
こっちは売られて、しかも自己防衛の為に戦ったんだぞ!
民間人に迷惑をかけていないかと言われると...かけたに等しい...それでもやっぱり納得なんて出来ない。
しかももうここに閉じ込められてから三日も経つ。
その中で食事を与えられたのは、二回だけ。
いくら罪人だと思われてようが、まだ判決も出てないのに飯を抜かれるという虐待についてはどうだろうか。
「もう少ししたら、多分セントイルが助けてくれるわよ」
「本当か?」
「まぁ、私たちの身元を安易に信じない彼らが、私達がセントイル出身だと知るまでの辛抱ね」
「そう言えば、お前は何処から来たんだ?」
暗い灯ししかない牢の中で、一人壁に寄りかかっている黒髪に訊ねた。
彼女は「はっ」として、直ぐに質問に食いついて来た。
「私は、暁...いや、“日欄虞”出身。 名家、九条 真耶だ」
「日欄虞!?」
「しっ、声がでかい」
慌てて二人が俺の口を抑え込む。
幸い、監視は俺たちの話を聞いてなかったみたいだ。
二人は安心し、一息つく。
「二人共どうしたんだ?」
「お主は馬鹿なのか? 我々の国、日欄虞と魏樂は戦争こそ起こしていないが、今は睨み合っている状況なのだぞ? そんな状況の中、私が日欄虞出身という事がバレたら...」
「きっと二度とここから出られないわね」
二人で青白い顔を見合わせて、ガタガタと震えてる。
「なるほど、じゃあ九条はなんでここ魏樂に来ているんだ?」
「それはな...」
「おぉい、お前らぁ!判決の時間だぁ」
判決の時間!?
「それはどういう...」
「何だ? 知らなかったのか? お前らは今日裁判で死刑にされるんだぜ...うへっ、うへへへへ」
背中を反らし、俺たちを指さして大笑いする。
そして牢の前に数人の藍色と鼠色に染色された服を二重に着た偉そうな奴らが、ドアの施錠を破壊して俺たちの手錠も破壊していく。
「おっ、きたきた...って、は? 何やってんだお前ら!?」
「うるさい」
手の甲でさっきの監視の顔をつぶす。 たった一振りで。
「な、なにを?」
「お待たせしました。真耶お嬢様...」
男達は九条に向けて、頭と体を下げる。
「ご苦労...」
「はい、お嬢様の為ならこの命ぐらいどうってことはありません」
「ちょ、ちょぉっと待って? あんた達...だれ?」
すると俺の目の前に立ち上がった九条が、至極当然な顔をして答え始める。
「あぁ、この者たちは...忍者だ」
「...は?」
俺と美乃は同じように、頭をポカンとどつかれた様に傾ける。
「だから忍者だ...」
「...は?」
「えーっと、ドレグニールニンジャ!」
「忍者は知っているわ! しかも何で忠魔の北島の民族語にすればわかると思ったの?」
「俺も忍者ぐらい知っているし、俺たちが聞きたいのはなんでここに忍者がいるかだよ!」
九条は「あ、そうか」とのんきに手を叩いて、少し無駄な間を開けてから言った。




