正しさとは
正しさとは
abaudo;アバウド
怒りに我を忘れてたとは言え、魔力を使い過ぎた。
仕方ないと言えば、仕方ないけど...
もう殆ど魔力も残ってない。
しかも一向に美乃がくる様子も無いし...
って、千里鑑定眼で美乃の様子を見ればいいじゃん!
俺ってもしかして馬鹿か?
こうしてはいられない。
俺は千里鑑定眼で、この階層から上の全ての部屋を見た。
...なかなか見当たらないな。
この階層の南の方だろうか。
凄い空洞というか、穴が開いていることがわかった。
さっきはなかったし、もしかして美乃が破壊したとか?
まさか...な。
とりあえず、セラの止血は終えたし今は眠っている。
俺も暇だし...待っているだけにも行かないよな。
そうだ...ガチャ引こうかな?
...いや、やっぱりやめておこう。
無駄に消費するのも危ないし、今使っても何も出ないような気がする。
こういうのはコンディションが大切だ。
それに、ピンチの時に神スキルが出るのがいいのだ。
そこを忘れてはいけない。
(今引いちゃいなよ~)
頭の中で、美乃がそう語り掛けてきた気がする。
俺の想像の中でも、美乃はわかってない。
ロマンっていう物をわかってない。
こんな事を言っていると、「いつ引いたって変わらない」とかぬかす奴もいるだろう。
しかーし!
違うのだ、ガチャとはそんな簡単な物じゃないのだ!
ふふ...もしかしたら、これがガチャの深淵で...ガチャの闇ともいわれる所以なのかも知れないな。
「よし...ガチャ引こう」
もしこれを聞いてる人がいれば...「何故!?」となる人もいるだろう。
だがしかし!
四第欲求のガチャ欲には勝てないのだ!
でも...引くのは良いけど...
本当に引いてもいいのか?
いや、引きたい!
だが引けない!
これがガチャ箱大回転(無限ループ)と言う奴か。
一体正しさとはなんなのか。
その時。
俺の目の前にある広い空間の壁が、めきめきと音を立て始めた。
「な、なんだ?」
すぐさまセラの身の安全確認をする。
大丈夫そうだ。
でも...この音は...
今度は足元がグラグラと揺れ始める。
じ、地震!?
やば、早く伏せないと...
俺はセラの近くの地面に這いつくばる。
神殿が壊れたりしないよな。
そして、メキメキと音を立てていた壁が、とうとうひびが入ったのも束の間、「バコッン!」と大きな音を立てて崩れ落ちていく。
「ここかな? ...ラズー?」
この声は...美乃?
「危ないだろ! 馬鹿力女!」
「何よ! 探しにきてあげたのに...」
「それはありがとう...だが、それとこれとは違う!」
「だってこっちのが早いんだからいいでしょ?」
「早いって...確かに普通に進むよりかは早いけど」
「...あなたは...ラズなの?」
「!?」
気が付くと、いつの間にかセラが起きていた。
もしかして、さっきから起きていたのか?
「そうよ。 この子はラズって言って、半人半魔よ」
何勝手に話てくれてんだよ...美乃さんよ?
俺は美乃に怒りの視線を向ける。
「な、何よ...」
「セラも半人半魔...ラズも半人半魔...ペンダント...あなたは、ラズ?」
俺は隠し通せないと悟って、自分がラズである事を認めた。
「...そうだよ」
「そう、あの時の事...覚えてる?」
「あぁ」
「悲しかった?」
「悲しかった」
全く表情を変えないセラが、何故か悲しそうに見える。
「どうした?」
「ごめんなさい...ラズ」
何を謝っているのだろうか。
「セラ...ラズに言ってない事がある」
「俺に言ってない事?」
「それは................」




