聖水
悪の組織
abaudo;アバウド
「フフ...気持ちいい//」
ハルカは俺の首を刎ねて、頬を染めながら言った。
そして唇を舐めながら、落ちた頭を拾い。目を細め最高の笑みを浮かべた。
「これで私のコレクションが増えた//」
しかし頭と倒れた身体は、光のエフェクトを出して、蒸発するように消える。
「あれ...? 何処に行ったの!」
一瞬焦りを見せたハルカの背後に、俺は元通りの姿で立っていた。
そうだ。 <サイバイバー> が発動していた。
「なに!?」
「あぁっ!」
ハルカは痛烈な声をあげ、地面に倒れ込んだ。
当然だ。俺の即死ダメージ46766×3倍のダメージを受けたんだ。
これで倒れないわけが...
「なーんちゃって」
何っ!?
ハルカは舌を出して、面白おかしく笑ってくる。
全くダメージを受けてない素振りをし、俺が彼女のステータスを見ると、本当に全く、言ってしまえば一ミリ単位もダメージを受けていない。
「残念...私に魔法は効かないよ...私を倒したいなら...」
完全に目の焦点が合ってない。 狂ってる。
ハルカは顎を引いて、舐めまわすように俺の体を眺めていく。
「ふーん...さっきの死んでくれなくてありがとうね...私が、痛めつける楽しみを増やしてくれて...フフッ」
ハッキリ言って気持ちが悪いまでの殺気が飛び交っている。
彼女は相手にしてはいけない。 直感で感じるが、その場から動けなくなった。
「そこに突っ立ってたら、死んじゃうわよ?」
「おら!」
素早く動いた美乃が、ハルカを殴り飛ばし、民家や商品の置いてある棚などを貫通して飛んでいく。
遠く離れた民家でやっと勢いが止まり、その後なんの迷いもなく、猛スピードでこっちに戻って来る。
さっきと同じぐらいの勢いをつけて、美乃に殴りかかった。
殴られてその後数メートルのけぞり、目には見えない速さで殴り合いが始まる。
「あの美乃とやりあうなんて...一体何者なんだよ...」
「おぉい...こっちもこっちでやろうぜぇ?」
さっきの暴君と困り顔の紳士、ローブを被った奴らも勢ぞろいして、俺と美乃に喧嘩をふっかけてきた。
「ラズ、私はこいつと戦ってるから、そこの雑魚たちをお願い」
「わかった!」
美乃は一瞬だけこっちに目を向けた後、直ぐに俺たちから離れて空へ行った。
「あぁん...俺たちが雑魚だぁ? おいお前ら! 全員服用しろ!」
暴君達は、豪華に飾られた手のひらサイズの壺を取り出し、その壺の先に口をつけ、水の様な何かを呑み始める。
「お前ら、何呑んでんだ?」
「...ふっ、“聖水”だ」
聖水!?
「そんなものを呑んだら...」
「うぐぁぁぁぁぁぁぁ!」
暴君ら全員が苦しそうに悶え始める。
だって悪魔なのに聖水を呑むとか、自殺行為でしかない。
しかしなんだ?
こいつらは、死にそうなのに...不穏な雰囲気を放っている。




