永咲の好きバレ
永咲の好きバレ
abaudo;アバウド
「もう、二人共...次の授業は絶対に抜け出したらダメだからね」
「大丈夫よ。 だって一クラスにこんなにいるのよ...ばれるわけ」
「ばれるの! 腐ってもあなたは貴族の令嬢なのだから...」
すると隣にちょこんと座っていた餅付が手を上げる。
「じゃあ令嬢じゃない私ならいいの?」
「いいわけないでしょ!」
怒り気味の声が、教室に響いた。 私は恥ずかしくなって顔を直ぐに隠した。
教室中の皆の視線が痛い。
「まぁ、神前さん...そんなにかっかしないで」
クラスの白垣さんが心配しに来てくれる。
しかし、彼女は何処か悲しそうな表情を内に秘めていた。
いつもの彼女の明るい感じが失われているから、直ぐに気が付いた。
「ごめんなさい...あの、白垣さん?」
「...ん?」
「何か悲しい事でもありました?」
「あ、あれ? 気づいちゃった? 実は...そうなの...」
「何が、あったんですか?」
聞いてはまずいかも知れないけど、聞かなければずっと内に秘めてストレスをためてしまうかも知れない。
「りょういちに...フラれた...」
亮一君?
確か彼女らは幼馴染で...いつも仲が良かったような。
「だいじょ...」
私は喉まで出かけていた言葉がつっかえた。
何か今の彼女には、私と近い感情というか...何か似ている。
そうだ...私、永咲にまだ聞いてない。
あの日からもう十五年...長く彼には待たされ続けている。
やっぱり似ているかも知れない...ただ、一つ私と彼女には決定的に違う所も気付いた。
未に答えを聞けない私、答えを聞いて絶望している彼女。
似ているけど、全く違う。
それに心を打たれて、さっきまで話していた事なんかどうでも良く思える。
私は彼女に...白垣さんに言いたい。
「...諦めちゃ、ダメ!」
「...へ?」
「だから、フラれても諦めないで...それでもう終わりだとか考えないで!」
「え?」
「まだチャンスはある。今は好きだと伝えられて、彼が自分の事をどう思っているかわかっただけプラスに思えばいいじゃない! 私なんか、永咲に好きと伝えたのに...まだ、まだ答えを聞けないんだよ!?」
自分はもう言いたいことをその場で言った。
結構な大音量で...特に最後の永咲の所から。
「え、神前て...永咲が好きだったの?」
聖徒達がどんどん集まって来る。 私は自分の言ったことをよく考えて...急にとてつもない恥ずかしさが襲って来た。
「神前が永咲の事好きって本当だったの!?」
「えぇ! マジ!」
こうして私の永咲好きが、確信の噂として聖徒全員に伝染していった。
は、恥ずかしい...
「あ、あとフラれたって...別に告白したわけじゃないよ? ただ、毎年恒例にしていた木祭りに今年はいけないって断られちゃっただけだから...」
...ややこしいわ!
本当に次回は、“魔界へと繋がるダンジョンと神栄の図書の謎”です!
ごめんなさい。




